誰が見張りを見張るのか? ビデオゲームはプログラムされている絶対的なメカニクスとルールの範囲内でプレイヤーは動くことの出来るジャンルだ。が、現在までにヴィジュアルのリアリズムの進歩や過去アーカイヴからのコンテクスト再構成、それからテーマの多様性が広まるにつれ、そのメカニクスとルールそのものを逆転させるようなデザインが生まれている。 中でも最近ではビデオゲームの根源であるメカニクスとルールを皮肉るかのようにあるテーマによるビデオゲームが頻発しているのを目にする。そう、監視・規制・管理そして権力をテーマとしたビデオゲームである。 それはソビエト連邦が健在であり、共産主義の可能性が追われていた時代をモデルとしたり、70年代のミシェル・フーコーの”監獄”から現代のデヴィット・ライアンの”監視社会”に至るまで考察が続く社会がリスクを軽減するために功利的に敷いた監視や管理のシステムがテーマだ。現代最大