雑誌『フリーターズフリー』所収の生田武志さんの論文を、自分なりの視点で要約・紹介しながら考えていこうという試みです。はじめてみたら、どうも長くなりそうなので、途中までで切って一度アップすることにします。 出発点 この論文では、「フリーター」、「ニート」、「ひきこもり」といった言葉で呼ばれる人たちの問題が、近い将来において、またすでに現在も「野宿者問題」に結びつくものであるという現状認識が語られ、それが分析されていく。 そのなかで、注目がうながされていることのひとつは、この人たちの「中高年化」という現実である。たとえば「フリーター」については、「中高年フリーター」の数が今後も増え続けるだろうという研究が紹介され、次のように書かれる。 定義上、三五歳以上は「フリーター」には入らないので、この層は「何でもない人」として毎年フリーター統計から消えていく(「三四歳まで」の理由は、就職して老齢年金の受