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ブックマーク / finalvent.cocolog-nifty.com (37)

  • 靖国参拝は信教の自由の問題: 極東ブログ

    版ニューズウィークに掲載されているジェームズ・ワグナー副編集長のコラムを読むのは私の楽しみである。なんつうか、口の軽いスットコドッコイなところが私と似ているからであろう。日に暮らす知的白人さんらしくリベラルな空気を読むのもうまいが、朝日新聞建屋居候三杯飯の慎みもないカナダ人大西哲光のような悪意を感じさせないのも好ましい。日の空気が醸し出されていなければ、チラっと欧米風の常識を出してしまうところに先輩無理無理金髪染デーブ・スペクターのような好ましさも感じる。 彼は今年の8・10/17号、つまり毎年吉例手抜きだよ「海外で暮らす」号のコラムに良いことを書いていた。”靖国参拝「ノー」に危険な落とし穴”である。ちょうど八月十五日に小泉首相が靖国参拝するかという話題が一部で関心を持たれていたころだ。このコラムは日政治家が靖国を参拝する問題について扱っているのだが、これほどきちんとした見解を

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    monolith 2005/10/18
  • 極東ブログ: 日本人と進化論

    昭和の時代のことだが、永六輔だったか天皇に和服を着せようと提言していた。日の天皇なのに和服姿というのはないという穿った話だった。宮中儀礼や婚礼の装束も和服のうちでもあろうが、いわゆる和服ではないだろう。天皇の着流しなどは想像もつかない。天皇家は諸事欧風である。日常の事には和も当然あるだろうが、かしこまった席では欧風と決まっているはず。明治時代が作り出した日というのはそういうハイカラなしろものなのだが、平成も十七年にもなるとなんとなく近代日というか日というイメージが随分変わってきたような気がする。 昭和天皇は生物学者でもあった。戦中も自室にダーウィンの肖像を掲げていたと聞く。その業績は同じく生物学者である今上陛下の業績とともに新江ノ島水族館(参照)に展示されている。科学者としての昭和天皇のありようは、北一輝をして「クラゲの研究者」と呼ばわしめたほどだ。 昭和天皇はダーウィニスト、

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    monolith 2005/10/05
  • ジャンクDNAが否定されると進化論はどうなるのか: 極東ブログ

    また進化論の話。そういうこと。でもお楽しみの宗教ネタはなし。話の軸は先日ニュースにもなったが、理化学研究所を中心とする同チームがまとめた二日付のサイエンス誌発表の話だ。サイエンス誌のオンラインサイトでは特設”Mapping RNA Form and Function”(参照)がある。 Googleで見るとネット上の報道記事はすでにほとんどない。読売新聞” 遺伝情報「ゲノム」、70%に「機能」あった 理研などの国際チーム発表へ”( 2005.09.02)はこう報道していた。 従来、生命活動に役立つ部分はゲノムの2%程度とされていたが、大幅に増え、約70%で機能を持つ可能性があるという。 報道ではゲノムの有用情報のあたりが中心となった。さらに、RNAの全体像について、次の言及があった。 設計図であるDNAの情報からたんぱく質が作られる過程では、DNAが仲介役のRNA(リボ核酸)にいったん写し取

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    monolith 2005/10/04
  • 喘息患者の脳は喘息を連想する言葉に反応する: 極東ブログ

    二十九日付で海外に出ていたニュースなのだが国内報道はあっただろうか。喘息についてのニュースで、喘息の患者というのは、喘息を連想させる特定の言葉を聞くとそれに脳が反応して、喘息発作の引き金になるようだ。読みやすいところでは、BBC”How emotions spark asthma attack ”(参照)がある。 喘息の被験者に提示された言葉は、"wheeze"、"loneliness"、"curtains"で、wheezeが喘息のぜいぜい、lonelinessは孤独、curtainsはカーテン。wheezeに脳が反応したということ。最近はやりのfMRIを使った研究だ。 日語だと、wheezeに相当する言葉はなんだろうかと思うが、ぜいぜいという感じだろうか。呼吸ができないよぉ、くっ苦しい、ボンベはどこどこ…といった感じか。そう、私は小児喘息だったので、こうした問題はまるで他人事ではない。

