プーチン大統領の元経済顧問のアンドレイ・イラリオノフ氏。2014年10月、ワシントン(撮影/駒木明義) これこそが、今回プーチン氏がウクライナへの全面侵攻を始めたときに私が思い出した言葉でした。彼の予言は的中してしまったのです。 正直に言えば、8年前の私は、彼の言葉にはまだ半信半疑でした。 プーチン氏がウクライナのクリミア半島を占領した理由として当時取り沙汰されていたのは、第1にかつてのロシア領を取り戻すことで国内の求心力を高めること、第2にウクライナとの紛争状態を作り出すことで、ウクライナが北大西洋条約機構(NATO)に加盟できないようにすること――といったところでした。 しかしイラリオノフ氏は、こうした説を一蹴しました。 「経済的理由、政治的理由、安全保障上の配慮、地政学的な理由で説明することはできない。すべてNATOが原因? そんなのは、ばかげた話だ!」 イラリオノフ氏によると、プー