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ブックマーク / sumita-m.hatenadiary.com (14)

  • 石川淳 on 三島由紀夫 - Living, Loving, Thinking, Again

    文林通言 (中公文庫 A 72-3) 作者: 石川淳出版社/メーカー: 中央公論新社発売日: 1978/01メディア: 文庫この商品を含むブログ (2件) を見る 『文林通言』*1の中で、石川淳は三島由紀夫の『太陽と鉄』を評しながら次のように書いている; 「肉体」にかけた三島君の経験はさまざまと見えるが、わたしとして、たつた一つの例外をのぞけば、とくにおどろいてみせる義理がありさうなものはない。といふのは、竹刀をもつてする道場の稽古も、實戰ではない練兵場の訓練も、ホントの経験ではなくて、まあ擬似経験とでもいふべきものだからである。そこには實物としての敵はゐない。また實地に死を踏まへるといふことはない。また観念のほかにも悲劇はありえない。それだから、一應のハナシを聞けば、カラダをうごかすことの不得手なわたしの想像力をもつてしても、およその見當がつく。わからない部分があつても、わたしにとつてど

    石川淳 on 三島由紀夫 - Living, Loving, Thinking, Again
  • 金井先生は読んでいるのだろうか - Living, Loving, Thinking, Again

    そういえば、「もし金井美恵子が岩崎夏海の『小説の読み方の教科書』を読んだら」と妄想した人がいたのだった*1。 金井先生は「小説の読み方」についてどう言っているのだろうか、ということで、『小説論 読まれなくなった小説のために』から; でも、面白い批評というのは、多少の、これはちょっといただけないし、共感できないなあ、という部分がないと、実は読者としては困ります。あんまり正しいことばかり書いてあると、それ以外に読みようがないのではないか、という気持ちになってしまって、いささか圧迫感を感じます。幸い、ナボコフの読み方には、ちょっといただけない、というとこが、かなりありますから、そこがまたいいのです。(p.87) 小説家は自分の意図とは違う読まれ方をしても、たとえば志賀直哉は『暗夜行路』について小林秀雄と河上徹太郎が恋愛小説だと評した時、小説というのは幅広いものだ、と言ったそうですが、確かに、どう

    金井先生は読んでいるのだろうか - Living, Loving, Thinking, Again
    keiseiryoku
    keiseiryoku 2014/01/04
    重いテーマに引っ張られて文章が窮屈な思いをするのは金井美恵子にとってNGなのだろうなと再認識。/それはそうと金井美恵子がハックル氏の書に(文字通りの意味で)触れることはないだろうなw
  • 戦後の死 - Living, Loving, Thinking, Again

    隆明氏*1、亡くなる。 『スポニチ』の記事; 吉隆明氏が死去 よしもとばななさん父 戦後思想に圧倒的な影響 スポニチアネックス 3月16日(金)6時49分配信 文学、思想、宗教を深く掘り下げ、戦後の思想に大きな影響を与え続けた評論家で詩人の吉隆明(よしもと・たかあき)氏が16日午前2時13分、肺炎のため東京都文京区の日医科大付属病院で死去した。 87歳。東京都出身。葬儀・告別式は近親者のみで行う。喪主は長女多子(さわこ、漫画家ハルノ宵子=よいこ)さん。 今年1月に肺炎で入院し、闘病していた。次女は作家よしもとばななさん。 1947年東京工大卒。中小企業に勤めるが組合活動で失職。詩作を重ね、「固有時との対話」「転位のための十篇」などで硬質の思想と文体が注目された。戦中戦後の文学者らの戦争責任を追及し、共産党員らの転向問題で評論家花田清輝氏と論争した。 既成の左翼運動を徹底して批判。

    戦後の死 - Living, Loving, Thinking, Again
  • サッカーと憲法九条と「だって」 - Living, Loving, Thinking, Again

