BRICs4カ国の中でも、特に日本食人気が高いのがロシアです。首都モスクワなどの大都市部では寿司屋をはじめたくさんの日本食レストランが立ち並ぶようになりました。日本の農林水産省の推計によると、ロシアにおける日本食レストランの数は現在約500店に上るということです(図表)。 ロシアで日本食がブームとなっている背景には、急速な経済発展に伴い国民の生活水準が向上してきたことがあります。1人当たりの国民所得は、ソ連崩壊直後の1992年の段階ではわずか576ドルにすぎませんでしたが、直近の2005年は5349ドルと9.3倍の規模に拡大しました。また、国民の健康志向が強まる中、カロリーが高く肥満になりやすい洋食よりも、ヘルシーな和食への関心が強まっているという事情もあります。 さらに、供給側の要因も見逃せません。それまでは、ロシアの庶民にとって日本食レストランは値段が高く、一部の富裕層しか楽しむことが