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    monolith 2005/09/03
  • 精子銀行が心の支えになるという話: 極東ブログ

    男性の癌患者にとって自分の精子を精子銀行に保存しておくことは精神面での援助になる。そういう記事がロイターに出ていた。標題は”Sperm banking gives cancer patients emotional lift”(参照)というだけなのだが、冒頭読み出して、ちょっとびっくりした。話は日の話なのだ。てっきり米国とかのことだろうと予断を持っていた。 Sperm banking may not only preserve young cancer patients' ability to have children, but their emotional well-being as well, according to Japanese researchers. 【試訳】 精子銀行は若い患者が子供を持つ能力を保持するだけのものだけではなく、彼らの気分を快活にする上でも役立つと日

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    monolith 2005/08/26
  • 郵政民営化問題:ワシントンポストとフィナンシャルタイムズ: 極東ブログ

    今朝の新聞社説やネットの意見などを散見すると、郵政民営化問題を主題に取り上げるのはおかしいとか、郵政民営化問題はたいした問題じゃないといった論が目立つように思えた。いろいろな意見があってもいいと思う。なので、私は全然そうは思わない。 ちょっと偽悪的に言うと、そんな意見、G8を構成するような先進民主主義国( leading industrial democracies)の論調では見たこともないな。もちろん、それほど各種の議論を見てないせいもあるのだろう。また、郵政民営化の問題は極めて日の国益に関係しているので海外の意見など参考にもならないという意見もあるかもしれない。 でも、私の考えでは郵政民営化と日政治の未来は、先進民主主義国にもある程度重要な問題だ。なので、日内の意見と先進民主主義国の意見がそうい違うというのは、ありえないんじゃないか。 とはいえ、そのあたり簡単にワシントンポス

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    monolith 2005/08/22
  • [書評]戦争を知るための平和入門(高柳先男): 極東ブログ

    筑摩ライブラリーのごく一般向けの平和学のということもあり、読みやすい。私はこれを偶然買ったのだが、おもしろかった。 それでもやや批判的な言い方をすると、平和学が新しい世界を課題にする矢先の一歩のところで終わっているのが惜しまれる。しかも、著者はこの書籍を言わば遺書のように残していったことも悔やまれる。存命であれば、現在世界の状況について、この著者に是非見解を伺いたいものだと思う。 平和学というと、平和主義のような理念が先行するようなイメージがある。学派の主導者によって主張の相違もあるのだろうが、概ね、一種マクロ経済学のようにクールな学問領域のようだ。が、著者は、わかりやすく、自身の立場をあえてこう言っている。 ぼくは平和研究者であって平和主義者ではありませんから、人間というものは戦うものだと思っています。いかに戦わせないようにシステムを作っていくかということが大切なのであって、戦いそのも

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    monolith 2005/08/16
  • 小泉独裁批判が意味すること: 極東ブログ

    郵政民営化が参院で否決されたことで、小泉総理は衆院のほうを解散した。それは傲慢であり独裁的だという批判をよく聞いた。私はそれにアンビバレンツな思いを抱いている。が、どちらかというと、小泉が行使した権力こそが現在の状況下では総理のリーダーシップに必要な条件をなすのではないかと思うからだ。そのあたりを少し書いておきたい。 話はまた「ウォルフレン教授のやさしい日経済(カレル・ヴァン ウォルフレン)」(参照)から切り出したい。こので著者ウォルフレンは、日政治経済問題を扱うにあたり、アカウンタビリティ(accountability)という言葉を多用している。もともとこの言葉を流行らせた張人が彼なのだから当然と言っていいかもしれない。彼はアカウンタビリティを「説明責任」としている。これは、「なぜこういう政策をとったのか」をきちんと説明・開示する能力であり、これが日ではもっとも欠落していると

