体を前後に伸び縮みさせて移動するミミズ。一見、非効率にみえるが、狭い穴を進むには最適だ。この動きをまねたミミズ型ロボットは牽引(けんいん)力が強く、内部にカメラなどを挿入できる利点もあり、医療や宇宙など多くの分野で実用化が近づいている。(原田成樹) 人工筋肉で再現ロボットは人型だけでなく、さまざまな動物を模倣したものが開発されている。東京電力福島第1原子力発電所の事故調査では、がれきなどの障害物があっても潜り込めるヘビ型が投入されたが、中央大の中村太郎教授はヘビに似て非なるミミズに着目した。 ミミズは、体を区切る節がそれぞれ膨らんだりすぼんだりする動きと、前後方向の伸び縮みが組み合わさった「蠕動(ぜんどう)」と呼ばれる方法で移動する。 中村教授は、この動きを「人工筋肉」などで再現したミミズ型ロボットの開発に取り組んでいる。体の節に見立てたゴム製のチューブを連結し、空気の出し入れによって伸縮