初めまして。シリコンバレーを拠点に最先端のAI技術と戦略を日本企業に導入するパ ロアルトインサイトでCEO・AIビジネスデザイナーをしている石角友愛です。普段は 業界横断的にAIで解決できる問題を定義して、AI開発と導入を支援する仕事をしてい ます。 モチベーションと「レゴの実験」でわかること 会社経営をする立場にいるものとして、またクライアントに価値を提供する立場として、そして親として、私は常日頃、人のモチベーションについて考えています。 モチベーションとは、人を動かす原動力になるもので、多くの場合人が何か意思決定をする際の目的意識の基盤になっています。会社、学校、家庭などあらゆる関係性構築と自分が望む結果を手に入れるために理解しなければいけないメカニズムの一つです。 モチベーションの研究は行動経済学や認知心理学などで科学的に研究されています。例えば私が住むアメリカで有名な研究者に、デュ
こんにちは。パロアルトインサイトCEO兼AIビジネスデザイナーの石角友愛です。 前回、行動経済学とAIを融合した新しいスタートアップについて書いたところ(『いまシリコンバレーで「AI(人工知能)×行動経済学」が最強なワケ』)、たくさんの反響がありました。 そこで今回はスタートアップではなく、アマゾンやマイクロソフト、グーグル、Uber、 Airbnbなどのテック大手が経済学者をこぞって獲得する争奪戦について書きます。 米アマゾンで活躍する「150人の経済学者たち」 アマゾンのチーフエコノミストはPat Bajariというワシントン大学で教授をしている経済学者です。 彼のもと150人ほどの経済学者(または経済学の博士号を持つ人)をアマゾンは抱えているとハーバードビジネススクールの記事にありました。 中には大学院を卒業したてのルーキーエコノミストを青田刈りするケースもあります。このようにIT企
「偽札」をつかまされなくなったのはよかったが… 「いまどきの中国人は財布なんて持たないのさ」――そんなコメントをよく聞く。日本に来た中国人観光客は、財布を開いて小銭を数える日本人をチラ見して、「中国は完全に日本を抜いた」と溜飲を下げているらしい。 だが、「財布を持たない」なんてホントなのか、「現金いらない」は単なる見栄じゃなかろうか? じつは、そう思わざるを得ない「キャッシュレス問題」が中国ではいまいたるところで起きているからだ。ほとんど報じられてない中国キャッシュレス化の「闇」についてレポートしたい。 スマートフォンに表示されたQRコード(モノクロの四角い画像)をピッとスキャン。一瞬にして代金支払い完了のQR決済サービスが中国の人々にもたらすのは「煩わしさからの解放」だ。 小銭を数えないで済むし、最高額面の100元札で財布を膨らませなくても済む。何より偽札をつかまされなくなった。 “トラ
国内の鉄道各社が、いよいよ移動サービス革命「MaaS(モビリティー・アズ・ア・サービス)」実現に向けたトライアルを本格化し始めた。先陣を担ったのは、2018年4月に発表した20年度までの新たな中期経営計画で、MaaSへの取り組みを表明した小田急電鉄。神奈川県とグループの江ノ島電鉄、ソフトバンクグループのSBドライブの協力で、東京五輪のセーリング競技の会場となる神奈川・江の島を舞台に、公道を走行す
LINE、楽天、NTTドコモ、ヤフー、それにメガバンク……。2017年から18年にかけて、スマートフォンアプリを使ったQRコード決済サービスへの参入、サービス強化が相次ぐ。6月末には、LINEを皮切りに小売店が負担する決済手数料を0%にする動きも出て、普及を後押しする。QRコード決済はなぜこれほど注目されるのか、これまでのキャッシュレス決済の手段と何が異なるのか、普及の可能性は高いのか、勝ち残る企業はどこか──、本特集を通じて解き明かす。 「『LINE Pay』はQRコード決済に限り、初期費用、加盟店決済手数料共に0円にする」 LINE Payの長福久弘取締役COO(最高執行責任者)は18年6月28日、そんな強烈なQRコード決済の普及策を明らかにした。LINEが千葉・舞浜で開催した戦略発表会でのことだ。前日には、個人間でお金をやり取りできるアプリ「pring(プリン)」を利用したQRコード
China Threatens to Take Dogs Off Owners Who Don’t Pick Up Pet’s Mess. <マナー違反をなくすというのは建て前に過ぎない。悪名高い中国の「社会信用システム」がいよいよ国民監視モンスターの本性を表し始めた> 全国で「ソーシャル・クレジット・システム(社会信用システム)」の導入を進める中国で新たに、ポイントをすべて失うと飼い主から犬を取り上げる制度が始まった。飼い主が糞を片付けないなどの苦情に応えるのが表向きの理由だが、マナー違反が罰せられるだけでなく、飼える犬の頭数や外を散歩できる主人の年齢までが規制の対象になる。 いち早くこの制度を導入した山東省の省都・済南市では苦情が大幅に減ったため、他の都市も相次いで実施に踏み切っている。この制度の下では、飼い犬はすべて登録を義務付けられ、飼い主1人に付き、1頭しか飼えない。 犬はQRコ
