日本政府が昨年9月、沖縄県・尖閣諸島を国有化した後、中国政府が首脳会談開催の条件として「日本が領有権問題の存在を認めた上で、日中双方の公船が尖閣諸島から12カイリ内に入らないことで合意する」ことを日本側に要求していたことが21日、分かった。 領有権問題は存在するが「棚上げ」状態とする中国の基本方針に沿った要求で、日本側は拒否。電話会談も含め首脳間の協議ができず、1年前に日中防衛当局がホットライン設置などで一致した偶発的衝突防止のための「海上連絡メカニズム」が正式合意できない状況だ。複数の日中関係筋が明らかにした。 関係筋によると、尖閣諸島の国有化で日中関係が険悪化する中、尖閣周辺での不測の事態を恐れた日本側は昨年末まで、河相周夫外務次官と杉山晋輔アジア大洋州局長を北京に断続的に派遣。昨年6月に事務レベルで大筋合意に達した「海上連絡メカニズム」を首脳間で合意するための外交工作を進めた。