タグ

ブックマーク / finalvent.cocolog-nifty.com (121)

  • シャルリー・エブド誌襲撃事件雑感: 極東ブログ

    ブログをなんとなくお休みしている間に、「シャルリー・エブド」襲撃事件が起きた。この件について、とくにそのスローガンについては当初メディアに解説もなかったみたいなので、それではブログで記事を書こうかなとも思ったが、その後、同種の話題も出て来たので、書くまでもないかと思って、時は過ぎた。 事件に自体については、日を含めていろいろと議論があった。特に欧州と米国での対応が異なっていたように、米国などでは、イスラム教徒をあからさまに侮辱するように受け取られる表現はいかがなものか、ということで、大手メディアは基的にエブド誌漫画の引用を控えた。余談だが、自分の見ていた範囲では事件後の同誌の報道はフランス国内よりベルギーが早かった。 この事件だが、「表現の自由」というふうに欧州風に論点が焦点化されると、これは実際のところは議論の余地はない。つまり、テロに屈することなく社会を守るしかないということだ。

  • 心に引っかかっていた、そのこと、その一つ: 極東ブログ

    なんとなくブログを書かない日が続いたが、ネットから消えたわけでもなく、それなりにこの日々だらだらとツイッターには書いていたりした。何も書くことがないわけでもない。ということで心に引っかかっていた、そのことを少し書いてみようとかとも思うのだが、そう言い出してみて、やはり気は重い。 その一つは、れいの「黒子のバスケ」脅迫事件である。 「黒子のバスケ」というアニメ(実は私もたまに見ることがあるし、コミックも持っていたりもする)と簡素に説明をするにもどうするかなと思って事実関係を見直そうとニュースを見直す過程で、早々にウィキペディアに項目があったことを発見した(参照)。事件を知らない人で知りたい人がいたら参考にするとよいだろう。 当初このニュースを私が聞いたとき、作者に個人的な怨みのある人物の犯行ではないかと思ったが、少し関心をもっただけでそういう印象は消えた。むしろ、なにか社会的なメッセージ性の

  • 極東ブログ10周年: 極東ブログ

    この「極東ブログ」というのを書き始めて、10年が経った。ちょうど10年になったのは、一昨日、8月15日のことで、その日に合わせて10周年の感想でも書こうかとも思ったが、なにかうんざりした思いがして見合わせた。言うまでもないが、8月15日はいわゆる終戦の日で、このブログも10年前、その日を意識して始めたものだった。 今はどうかというと、終戦の日とされている8月15日にはもうなんの関心もない。まったく関心がないわけではなく、しいていうと、うんざりしている。そこに至る経緯はこのブログでも書いてきた。もう少しわかりやすい形で自著『考える生き方』にも書いた。それでもう十分だと思う。それ以上に僕がとやかく言っても伝わらない部分は伝わらない。もしかすると100年後ぐらいには、もっとまともな日になってそのころの日人の認識も変わり、終戦記念日が来のあるべき日に移ればいいのではないかとも夢想する。別にそ

    microtesto
    microtesto 2013/08/18
    なにはともあれおめでたいことです
  • 仏教徒による人権侵害とレイシズム: 極東ブログ

    人権問題を考えるとき気を付けることは、人権とは普遍的なものだということだ。陰画的にいうなら、ナショナリズムの枠組みのなかで人権が問われているときには、人権を希求するかに見えて、巧妙に転倒されたナショナリズムに陥ってしまう危険性に注意を払うべきだろう。特に、日の人権問題を日の権力構造や社会構造として問うとき、それは具体的な条件においては例えば日国の法のありかたとの関連で問うときには十分な有効性をもつが、いつしか、日の権力構造や社会構造を批判するがために人権がその批判の道具となっているなら、批判という構図でありながら、現実的には日にしか関心が限定されていない極めてナショナリズムの傾向を帯びる。また、日の人権が個別の他国との関連で問われるときも、その傾向が強まる。しかし、人権とは普遍的なものであり、普遍の光の下で、日を越えた世界の全体のなかの市民としてまず質的に問われるものだ。そ

