生涯、一貫したコンセプトで建物を造り続ける建築家なんて、そう見かけません。その時その時代の流行や時代背景によってコンセプトも材料も変わり、また本人は絶対口には出さないでしょうが、明らかに「実験してみた」と解釈されておかしくない作品も数多く見受けられます。それを否定するわけではありません。完成という言葉の裏には、「終わり」を含んでいるのですから。 黒川紀章氏が設計した中銀カプセルタワービルの話をするなら、やはりメタボリズム・グループを欠くわけにはゆかない。 メタボリズムとは一体なんだったのでしょうか? メタボリズム「METABOLISM:新陳代謝」。要約すると1960年代に川添登、黒川紀章、菊竹清訓、槇文彦、大高正人らによって担われた日本最初の建築・都市デザイン運動(*注1) これからの建築や都市はどうあるべきか?と考えた人たちなんですね。メンバーの建築家の作品群をこのサイトでもある程