大阪市教育委員会が市立小学校で使用する教科書の採択地区について、来年度から「大阪都構想」の区割り案に沿った4区分割を検討していることが分かった。25日の教育委員会会議で議論する。同市の採択地区は現在、全市1区だが、市民や議会から複数区化の要望が出ていた。一方、実現が決まってもいない構想を援用する案に、市議からは「教委の政治への忖度(そんたく)では」との疑念も。政治と教育の距離を巡り議論となりそうだ。【林由紀子】 教科書採択は原則4年に1度実施。小学校では2020年度に新学習指導要領が全面実施され、来年度は準拠の教科書が初採択される。大阪市では近年、教科書採択の住民アンケートで、組織的動員により特定の教科書会社を推す回答が水増しされた可能性が指摘されるなど不祥事が続いた。その結果、全市1区は利権や不正の温床になりかねない▽地域や学校現場の実態に合った採択が必要――との声が高まり、市教委が複数