  • [書評]重金属のはなし - 鉄、水銀、レアメタル(渡邉泉): 極東ブログ

    科学は日進月歩するものなので、生活に接する一般向けな科学を扱った、主要な新書を見かけたときは、できるだけ読むようにしている。書「重金属のはなし - 鉄、水銀、レアメタル(渡邉泉)」(参照)もそうした意識からと、加えて言うなら、新技術や国際政治などいろいろな局面で重金属の重要性を痛感することが多いことから、とりあえず読んでみた。こう言うと逆に著者に失礼かもしれないが、思いがけぬ良書であった。 高校生なら一年かけて書を教科書に使うとよいのではないか。いわゆる科学分野の他に、歴史、地理など幅広い分野の知識を育成するのにも役立つだろうし、ビジネスマンから主婦まで、市民・常識人であれば、難しいところは飛ばしてもよいから通読されるとよいだろう。 昨年以降、問題となっている放射性物質の汚染については、書ではほとんど言ってよいほど扱っていないが、書を読めば、従来からある、重金属による環境汚染の問題

  • シリア情勢が一線を越えた。化学兵器流出の危険。: 極東ブログ

    シリア情勢が一線を越えたようなので、少し言及しておきたい。一線とはなにかというと、化学兵器流出の危険である。 世界情勢を見つめていて、非道なものだなと思うのは実際に情勢が動き出すのは人道的な危機ではなく、特定の危機の構造である。中東問題で言うなら、あまり端的に言うのもなんだが、サウジアラビアかイスラエルへの脅威が構造的に形成される契機が重要になる。米国が気で動き出すのは、この二国の安全保障上の、繰り返すが、構造的な危機の可能性である。今回の一線ではイスラエル側にある。化学兵器がイスラム過激派や反イスラエル運動の組織に渡ると、イスラエルで大量殺人が起きかねない。イスラエルが気になりつつあり、当然米国を巻き込むという構図になる。 日ではあまり報道されていないので正確な議論をするのは難しいため、飛躍的な結論のように聞こえるだろうが、現下のシリア危機だが、当初は基的にサウジアラビアとイラン

  • アフマディネジャド大統領のアブムサ島訪問について: 極東ブログ

    イランのアフマディネジャド大統領がアブムサ島を訪問した。この件について、ざっと調べた程度ではあるが、毎日新聞を除いて日ではほとんど報道がなかったようだった。しかし、現在の中東問題の大きな構図を考えていく上で重要な問題を含んでいると思えるのでブログで拾っておきたい。 例外的とも言える毎日新聞記事だが、22日付けの「ペルシャ湾:3島の領有権巡り イランと湾岸諸国対立」(参照)である。冒頭は以下のとおり、簡素にまとめられていて読みやすい。 【テヘラン鵜塚健】ペルシャ湾に浮かぶアブムサ島、大トンブ島、小トンブ島の3島の領有権を巡り、イランと湾岸諸国との対立が過熱している。イランのアフマディネジャド大統領が今月11日にアブムサ島を訪問したことに、領有権を主張するアラブ首長国連邦(UAE)が強く反発。サウジアラビアなど6カ国で作る湾岸協力会議(GCC)がUAEに加勢してイランを非難し、地域の新たな火

  • マリ共和国で起きていること: 極東ブログ

    西アフリカのマリ共和国で3月22日、軍部のアマドゥ・サノゴ大尉が率いる兵士らによってクーデターが発生した。「民主主義と国家の再建のための国民委員会」(CNRDR: the National Committee for the Return of Democracy and the Restoration of the State)と称する兵士らは首都バマコの大統領府を攻撃し、国営テレビも占領した。 CNRDRのコナレ報道官は国営テレビを通して「マリ国軍は、現政権にテロと有効に戦う能力がないことを考慮し、憲法上の権利を行使して他の治安部隊とともに無能なトゥーレ政権に終止符を打つ責任を果たすことを決意した」と述べた(参照)。 CNRDRの発表からうかがえることだが、北部独立を掲げるトゥアレグ人勢力との戦闘にあたる軍部は、トゥーレ大統領政権の対応に業を煮やしていたのだった。なお、トゥーレ大統領も