IoTから脱落した巨人インテルの蹉跌、かくもIoTビジネスは難しい:IoT観測所(50)(1/3 ページ) IoTの団体や規格/標準についての解説をお届けしてきた本連載も最終回。最後は、団体ではなくインテルという特定の企業のこの数年の動向を紹介しながら、IoTというビジネスを総括してみたい。 2014年9月の第1回から4年に渡ってさまざまなIoT(モノのインターネット)の団体や規格/標準についての解説をお届けしてきた本連載だが、IoTそのものが成熟化の兆しを見せ、もう今さら団体を作ったところで主導権を取れる状況ではない。今後は、新しい団体を作るというよりも、既存の団体あるいは規格を使いながら、その中でどう差別化してゆくかという方向性に次第にシフトしつつあるのが現状だ。そんな訳で、切りのよい第50回となる今回でそろそろこの連載を終わりにしたいと思う。その最終回だが、団体ではなくインテル(In
新連載:迷惑bot事件簿 さまざまなタスクを自動化でき、しかも人間より早く処理できるbot。企業にとって良性のbotが活躍する一方、チケットを買い占めるbot、アカウントを不正に乗っ取るbot、アンケートフォームを“荒らす”botなど悪性のbotの被害も相次いでいる。社会や企業、利用者にさまざまな影響を及ぼすbotによる、決して笑い事では済まない迷惑行為の実態を、業界別の事例と対策で解説する。著者は、セキュリティベンダーの“中の人”として、日々、国内外のbotの動向を追っているアカマイ・テクノロジーズの中西一博氏。 「全アクセス数の約86%がbotだった」――日本航空(JAL)のインバウンド向け(海外の人向け)国際線予約サイトのトランザクションを、2017年に分析したところ、そんな実態が明らかになった。何者かの利用するbotが空席・運賃といった情報を頻繁に自動収集しようと試みていたとみられ
LoRa Allianceのメンバー企業は現在、グローバルで500社以上に上る。LoRaWANのネットワークカバレッジは100カ国に及び、過去12カ月間の伸び率は100%だという。注目すべきは、LoRa Allianceの設立が2015年、つまり、設立されてからまだ3年しかたっていないということだ。LoRa AllianceのCEO兼会長であるDonna Moore(ドナ・ムーア氏)は、「通常、LoRaWANのような通信規格というのは、立ち上げてからグローバルな展開に行き着くまでに8年くらいかかる。LoRaWANは、それをたった3年で実現した。IoT(モノのインターネット)というトレンドがLoRaWANの技術を後押ししたからだ」と語った。 「IoTによって後押しされている」というMoore氏の言葉通り、LoRaWANを導入している市場は、電力サービスから農業、ビルオートメーション、アセット
既報の通り、米国時間2018年10月28日、IBMが340億ドル(日本円換算で約3兆8000億円!!)でRed Hatを買収することを発表しました。2社のテクノロジーを統合することで、複数のパブリッククラウドやプライベートクラウドにまたがる「マルチクラウド」環境で、データとアプリケーションのポータビリティを提供していくとしています。2社の統合で実現されるマルチクラウドとはどのようなものでしょうか。IBMは、巨額のお金で何を買ったのでしょうか。 IBMはかねてから、「ワン・クラウド・アーキテクチャ」というマルチクラウドのコンセプトでIBM Cloudを拡張してきました。これは、DockerコンテナとKubernetesをベースに、オンプレミス、IBM Cloud、他社パブリッククラウド(AWS、Azure、GCPなど)に同一のアーキテクチャを持たせて、アプリケーションとデータをいつでも最適な
徳島県は人工知能(AI)を使った議事録の音声のテキスト化と要約を、15日から全ての審議会や協議会に広げた。昨年度に知事の定例会見のデータを使って実施した実証実験を踏まえ、本格導入することにした。議事録作成にかかる作業が5分の1に減り、公開までの時間も大幅に短縮されるという。 行政改革室によると、昨年10月から今年3月に実施した実証実験では、これまで会見4日後だった知事会見のホームページ公開を当日中に前倒しできた。ホームページへのアクセス数も2倍以上に増え、利用者の満足度は9割を超えたという。 会議データを要約する「AI要約システム」は、当初は不自然な日本語になることもあったが、長い発言には「。」(句点)を入れるなどの工夫で分かりやすい表現になるよう、使い方を改善したという。 県の審議会や協議会は約130あり、議事録は原則としてインターネットで公開している。これまでは職員が音声データを聞きな
