(2009年10月20日付 英フィナンシャル・タイムズ紙) 中国の外貨準備はあまりに多額であるため、数字をなかなか認識できないほどだ。だが、その残高はこのわずか半年間で3180億ドルも増えている。アルゼンチンの1年間の国内総生産(GDP)に匹敵するような額である。 2兆ドルを突破し、なお増え続ける外貨準備 現在の外貨準備は総額2兆2700億ドルに達しており、金融危機に対処する保険はかなり厚く積み立てられている。しかし、中国自身が今年になって気づいたように、巨額の外貨準備は落とし穴でもある。その3分の2が脆弱なドル建て資産とあっては、なおのことだ。 中国では、この外貨準備をどうすべきかという激しい議論が続いている。昨年の金融危機の際には、ドル建ての資産を売却して保有残高を圧縮し、浪費癖のある米国を罰すべきだといった主張が数多く飛び出した。 しかし、そのようなことをすればドルと米国債の