  • 光市母子殺害事件元少年の死刑: 極東ブログ

    1999年に起きた山口県光市母子殺害事件で、強姦致死などの罪に問われた元少年の死刑が20日、最高裁で確定した。元少年は犯行当時、死刑が認められる年齢である18歳を超えていたものの、満18歳を1か月超えたばかりで、その点でも死刑が妥当かなどを含め、死刑の基準についても長く議論が続いていた。 検察は死刑求刑したが、1審の山口地裁は無期懲役とした。地裁判決要旨を引用したい(読売新聞2000/3/22より)。 主文 被告人を無期懲役に処する。 (罪となるべき事実) 【第一】 被告人は、平成十一年四月十四日午後二時三十分ごろ、山口県光市室積沖田四番の村洋方において、同人村弥生(当時二十三歳)を乱暴しようと企てたが、同女が大声を出して激しく抵抗したため、同女を殺害した上で目的を遂げようと決意し、頸部を両手で強く締め付けて殺害、乱暴した。 【第二】 同日午後三時ごろ、前記方において長女村夕夏(

  • アフガニスタン戦争、西側諸国敗戦のお知らせ: 極東ブログ

    公式には言われていないし、非公式に言うのは少し早いという印象もないわけではないだが、全体動向からしてもう確定と見てよいだろう、「アフガニスタン戦争、西側諸国敗戦のお知らせ」である。負けましたね。 大営風味の西側報道を見ていても、おや?と疑問に思うような話が増えてきた。たとえば4日付けNHK「アフガン 民間犠牲者が過去最悪に」(参照)では、表題通り最悪の現状を告げている。 アフガニスタンで去年1年間に戦闘やテロに巻き込まれて死亡した民間人の数は3000人を超え、2001年にアメリカが軍事作戦を始めて以来最悪となりました。 これは、国連アフガニスタン支援団が4日発表したもので、アフガニスタンで去年1年間に戦闘やテロに巻き込まれて死亡した民間人は3021人で、前の年に比べて231人増えました。2001年の同時多発テロ事件を受けてアメリカがアフガニスタンで軍事作戦を始めて以来、最悪の犠牲者の数で

  • 米国の保守派と宗教の関係: 極東ブログ

    ネットを眺めていているとまるで日人の多くが反米でそしてキリスト教が嫌いなのではないかという印象を持つことがある。しかし世論調査などを見ると日人が反米ということはない。 昨年の内閣府「外交に関する世論調査」(参照)を見ると、米国に「親しみを感じる」が41.4%、「どちらかというと親しみを感じる」が40.5%、「どちらかというと親しみを感じない」が9.1%、「親しみを感じない」が6.4%となっている。米国に好意的な比率は82.0%にものぼる。日人は米国が好きであり、日は親米国と言ってよそうだ。 だが私の印象では「どちらかというと親しみを感じる」はそれほどその文言に即しているようにも思えない。実際のところ親米的な日人は半数くらいなものではないか。そして反TPP議論やBSE問題などでネットに吹き出す反米感情は、1割くらいの反米的な日人が大きく騒ぎ立てているのだろうと思う。 キリスト教と

    microtesto
    microtesto 2012/01/29
    教育投資でぶった切ればもう少し楽しい結果が出そうではあるよね
  • エジプト軍部クーデターの失敗と「民主化」という責任回避: 極東ブログ

    大衆活動で陽動し革命を装ったエジプト軍部クーデターから1年、当初の軍部の思惑どおりには民主化の偽装が進まず、ムバラク元大統領の位置に座り込んだ軍最高評議会の実態(参照)も露呈し、反政府デモが続いている。NHK「エジプト 反政府デモ開始1年で」(参照)より。 エジプトでは、去年1月、若者のグループによるインターネット上での呼びかけによって民主化を求める反政府デモが始まり、30年近くにわたったムバラク政権が、僅か18日間で退陣に追い込まれました。民主化運動が始まって1年となる25日、若者たちは再び国を暫定的に統治している軍に抗議するよう呼びかけ、全国の主要な都市で大規模なデモが始まりました。 このうち、首都カイロのタハリール広場では、午前中から数万人が集まり、軍の統治はムバラク政権時代と何も変わっていないとして、即座に権限を手放すよう求めました。参加者からは、「軍は民主化を求める国民の声を聞か