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    monolith 2005/08/15
  • [書評]自民党の研究(栗本慎一郎): 極東ブログ

    の大きな変革に立ち会っているのだろうなと思う。日のありようが日国民に問われたということはいいことだ。日国民はどう答えるだろうか。というところで、さて情報戦がばしばしと始まるのだ。 迎え撃つ小泉首相の原点は明快だ。”衆議院解散を受けて 小泉内閣総理大臣記者会見”(参照)より。 私は、今、国会で、郵政民営化は必要ないという結論を出されましたけれども、もう一度国民に聞いてみたいと思います。当に郵便局の仕事は国家公務員でなければできないのかと。民間人ではやってはいけないのか。これができないで、どんな公務員削減ができるんでしょうか。どういう行政改革ができるんでしょうか 言わば、はっきりと改革政党になった自民党が、民営化に反対の民主党と闘って、国民はどういう審判を下すか聞いてみたいと思います。だから解散をしました。 つまり、郵政民営化に賛成ですか、と。 そこで、情報戦の敵方の先陣は論点ずら

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    monolith 2005/08/09
  • 参院否決なら、衆院を解散して国民に信を問えばいい: 極東ブログ

    政局について特に私にネタがあるわけでもないが、事ここに至って、一国民としての思いを少し書いておきたい。 郵政民営化法案のキモについては、「極東ブログ: 郵政民営化法案問題をできるだけシンプルに考えてみる」(参照)で触れた。ので繰り返さない。 政局についてだが、結論を先に言うと、郵政民営化法案が参院で否決ということになれば、衆院を解散して国民に信を問えばいい。私は小泉首相を支持する。 原則としては、良識の府であるはずの参院で否決されたら、法案を廃止なり、見直しなりをすべきだろう。しかし、内閣として、廃止にしたくないし、これまでも最大限譲歩したので見直すべき点はないとしている。であれば、国民に再度問えばいいという以外に私は考えられない。それに反対するというのは、国民の意思が現れるのを恐れていることになる。 これに放言を足す。私は参院は基的には国の未来の決断を問うとき、不要だと考えている。しか

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    monolith 2005/08/07
  • 「『政治介入』の決定的証拠」(魚住昭)について: 極東ブログ

    場末の屋に今月の月刊現代が売れ残っていたので、買い、例の「『政治介入』の決定的証拠」(魚住昭)をまずざっと読んだ。詳しく読み込んだわけではないのだが、これって何?というのが最初の印象だった。 記事の問題性については朝日新聞記事”NHK問題、「月刊現代」の記事 社資料流出の疑い”(参照)がわかりやすい。 NHKの番組改変問題をめぐり、朝日新聞が取材したNHK元幹部らの「証言記録」を入手したとする記事が「月刊現代」(講談社)9月号に掲載されることがわかり、社は29日、「社内資料の一部が流出した疑いがある」として社内で調査を進めることを決めた。 この月刊現代の記事に含まれる資料がオリジナルなのかという考証はなされていないので、とんでもない偽文書という可能性はある。が、一読した印象ではたぶんこれは、かなりオリジナルを反映しているだろうという印象は持った。そのあたりは、七月二五日に出た朝日新聞

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    monolith 2005/08/03
  • 世界で最も影響力を持つ100人の女性: 極東ブログ

    これは悪い冗談だろ。フォーブス"The 100 Most Powerful Women(最も影響力を持つ100人の女性)"(参照)である。「パワフル」という言葉は、「恣意的な権力が行使できる」と訳したいくらいだ。あるいは、フォーブスの編集って…(言葉を濁す)。 なにはとももあれ、リストをご覧あれ。 ライス米国務長官 Condoleezza Rice (こりゃ間違いないな) 呉儀副首相 Wu Yi (あの無礼なドタキャン婆さんだよ) ティモシェンコ首相 Yulia Tymoshenko (⇒極東ブログ: 美人だろうが民主化だろうが、私はチモシェンコ(Tymoshenko)が嫌い) アロヨ大統領 Gloria Arroyo (メガワティ前大統領と同じく不正まみれ) マーガレット・ウィットマン、eBay CEO Margaret (Meg) Whitman (現在オークション・サイト) アン・マ

