JR東日本の松本運輸区上諏訪支区(諏訪市)が今月廃止され、旧国鉄の上諏訪機関区から続く108年の歴史に幕を下ろした。蒸気機関車時代の給水・給炭施設が姿を消した以降、規模を縮小しながらも存続してきた運転上の拠点。地元の旧国鉄OBと労組関係者は「上諏訪の名が消えたのは悲しい」と惜しみながら、「最後に1世紀以上の歴史を地域の皆さんと振り返りたい」。25日に同市大手1の諏訪シティホテル成田屋で思い出の展示会を開く。 鉄道輸送全般の基地となる機関区は、路線上の要所に置かれた。約40年間、国鉄に勤務した元機関士の伊藤礼次さん(84)=同市末広=によると、甲府の機関区から適度に離れ、「広い用地を持ち水供給の便が良かった」ことが上諏訪に敷設された理由だ。敷地は、いまの上諏訪駅西口を走る市道よりも諏訪湖側まで広がっていた。 扇の形状をした14台分の機関庫(車庫)、車両の向きを変える転車台、石炭を積むガン