純粋に「ポップス」として楽しむことは、プロパガンダ音楽への一種の抵抗 北朝鮮にも音楽はある。「将軍万歳!」「米帝を倒せ!」といったプロパガンダの手段として使われているのだろう……と思うかもしれない。そう、その通り。しかし、プロパガンダに使われている音楽なんて音楽とは認めないとするならば、学校の授業で使う音楽の教科書から、いくつかのクラシック音楽を消さなければいけなくなる。政治と音楽、戦争と音楽、思想と音楽はいつの時代も隣接してきた。そして、その中で後世に受け継がれる音楽は、反体制派であっても体制派であっても、過剰な思考を注ぎ込んだときにこそ生まれてきたのだ。 北朝鮮の音楽は日本にほとんど入ってこない。「僕自身、北朝鮮の政治体制には賛同しません。プロパガンダ音楽に対して疑問を持つのは当然でしょう。ただ、政治と音楽は分けて考えるべきだとも思うんですね。北朝鮮の体制は音楽をプロパガンダとして利用