  • [書評]円高の正体(安達誠司): 極東ブログ

    はなぜ円高なのか。ずっと円高基調が続いているので疑問に思わなかったり、欧米での金融危機との関連で考える人もいるだろう。だが、円高のもっとも基的な要因は何か、またそれがどういう意味を持つのかと考えるなら、書「円高の正体」(参照)の解説がわかりやすい。 なにより重要なことは、日の円高という現象がデフレの別相であることも明らかにしている点だ。その意味では書の書名は「デフレの正体」と言ってもよいだろう。その書名をもって広く読まれた別の書籍の主張(人口減少によるとする主張)が間違っていることも示されている。 書は円高の仕組みを解説するだけに留まらず、日にとって「良い円高」なるものが存在しないということを詳しく説明した後、円高の別相であるデフレの解消のための金融緩和政策に日銀行が強く志向することも求めている。 その点では、書はいわゆるリフレ派と呼ばれる立場の主張を、新書の形式で手短

  • 政治は何のために存在するか?と愚問して陳腐な結論に至る: 極東ブログ

    政治は何のために存在するか? 自明のように思えるので、あらためて問うと愚問のようだが、そのことが実際には世界で日で、各所で問われている時代なのではないかと思う。 政治は何のために存在するか、という問いは、政治とは何かという問いとは微妙に異なっている。政治とは何か、というのであれば、まずその語感から、"government"と"politics"の二面が想起される。 "government"であれば、"governance"つまり「統治・支配」のあり方が問われる。これを日国憲法のように広義に"control"(制御)と考えてもよいのかもしれない。"politics"であれば、そのまま「政治学」ともなりうるが、支配の含みもあり、支配力の関係が問われることになる。それは政策でもあるが党略とも言えるし、つまるところ政争であれ権力闘争であるとも言える。二面に共通なのは、「権力」のあり方が問われる

  • エジプト革命の始まり: 極東ブログ

    エジプトが再び争乱状態となった。これを第二革命と呼ぶ人もいるようだが、なんのことはない。前回は軍部のクーデターに過ぎず、民主化などほど遠い話であった。 ムバラク政権に劣らぬエジプト軍政による悪行はすでに十分に露呈している。これがどれほど酷いものかは、アムネスティが公開した報告書「Broken Promises: Egypt's military rulers erode human rights」(参照)に詳しく描かれている。 夜間外出禁止令を破ったり軍を侮辱したとして1万2千人も及ぶ市民が軍事法廷に送られた。ジャーナリストは軍の検察官に呼び出され、拘束され拷問を受けた。軍に抗議する市民に対しては、軍は武装した強盗を使って攻撃した。コプト教徒による抗議では軍は28人の市民を殺害した。 この軍政が、いかさまな議会選挙(参照)を通して固定化されようとしているとき、市民が立ち上がる現在こそが、ま

  • エジプトのコプト教徒差別: 極東ブログ

    8日付けの前回のエントリではあまり明確には書かなかったが、エジプトでは社会緊張の高まりから突発事件が懸念されていた。翌日9日夜から10日未明カイロで、コプト教徒のデモと軍およびイスラム教徒との衝突し、25人が死亡、320人以上が負傷した。 エジプト国営テレビによれば、コプト教徒が南部アスワン(Aswan)の教会襲撃に抗議するデモを行っていた際、デモ隊による発砲で兵士3人が死亡し、これが大規模な衝突に発展したとのことだが、コプト教徒側では軍からの攻撃だと主張している(参照)。 真相は公正に解明されなくてはならないが、今回の事態が惨事となったのは軍側の暴走が大きな要因であることは確かだ。クーデター政府としての軍部が国家という暴力装置として、諸暴力を収納する機能を果たしたわけではなかった。 エジプトの軍部クーデター政府は、クーデターを偽装したい意図もあって、暴力装置としての治安機能を抑制する傾向

