「紙幣を刷ると、その分紙幣の価値が下がる。」 一見当たり前の話のようですが、これは前提によらずいつでも正しいのでしょうか。 インフレ状態で更に紙幣を刷った場合には、額面価値に相当する商品の量は当然減ってしまいます。 この前提では「紙幣を刷ると、その分紙幣の価値が下がる。」といっていいでしょう。 問題は現在の日本のようなデフレ状態でも、同様に紙幣を刷るとその分紙幣の価値が下がるのかどうかです。 この命題を考える時、紙幣の価値とは何かを考えた方が真偽がはっきりするように思います。 紙幣には「額面価値」があることは誰にでもわかります。 ただ、その紙幣がちゃんと通用するか、という面から考えると、紙幣を通用させるには、価値の裏付け「アンカー」が必要でしょう。 岩村充氏(早稲田大学、富士通総研)は不換紙幣のアンカーは「政府への信頼」であり、紙幣価値とは「政府の株価」だとしています。*1 これはこれで貨