東京電力が福島第1原発(福島県大熊町、双葉町)の原子炉データを国の「緊急時対策支援システム」(ERSS)に送信する機器の非常用電源が4カ月前から接続されず事故時も放置されていた問題で、当事者どうしが“責任の押し付け合い”をしています。 非常用電源に接続されていなかったのは、メディアコンバータ(MC)と呼ばれるもので、原発敷地内の東電の計算機から国のERSSへ送信する間の通信機器の一部。東電は19日の会見で、機器に非常用電源を接続しなかったのは、電源を接続する工事の際、「電源ケーブルの長さが足りなかった」からと説明し、そのまま放置したのは「緊急性が高いと思ってなかった」と述べていました。 問題の機器は同じ敷地内にある経済産業省原子力安全・保安院の検査官が詰める部屋に置かれています。工事には、ERSSの運用を同省から委託されている独立行政法人「原子力安全基盤機構」が立ち会い、検査官もいました。