戸田山和久『知識の哲学』へのコメント 伊勢田哲治 『知識の哲学』における著者の主張 第三部冒頭のまとめによると、 (1)本書第一部でたどり着いた立場はラディカルな外在主義である。 (2)本書第二部の結論は「伝統的な知識の哲学が内在主義的で基礎づけ主義的になってしまったのは・・・根本的に方針を間違えたからだ」(p.152) 終章によると、新しい認識論は以下のようなもので「なくてはならない」(p.241) (3)新しい認識論は自然化された認識論である (4)新しい認識論は社会化された認識論である (5)新しい認識論は「信念」を中心概念にしない (6)新しい認識論は「真理」を中心概念としなくなる(かもしれない) 以下、本当にそんなことが本書の分析から言えているのかどうか、個別に検討していく。 (・で始まる段落は戸田山氏の主張、→で始まる段落は伊勢田のコメント) (1)に