出版関係者や有識者でつくる文化庁の検討会議は27日、国立国会図書館が電子データ化した蔵書のうち、市場で入手困難な出版物について、全国の公立図書館や大学図書館などに画像データを配信し、閲覧できる仕組みを整備すべきとの中間報告をまとめた。秋ごろの最終報告作成を受け、文化庁は著作権法の改正作業に入る。 国会図書館は昭和43年までに刊行された出版物など約89万冊を電子化している。中間報告によると、配信の対象は、これらのうち長期間にわたって重版されていないなどの理由で市場での入手が困難な出版物。 配信先の図書館での利用方法は閲覧のみで、プリントアウトは認めない。同時に閲覧できる人数も、国会図書館の所蔵冊数までに制限する。著作者や出版社の利益を不当に侵害しないよう配慮することで、無償提供が可能とした。