佐賀市で2007年9月、知的障害者の安永健太さん(当時25歳)が警察官に取り押さえられた直後に死亡した問題の審判で、検察官役の指定弁護士は7日、佐賀地裁が特別公務員暴行陵虐致傷罪に問われた佐賀県警の松雪大地巡査長(30)に無罪を言い渡したことを不服とし、福岡高裁に控訴した。 本多俊之弁護士ら3人の指定弁護士は記者会見し、「(松雪巡査長が)暴行した可能性を指摘した目撃者の証言が認められておらず、十分な審理が尽くされていない」と説明した。安永さんの父、孝行さん(49)は読売新聞の取材に対し、「裁判が継続されると聞き、ひとまずほっとしている。高裁での審理がどうなるか不透明だが、推移を見守りたい」と話した。 佐賀地裁は3月29日、暴行があったとする目撃証言の信用性を否定し、「確信を持って暴行を認定できない」として無罪を言い渡した。