6101771047001戦後に国民的娯楽の地位を築いたプロ野球は15年前、存亡の危機にあった。近鉄・オリックスの合併構想を機に噴出した球団再編運動。2004年、選手たちによる史上初のストライキを機に、球界は勃興し始めていたネット産業の起業家たちと出会う。リーマンショックの4年前、マネーがあふれユーフォリア(陶酔)という言葉を耳にすることが増えたころの話だ。【次回記事】もう一つの球団合併、止めたソフトバンク合併報道で球界激震熱い夏の始まりを告げたのは、一本のニュースだった。「近鉄球団 オリックスに譲渡交渉」04年6月13日、日本経済新聞が朝刊1面で報じると、その日のうちに近鉄本社が記者会見を開き、オリックスとの間で両球団の合併が合意に達していることを認めた。近鉄バファローズの選手会長だった礒部公一の携帯が鳴ったのはその日の午後。親交の深いオリックスの谷佳知からだった。「聞いたか。うちと近鉄