日本外務省は自民党政権末期、米国と協力してロシアのアジア太平洋地域への進出を促すことで、北方領土問題打開の糸口をつかむ戦略を描いていた。ウィキリークスが入手した米外交公電でわかった。急速に力をつける中国への警戒感が、日米ロ3国を結びつける接着剤になると考えたようだ。 07年6月の在日米大使館の公電は、直前に行われた安倍晋三首相とプーチン大統領の首脳会談の内容とともに、日本の対ロ外交方針について日本外務省幹部から説明された内容を、本国に報告していた。 外務省幹部は米側に「ロシアがアジア太平洋地域へのより大きな関心を示すようになっている」「日ロ関係を安全保障の文脈で見るようになった」との分析を披露。「日本は、ロシアの地域への統合を助ける用意がある」と伝えた。 ロシアの姿勢がアジア重視に変化してきた理由として「中国の発展に対する懸念がある」と指摘。その上で、「建設的な形でロシアを地域に統合