今年一年、企業法務をめぐる様々な動きがあった。 やはり一番のインパクトは震災、原発事故絡みのあれこれだったと思うのだが、もうひとつ、債権法改正をめぐって、「中間論点整理」&それに対する意見募集、という大きな動きがあったことも忘れてはならないだろう。 正直、夏頃までは、諸々の出来事に追われて、冷静に債権法改正そのものあり方とか、賛成論者、反対論者双方の主張の根底に流れる“魂”の部分にまで目を向ける余裕があまりなかったのだが、ここに来てようやく、少し落ち着いて振り返ることができるようになりつつあるので、本の紹介と合わせて、簡単に触れておくことにしたい。 改正推進派の執念 民法の中でも中心的なポジションを占める「債権法」を大幅に見直す、ということについては、研究者からも、実務サイドからも反対の声が依然として強く、先日公表されたパブコメの中にも、各所からの“怨嗟の声”があふれている*1。 そんな“