  • エジプト軍部クーデターから半年: 極東ブログ

    今年一月にエジプトで起きた軍部クーデターだが、その後の経緯を少しメモしておこう。 日も含め西側メディアでは事態を「アラブの春」と総括し、期待もあってか「エジプト革命」「エジプト民主化」と誤解されることもあり、また西側メディア報道が民衆デモの映像に着目したため一般の認識がそのように歪むのも避けがたかったが、憲法によることもない権力の移譲は少なくとも形の上からはクーデターと呼ぶ他はなく、現実的にもよくあるタイプの軍部のクーデターでしかなかったことは明らかであった。NHKの出川展恒解説委員も、8月の時点で再度、西側報道に配慮しつつも「軍によるクーデター」である点に留意を促した(参照)。 「盤石と言われたムバラク政権をわずか18日間で崩壊させたエジプトの政変は、「民衆革命」という側面と、「軍によるクーデター」という側面がありました。 その他の西側報道でもようやく「軍によるクーデター」が理解されつ

  • ユセフ・ナダルカニ氏の死刑判決: 極東ブログ

    イランのキリスト教信者ユセフ・ナダルカニ(Yousof Nadarkhani)氏(33)に死刑判決が下った。これについて国際世界では、死刑廃止論者と信教の自由を求める人々から大きな異論の声があがった。が、理由はよくわからないのだが、死刑廃止論者の活動が盛んで、しかも信教の自由は日国憲法に国を超える普遍の価値と明記されている日では、にもかかわらず、報道がないように見える。それほど話題にも上っているふうもない。 不思議なことだなと検索してみると、福音派ではないかと思われるが、キリスト教インターネット新聞クリスチャントゥデイというサイトに「イラン福音主義牧師、絞首刑へ」(参照)として話題があったが、このサイトの方針から当然と言えないこともないが、この問題をキリスト教信仰の問題に矮小化している印象がある。また記事も伝聞のためか事実認識に問題がありそうではある。それでも日語で読める資料という点

  • [書評]決断できない日本(ケビン・メア): 極東ブログ

    メア氏の自著「決断できない日(ケビン・メア)」(参照)が出版されると8月の頭ごろだったか聞いて、出版前にアマゾンに予約しておいたが、なぜか配送は遅れ、そのため読むのも遅れてしまった。書店に先に並ぶほうが早かった。アマゾンの予約が殺到していたのだろうか。 書に期待される話題といえば、まず、共同通信による「沖縄はゆすりの名人」報道についての人弁であるが、もう一点、事前の報道で「米政府が福島第1原発事故直後、東京在住の米国人約9万人や在日米軍を避難させる最悪のシナリオを検討していた」(参照)というのも興味深くは思えた。 共同通信による「沖縄はゆすりの名人」報道についてだが、もとから発言の原資料は残されていないので真義の確認はできない。そのあたりをどのように弁じるかに関心を持った。結論から言えば、共同通信が問題視した講義の真相についてはわからない。だが、関連して二点わかったことがある。共同通

  • [書評]原発安全革命(古川和男): 極東ブログ

    山道を登っていてふっと木々の合間から、今来た道とこれから進む道が見えることがある。来し方行く末、こう辿り、こう進むのか。あるいはそう歩みたいものだと遠くを見る。書籍にもそう思わせるものが稀にある。「原発安全革命(古川和男)」(参照)はそうした一冊である。その描く未来を歩みたいものだと願わせる。 書の前版は十年前に文春新書で出版され、当然のごとく絶版となっていた。再読したいと思い、実家をあさったが転居の際に処分してしまったのか書棚にはなかった。 この機会に書を再読したいと思った人は少なくはなかったのだろう。福島原発事故以降、「検証 チェルノブイリ刻一刻」(参照)同様、書にもプレミアムがついた。幸い版元の文藝春秋に識者がいたものと見え、こちらのは「こうして原発被害は広がった 先行のチェルノブイリ」(参照)と改題され復刻され、書も書名内の括弧が取れたものの増補新版となった。 あれから十