黒板による広報の可能性:京都大学吉田南総合図書館の事例 2013年2月,京都大学吉田南総合図書館では新たな広報手段として閲覧室入口前に黒板を設置した。60×90cm,カフェなどの飲食店でよく見られるものである。イベントの告知やお知らせを中心に,日々のことを綴っている。原則毎日更新し,内容はその日の担当者の裁量で決めている。図書館の風景に変化を持たせるため,全く同じものは再現できないという黒板ならではの良さを活かした広報を行っている。 吉田南総合図書館は,京都大学の歴史に深く関わってきた図書館である。第三高等学校の図書館として設置されて以来,京都大学分校,教養部,大学院人間・環境学研究科・総合人間学部の図書館として利用され今に至る。貴重な蔵書を引き継ぎつつ,幅広い分野の資料を提供している。 現在の主な利用者は,全学共通科目の履修生と吉田南構内関係各部局に所属する学生・教職員であり,圧倒的に学