【大阪に未来はあるか】(上) “大阪化”と“京都化”から日本を考える――人口減少・有力企業の東京移転・効果の無いイベント・止まらない地盤沈下…これが“大阪化”だ 将来、日本の都市は2つのパターンに色分けされる。それは、“大阪化”か“京都化”だ――。こんな分類をしたきっかけは、大阪市中央区船場に勤める知人の何気無い一言だった。「謎なんですわ」。関西経済の変遷を説明しながら、彼はこう言うのだ。「大阪で生まれた会社は、大きくなると本社機能を東京に移すんですわ。住友グループにしても、伊藤忠や丸紅、最近ではローソンや日清食品もそうです。ところが、京都で生まれた会社は京セラにしてもワコールにしても、何で京都に居続けるのか謎ですわ」。確かに、この明暗の差は何だろうか? 大阪の企業が本社を移す度に、お約束のように「大阪経済の地盤沈下が言われて久しい」という枕詞で報じられる。しかも、昭和50年代からずっとで