前に書いたとおり、退職時期を労働者が決定するモデルに双曲割引を組み込んで、スタンダードな指数割引のモデルとどう挙動が異なるかを分析したペーパー("Policy Effects in Hyperbolic vs. Exponential Models of Consumption and Retirement," JPubE 2012, A. Gustman and T. Steinmeier)について軽く触れる。双曲割引を組み込むことでこのように異なってくるはずだとか言うような見込みなしでとりあえずやってみましたという感じも漂うけれども、それなりに流行なのでOKということなのだろう。 モデルの基本的な構造は次のようなものである。 1年1期間のライフサイクルモデルである。最高100歳まで生きられるが、年齢に応じたある一定の確率で死ぬ。 労働者は毎年、フルタイムで働くか、パートタイムで働くか、