    目白雑録 2 (朝日文庫) 作者: 金井美恵子出版社/メーカー: 朝日新聞出版発売日: 2009/07/07メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 21回この商品を含むブログ (25件) を見る 金井美恵子『目白雑録2』*1から。 ほとんどのサッカー選手とサッカー・ファンにとっては、ワールド・カップは、クラブにし所属している各国の選手が、戻ったり出ていったりして、とりあえず国単位で新たに組まれるメンバー同士の試合を楽しむというものなのだが、もちろん、実際は違っている。 「もしこれでロシアが惨敗し、われわれが大勝すればだね。要するに、四島の交渉ってちょっと形が違ってくるのよ。まさかと言うけど。そういうもんだよ。オレは外交専門だから。そのためにやっぱり勝ってもらわないと困る」(ファン・ソンビンの文中*2からの石原慎太郎の発言)。「国民がこんなにひとつに燃えたのは久しぶりではないだろうか。〔…

    サッカーと憲法九条と「だって」 - Living, Loving, Thinking, Again
    keiseiryoku
    keiseiryoku 2011/09/20
    だってだってなんだもん♪/読んでるところ。
  • 金井美恵子『快適生活研究』 - Living, Loving, Thinking, Again

    快適生活研究 (朝日文庫) 作者: 金井美恵子出版社/メーカー: 朝日新聞出版発売日: 2010/04/07メディア: 文庫 クリック: 19回この商品を含むブログ (15件) を見る 金井美恵子『快適生活研究』*1を読了したのは昨年(先月)の末*2。 純な心 そんとく問答 よゆう通信 『古都』 隣の娘 地下室のメロディー 快適生活研究 あとがき 「嫌な人間」のカタログのように(文庫版特別インタビュー) 「快適生活研究」という短編が最後に収められているものの、緩い構成の〈長編小説〉ということもできるだろう。何しろばらばらの話が建築家の「Eさん」という強烈な臭みを持つ登場人物を軸にして、緩く繋がり始めてしまうのだ。さらに、かつての「目白四部作」(『文章教室』、『タマや』、『小春日和』、『道化師の恋』)及び『彼女(たち)について私の知っている二、三の事柄』*3の登場人物たち、つまり小説家の「お

    金井美恵子『快適生活研究』 - Living, Loving, Thinking, Again
    keiseiryoku
    keiseiryoku 2011/09/20
    いずれ読みたい。が、今は金井美恵子作品が山のように積ん読状態なので敬遠。
  • 「世界の敵」? - Living, Loving, Thinking, Again

    読書は世界の敵になるための最初のレッスンだ」http://d.hatena.ne.jp/bluebarbe/20110819/1313767215 http://d.hatena.ne.jp/Rootport/20110813/1313239682に触発されたエントリー*1。 曰く、 私も読書は反社会的な行為だと思う。 読書するとは目前の人間を社会を、そして世界を無視することに等しい。 に耽溺するとは、恋人と観覧車で二人きりなのにメールを打つようなものだ。 故にノンフィクションよりフィクションが罪が重く、フィクションの中でも最も罪が重いのは、嘘で世界を演算し、あり得るorあり得たかもしれない世界を演算するSFであると考える。 誤解のないように言うが、読書(映画ゲーム、夢、妄想etc)は現実逃避だから反社会的なのではない。現実そのものだから反社会的なのだ。 「人間」も「社会」も「世界」

    「世界の敵」? - Living, Loving, Thinking, Again
  • ヅマ/ズマとか - Living, Loving, Thinking, Again

    http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20090828/1251459837 で、「「力ずく」という表記はキモい。「ずく」ではなくづくだろう」と書いたのだが、それに関してコメントをいただく; akira*1 2009/08/30 10:12 広辞苑、大辞泉、新明解などによると、 "力づく"と"力ずく"は違う語彙のようです。 "力ずく"は強引にという意味で "力づく"は勢いづくという意味らしいです。 『新明解』は手許に1972年の初版しかないのですが、「力ずく」に関しては、正仮名では「ヅク」と表記することが示してあり*2、その上で、「力を尽くしてすること」と「腕力・暴力などをふるって、目的を果たすこと」という2つの意味を挙げています。ご指摘の「勢いづく」という意味での「力づく」は漢字で書けば「力付く」で、力尽くとは別系統の言葉。力尽くが名詞なのに対して、こちらは自動詞

