先週の毎日新聞に載っていた井上章一さんによる片山杜秀『音盤考現学』の書評を改めて読んで、文藝春秋のウェブサイトにある金益見のコーナーに井上さんの文章が載っているのを思い出して、ちょっと井上さんに嫉妬した。右翼研究家の、戦前の日本の作曲家の「神風協奏曲」が素晴らしいとかいった本を紹介し、美人女子院生の後ろ盾みたいな立場にいて、けれどべた褒めはしないで、日本だからラブホテル専門の建築事務所があるのだ、などと注文をつける。一瞬、他国にラブホテル専門の建築事務所がないかどうか調べようかと思ったが面倒なのでやめたが、井上さん、一人でおいしいところをさらっているようだ。 - 「禁煙本」は何も今に始まったわけではなく、昭和31年に、ハーバート・ブリーン『あなたはタバコがやめられる』というのが、木々高太郎の翻訳で、早川書房からポケット版で出てベストセラーになっている。ブリーンは推理作家で、あまり作品は多く