第7回 日本人の中国観を問いなおす――戦前・戦後・現在 戦後の日中関係を振り返る 日本国内において、「嫌中」的な感情が目立つようになった、と言われ始めてもう随分たつ。筆者の個人的な印象だけなのかもしれないが、最近は特に女性たちが、より具体的にいえばもともと平和主義的で、「弱者の見方」であったような人たちが急速に中国(政府)に不信感を抱くようになっているというのが、ここ数年の特徴ではないだろうか。卑近な例で恐縮だが、筆者の母親なども、ずっと自民党政権や日米安保に批判的であり、一言で言うと「社民的な」感性の持ち主なのだが、最近の中国政府の姿勢をニュースで見るとそのたびに「腹が立って仕方がない」という。もっとも彼女はその後で、「中国の人たちは嫌いではないが」と付け加えるのを忘れないのだが。恐らくこういった層の中国への反発が、根深い中国食品離れを支えているのではないだろうか。 一方、これも近