建築家・隈研吾が、2020年2月に書き下ろしの新刊『点・線・面』(岩波書店)を上梓した。近年、国立競技場や高輪ゲートウェイ駅駅舎など、多くの人々の注目を集める建築のデザインに携わっている隈研吾が、人と人、人と物、人と環境をつなぐ思想と実践を語った新しい方法序説だ。自ら“ヴォリュームの解体”と呼ぶその方法論は、どのように培われてきたのか。また、金融資本主義的な“XLサイズ建築”の先に、どのような建築の未来を思い描いているのか。新型コロナウイルスによる外出自粛要請が発令される直前、隈研吾建築都市設計事務所にて行ったインタビューをお届けする。聞き手は、ライターの速水健朗。(編集部) 『負ける建築』から『点・線・面』へ ーー今回の『点・線・面』は、現代建築へのシニカルな批判も含む建築批評であり、かつて『10宅論』(ちくま文庫/1990年)など若き辛口批評家だった隈研吾が戻ってきたという感触でした。
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