大阪維新の会の家庭教育支援条例をめぐる混乱について3点述べたい。 まず第1点は、条例案の「乳幼児期の愛着形成の不足が軽度発達障害やそれに似た症状を誘発する大きな要因」と書かれた箇所のうち、「愛着形成」を「愛情不足」とほとんどのマスコミが誤報し、この文言が一人歩きしたために反発を招いたということである。 乳幼児が不安や恐怖に陥ったときに求められる「愛着形成」は、対人関係能力と自己制御能力の土台であり、この形成に決定的な問題が生じたとき、セロトニン系の神経機能不全を引き起こすことは広く知られている。 また、医療の立場で育てる「療育」の観点からも、2次障害を防ぐための「愛着形成」の重要性が指摘されている。 親にどんなに愛情があっても、愛着を形成するための具体的なかかわり方がわからなければ、愛情は伝わらない。その意味で「愛着形成の不足」と「愛情不足」は意味が異なり、これを混同したことが混乱の一因と