スマホと切り離せない関係にあるソーシャルメディア。その変遷をまとめたら、次の3つが見えてきました。1.結局は、広告収益モデルありきだった/2.ユーザーコンテンツは、広告記事化してしまった/3.パブリックな発信から身内のおしゃべりの場へ。ーー『ソーシャルメディア四半世紀』の著者、佐々木裕一教授による寄稿です。 本記事は、東京経済大学コミュニケーション学部で「ソーシャルメディアの収益モデル史および社会史/情報環境と利用者の相互作用」を研究している、『ソーシャルメディア四半世紀』(日本経済新聞出版社)の著者、佐々木裕一教授による寄稿です。 先月リリースされたAppleのiOS12で最大の変化はなんだと思いますか? 個人的には、スクリーンタイム機能の導入に注目しています。この機能により、自分のスマートフォン利用時間、1時間あたりの持ち上げ回数や通知回数、アプリごとの利用時間を把握し、アプリごとの利
ニューズラインエマージング・テクノロジーの最新情報をお届け。 DC Blockchain Summit | YouTube What Carl Sagan has to do with regulating blockchain smart contracts 政策立案者の暗号通貨に対する不安は、当局がスマート・コントラクトを手に入れるまでの問題なのかもしれない。米商品先物取引委員会(CFTC)のブライアン・クインテンツ委員長は10月16日、ドバイで開かれた情報通信技術の展示会「GITEX」での講演の中で、ブロックチェーンを基にして作られたコンピューター・プログラムに対する恐れを隠さなかった。 CFTCは、商品先物取引とスワップ取引を監督している。CFTCがビットコインを商品と認定した2015年以降、暗号通貨デリバティブの市場も委員会の管轄に入った。クインテンツ委員長は、CFTCの管轄に入
Nintendo Switch 2: Everything we know about the coming release
Gartner、2019年の戦略的テクノロジートレンドのトップ10を発表:自律的なモノ、拡張アナリティクス、AI主導開発、エンパワードエッジなど Gartnerは、「企業や組織が2019年に調査する必要がある」と認定した戦略的テクノロジートレンドのトップ10を発表した。「インテリジェント」「デジタル」「メッシュ」がキーワードだという。 Gartnerは2018年10月15日(米国時間)、「企業や組織が2019年に調査する必要がある」と認定した戦略的テクノロジートレンドのトップ10を発表した。 Gartnerは戦略的テクノロジートレンドを、「テクノロジーが出現したばかりの状態を脱し、幅広く使われて広範な影響を与え始め、大きな破壊的変革をもたらす可能性を持つようになったトレンド」や、「今後5年間で重要な転換点に達する、変動性が高く、急成長しているトレンド」と定義している。 「過去2年間、一貫し
英Rolls-Royceは現地時間10月15日、船舶の自動航行に向けてIntelと新たに提携したと発表した。海運業界向けシステム「Intelligent Awareness System」を強化するものだ。人工知能(AI)を搭載する同システムは輸送船の「目と耳」としての役割を果たし、それらを自律航行に一歩近づけるものだと、Rolls-Royceのエンジニアリングと技術および船舶インテリジェンス担当ディレクターを務めるKevin Daffey氏は述べた。 Intelligent Awareness Systemは、LiDAR、レーダー、サーマルカメラ、HDカメラ、衛星データ、天気予報からの入力データを処理する。そのデータを総合することによって、船舶は周囲の環境を認識し続け、数km離れたところにある物体を検出することができる。 Daffey氏によると、入力データは1日あたり合計で最大1テラバイ
どんな企業でもITを導入すると、ある程度のブラックボックス化は避けられない。業務の一部を機械に置き換えるわけだから当然だ。だから一般には、ブラックボックス化のリスクをきちんと把握し、システム障害などいざという時の対策を準備しておく。ところが、そんな配慮を一切せず、ITによる業務のブラックボックス化に猛進している愚かな企業の一群がある。言うまでもなく日本の大企業である。 日本企業における最も旬なブラックボックス化の試みは、RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)の導入だ。このRPAブームは随分息が長い。IT系雑誌でRPAを特集すると多くの読者に読まれ、セミナーを開けばどこも大入り満員――。そんな状況が2年近く続いている。人手不足の深刻化もあり、特に大企業は人手による事務作業を機械に置き換えたいようで、せっせとRPAによる事務作業のブラックボックス化にいそしんでいる。 RAPによるブ
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