    ヅマ/ズマとか - Living, Loving, Thinking, Again
    keiseiryoku
    keiseiryoku 2009/09/06
    「力ずく」「力ずく」「力付く」「ちからつく」はすべて別物/もうワケワカメ。
  • ぱっぱぱらりあ - Living, Loving, Thinking, Again

    http://d.hatena.ne.jp/nakamurabashi/20090813/1250130867 「現代文」の授業は何のためにあるのか。それは事実認識的な問いなのか、それとも規範的な問いなのか。What is or what should be? 前者であれば、文部省の学習指導要領とかを見て下さいということになる。後者については、最後にちょっと言及してみたいとは念う。 さて、 川端康成とか夏目漱石とか、文豪と呼ばれるような人たちの作品は、よく国語の教科書に登場する。そして俺が20年以上前に受けた国語の教育では「このとき登場人物はなにを考えていましたか」というかたちで設問があって、先生がなんか黒板に書いて教えてくれたりする。当時の俺は「なんでそんなことをする必要があるのか」がそもそもわからなかった。 こうした経験はおそらく多くの人に共有されていると思う。俺が当時よく思っていたの

    ぱっぱぱらりあ - Living, Loving, Thinking, Again
    keiseiryoku
    keiseiryoku 2009/08/20
    紹介されている本が面白そうなので読んでみたいところ。
  • 或る「万引き」の話 - Living, Loving, Thinking, Again

    承前*1 「マニュアル」的ということで思い出してしまった。 2002年に東京駅構内のコンビニで、30代の男性が500数十円分のパンやおにぎりを万引きして、これに気づいて彼を追跡したコンビニ店長が逆にナイフで刺殺されるという事件があった。その事件についての橋治のエッセイに対する金井美恵子先生の突っ込み。『目白雑録』*2から 橋治が〈「五百円ばかりのことで人が殺せるのか」と驚く〉のは当然のことで、この事件の犯人が警察に出頭した経緯を伝えるテレビのニュースでは「五百円殺人」という、ショッキングなようでもあり滑稽なようでもあるキャプションを使っていたのと同様の常識人的な感覚なのだろうが、私はこのニュースを見ていて、五百円くらいのパンだかおにぎりを万引きされたくらいで、何百メートルも「万引き犯」を追いかける店長というものがいる、ということに、変わってるよ、と驚いたのだった。 ニュース番組制作者に

    或る「万引き」の話 - Living, Loving, Thinking, Again
    keiseiryoku
    keiseiryoku 2009/08/17
    金井美恵子っぽいなーと思っていたら金井美恵子だった。
  • ばななも - Living, Loving, Thinking, Again

    http://www.enpitu.ne.jp/usr6/bin/day?id=60769&pg=20090808 http://b.hatena.ne.jp/entry/www.enpitu.ne.jp/usr6/bin/day?id=60769&pg=20090808 よしもとばなな*1がいじめられている。これはひとつには、日人の多くが一生の裡に最低1度は居酒屋の店員をやったことがあり、それだけ感情移入がしやすいということなのだろう。また、彼女が一応有名人だから火が点いたということも考えられ、(例えば俺のような)無名人が同じようなことを書いたとしたら、ここまでみんな熱くなるか。 ブックマーク・コメントでよしもとばななをdisっている奴の殆どは的外れだと思う。よしもとばななが怒っているのは、持ち込んだワインを勝手に開けちゃったことを「店長」に叱られたということ自体よりも、「店長」の振る

    ばななも - Living, Loving, Thinking, Again
    keiseiryoku
    keiseiryoku 2009/08/15
    あのユーモアをdisってると判断するのですか。disの意味がよく分からないので恐縮ですが、ばななのは居酒屋批判、ブコメはばななdis、マダムのは旬のネタ、と認識してます。/私はばなな、ハルキをdisる性分。スマン。
  • 性以前/以後 - Living, Loving, Thinking, Again

    「児童ポルノ」問題に関しては、http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20071018/1192728137 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20071101/1193896416 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20080315/1205588068 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20080421/1208714162 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20080805/1217870245 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20080930/1222710736 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20090629/1246244161も。 「児童買春・児童ポルノ禁止法改正案」は「そのまんま麻

