比較言語学の目的は、言語間の系統関係の確立にとどまらず、系統関係にある諸言語の祖語を再建し、各言語が祖語の状態から現在の状態に至るまでにどのように変化を遂げてきたのかを解明することにある。文献に記録のない言語史を、比較言語学の手法によってどのように再建するのか。日琉諸語の例に基づいて解説する画期的な書。 まえがき 第1章 言語史研究における比較方法の位置づけ 1.1 最も古い文献に在証されるものが言語的に古いとは限らない 1.2 諸方言を上代語の子孫と考えることの問題 1.2.1 古典作品の本文批判と原文復元を例に 1.2.2 言語の場合 1.2.3 言語変化に関する前提 1.3 日本語史を文献資料のみによって研究することの問題 1.4 文献以前の日本語の歴史を明らかにする 第2章 言語変化 2.1 言語は変化する 2.2 音の変化 2.2.1 音変化とは何か? 2.2.2 条件変化と無条
人生を賭ける夢に出会えたことの幸福と困難――。いつの時代にも少数派ながら「卒業したら就職する」という、普通とされる生き方を選ばない者がいる。夢は諦めに終わるのか、形を変えて続くのか? 数年にわたる二十代から三十代のバンドマンへの貴重なインタビュー調査をもとに現代の「夢追い」のリアルな実態を描き出す。 はじめに Ⅰ 「夢追いの社会学」の試み 序 章 夢追いの社会学に向けて 1 夢追い研究の到達点と課題 2 夢追いを「若者文化と進路形成」の問題として捉える 3 分析枠組み――「若者文化と進路形成」に向けて 4 調査の概要 第1章 夢追いの戦後史――若者はいかなる将来の夢を抱いてきたのか 1 将来の夢を跡づける 2 複数のデータをつなぎ合わせる・重ね合わせる 3 将来の夢の変化の全体像――JGSS-2006による分析 4 夢追い志向か、それとも安定志向か? 5 将来の夢のゆくえ――現代の夢追いの
アメリカの政治・社会・法にとって、奴隷制とはどのような意味を持ってきたのか。独立革命から南北戦争を経て再建期の終わりまで、奴隷制廃止にいたる動きとその後の人種主義体制の確立を通史として叙述し、奴隷制をめぐる思想と議論の流れを丹念に読み解きながら、今もなお続く問題の淵源としての奴隷制を明らかにする。 プロローグ 歴史のなかのアメリカ革命 第Ⅰ部 共和国の創成と平行主義――その軌跡と破綻 第一章 建国憲法体制と奴隷制の拡大 第一節 平行主義的領土統治の構え 第二節 初期合衆国の始動 第三節 ミズーリ論争がもたらしたもの 第四節 平行主義メカニズムの本格化 第五節 第二政党制の重圧のもとでも 第二章 共和党の結成と南北間の緊張の激化 第一節 自由労働イデオロギーの台頭 第二節 南北亀裂の拡大 第三節 太平洋岸までの領土拡大が呼び起こしたもの 第四節 スワードが語った「革命」の意味 第三章 逃 亡
岩波ジュニア新書『森の日本史』(黒瀧秀久著。2021年10月20日第1刷発行)及び『榎本武揚と明治維新──旧幕臣の描いた近代化』(黒瀧秀久著。2017年12月20日第1刷発行、2019年5月15日第2刷発行)の両書籍におきまして、本文に著作権侵害に当たる事案が生じました。 『森の日本史』では船越昭治著『日本の林業・林政』(農林統計協会刊、1981年)、船越昭治著『日本林業発展史』(地球出版刊、1960年)、所三男著『近世林業史の研究』(吉川弘文館刊、1980年)、半田良一編『林政学(現代の林学1)』(文永堂出版刊、1990年。半田良一氏と有木純善氏が執筆の部分)、及び徳川林政史研究所編『徳川の歴史再発見 森林の江戸学』(東京堂出版刊、2012年。太田尚宏氏が執筆の部分)よりそれぞれ複数個所にわたる文章の無断転用が、ならびに『榎本武揚と明治維新』では松田藤四郎著『榎本武揚と東京農大』(東京農
すべての文学研究が拠りどころとする「テクスト」.しかしそれは,複製の過程で異同をまじえながら増殖していく,揺れをはらんだものでもある.「最初の1冊」の特定を目指して続けられる研究.様々な分岐した異本の分析から浮彫にされる,文学作品流通の実態.電子メディア時代を迎えた今こそ求められる,テクスト研究の最前線.
「琉球処分」とはいったい何だったのか.広範な史料・文献を渉猟し,「琉球藩設置」の歴史的真意と台湾出兵との因果関係に関する謬説を糺す.日本と清国にとっての琉球問題と朝鮮問題とを関連付けながら,東アジアの華夷秩序から近代的植民地帝国への移行という歴史的観点から,琉球併合と韓国併合の類比性に着目. ■編集部からのメッセージ 琉球を見ると日本が見えてくる 近代以降の琉球像というと,いったい何を連想すればいいのだろう? それまでの「紅型(びんがた)」衣装を身にまとった「琉球王国」の琉球人は,いかにして今日の沖縄人になったのだろう? クリアなイメージがうかんでこない. ここに問題になるのは,1874年から79年にかけてなされた「琉球処分」の歴史的意味付けである.これまでは「琉球藩」を設置して幕藩体制に組み込み,「沖縄県」にして明治政府へと編入するという,「日本」への同質化のプロセスとして理解されてきた
本誌は毎月 1日発売です。 A5判,本文 64頁,定価 154円 ※2025年4月号より、年間購読料を1500円(税込、送料共)に改定いたします。 詳細はお知らせをご確認ください。 『図書』は大勢の知的好奇心あふれる読者に1938年の創刊以来愛読されてきた「読書家の雑誌」です。 古今東西の名著をめぐるとっておきの話やエピソード、心を打つヒューマン・ストーリー、旅のときめき体験、人生への思索などを綴る、滋味あふれるエッセイの数々。 文学・芸術・学問の面白さを語る対談・座談・インタビュー。若手からベテランまで『図書』ならではの一流の執筆陣が書き下ろす文章の力と味わいは、日常生活にピリッと刺激を与えるスパイスの働きをするはずです。 魅力的な本との出会いの場、読書の新しい愉しみ発見の場として月刊『図書』の定期購読をおすすめいたします。 巻末の新刊案内は岩波書店の出版活動の最新情報をいの一番にお届け
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