    性以前/以後 - Living, Loving, Thinking, Again
    keiseiryoku
    keiseiryoku 2009/07/17
    《皮肉なことに、「児童ポルノ」規制の流れというのは「児童」を性的存在として認めるということになる。》
  • 四則計算 - Living, Loving, Thinking, Again

    http://daiba-suuri.at.webry.info/200905/article_1.html http://daiba-suuri.at.webry.info/200906/article_1.html 前者に曰く、 「かけ算には順序がある。 “5人に蜜柑を3個ずつ配る。蜜柑はいくつ?” という問題を5×3で解くとバツになる」という話を聞いて驚いた。最初は嘘だと思ったが、実際にそう教えているようである。 かけ算は、(1つあたり)×(いくつ分)の順番でまずは定義するだろう。しかし、かけ算は順序を入れ替えても値は変わらないから、(1つあたり)×(いくつ分) でも(いくつ分)×(1つあたり)でも結局どちらでもよい。私自身、かけ算を習って以来、順序なんか気にしたことはない。 この例題では、「1つあたり3、それが5つ。だから、3×5でなくてはならない」とされるが、 「まず、5人に1個

    四則計算 - Living, Loving, Thinking, Again
    keiseiryoku
    keiseiryoku 2009/07/14
    じゃなくて算数か。/リンゴ一個とミカン一個、あわせて二個。なにが二個? 果物が。→http://neo.g.hatena.ne.jp/tikatose/20090705/1246785614
  • 「エモ」と「間テクスト性」(メモ) - Living, Loving, Thinking, Again

    佐藤亜紀「衝撃の大スクープ! 佐藤亜紀漫画から盗用     か?」http://tamanoir.air-nifty.com/articles/2006/06/post_9bf8.html 実を言うならエモの人も大差はない。人間が涙腺を刺激されるメカニズムなど、萌えのメカニズムとほとんど一緒、眼鏡だの耳だのメイド服だのの代りに、難病だの生き別れだの死んだ恋人だのがあるだけのポルノだ。ちなみにエモい人の場合、条件反射以上の対処を要求されると「どうしてもこの小説の世界に入り込むことができなかった」とか言うことになっている。あのさ、小説の世界に入り込むなんざ土台不可能だろうが。あんたら、自分たちが市場に流通する小説の質を著しく劣化させているという自覚はあるのかね?「エモ」というのはロックの或る種のジャンルを指す言葉でもあるので*1、エロと韻を踏んだ語感がいいとはいえ、ほかの言い方はないものかな

    「エモ」と「間テクスト性」(メモ) - Living, Loving, Thinking, Again
    keiseiryoku
    keiseiryoku 2009/07/12
    書くために読むのか、読まずに書くのか。
  • 「中学受験から「詩」がほぼ消えかけている」? - Living, Loving, Thinking, Again

    http://d.hatena.ne.jp/kamayan/20090705#1246727705 ほんとうに「詩人」というのは例えば小説家よりも「「著作権」についてとくにやかましく、つまり入試問題に使用される際に著作権を主張するので、受験校としてはうぜえから「詩」を出題することを避けることとなる」のか。ただ、次のことは言えると思う。「詩」のテクストの場合、散文と比べて、「入試問題」を作るときの手口、例えば一部を伏せ字にして、当て嵌まる言葉を書きなさいという問題を出す、或いは漢字の部分を平仮名にして再度漢字に直させるといったようなこと、そのようなテクストへの暴力に対して、よりヴァルネラブルである。 さて、曰く、 日において「詩人」は尊敬されているだろうか? というより、尊敬に値するだろうか? 日語表現は詩人によるよりもむしろ翻訳によって表現が豊かになったのがこの140年間ではないかと思

    「中学受験から「詩」がほぼ消えかけている」? - Living, Loving, Thinking, Again
    keiseiryoku
    keiseiryoku 2009/07/12
    言葉が迷子になる感覚に気付いたのは大学生になってから。結局、詩を学んでいた中高生のうちに面白味を理解することはなかった。
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