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    monolith 2005/07/30
  • 中国のちょっとわけのわからないフカシについて: 極東ブログ

    さてこの手のフカシはスルーするのがいいのかもしれない、と少しためらうものがあるのだが、内容が内容だけに、核の恐怖を歴史に知る国民としては言及しないわけにはいかないだろう。中国の愚かな軍人朱成虎が核兵器使用の可能性を公言した。日国内の平和勢力はきちんと抗議すべきだろう。 話は読売新聞”台湾軍事介入なら米を核攻撃の用意…中国軍幹部が発言”(参照)がわかりやすい。 15日付の英紙フィナンシャル・タイムズによると、中国人民解放軍の朱成虎・国防大学教授(少将)は、外国人記者との会見で、米国が台湾に関する紛争に軍事介入するなら中国は米国に対し核攻撃する用意があると語った。北京発の特派員電で伝えた。 これによると、同教授は個人的な見方とした上で、「米国が中国の領土にミサイルや誘導弾を発射すれば、われわれは核兵器で対応しなければならないだろう」と発言。さらに、「中国は西安(陝西省)以東の全都市の破壊に備

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    monolith 2005/07/18
  • 「ほっとけない 世界のまずしさ」なのか?: 極東ブログ

    このエントリの標題は「ほっとけない先進国のアホさ」とでもしたかったのだが、そこまで言えるものでもないし、私のようなアホの筆頭にはよくわからないことも多い。ただ、アフリカ貧困に対する善意と援助の陰に隠されているものについては、やっぱり、書いておこうと思う。 なにが隠されているか。これまでの極東ブログの話の流れで言えば、「端的なところ、中国様のご威光」とかになりそうだ。ダルフール危機についても、端的に言ってしまえばこういうことだ、つまり… 南北内戦が片付いてきて、イスラム系スーダン政府が「け、南北問題では下手を打ったから石油の取り分が減ったじゃなねーか」と考え、さらに「もうこれ以上減らされるのはご免だな、じゃ、次にぐだぐだ言いそうな西のダルフールの住民を先手で追っ払っておけ」と考え、「なんか、うまい追っ払いの口実はないか? 古くからある住民対立を増長させておくのもいいが…なぬ!西側の反乱軍が

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    monolith 2005/07/16
  • 同じ遺伝子の双子が違うわけ: 極東ブログ

    先日トリビアの泉で、双子の女性の男性趣味(見た目)は同じかというくだらないネタがあったが笑ってナンボなんなでくだらないというのも野暮だし、こりゃ一致するでしょとういう選択限定だったが、それでも後から考えると、ヤラセとまでは言えないにせよこの誘導を排除しても、意外に一致してんじゃないのかとも思った。顔の好みと遺伝子的な関連はゾンディ・テストといったろくでもない洒落を混ぜるまでもなく単にわからないといったもので、基的にまだ議論の条件もできていない。 が、一卵性双生児は同一のゲノムを持つのになぜ身体的に違った点があるのかとなると、よくわかっていないのレベルが異なる。と、書くと失笑される向きもあろうが、ま、一般的にはその問いでいいだろうし、専門的にも突き詰めればよくわかっていない。 という背景もあって、五日付けニューヨーク・タイムズ”Explaining Differences in Twins

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    monolith 2005/07/06
  • おばあちゃん細胞が発見された: 極東ブログ

    最新「ネイチャー」の記事が欧米の報道でけっこう話題になっていた。国内ではまだ見かけないようだが、いずれにせよ、遠からず日版「ネイチャー」で読むことができるのだろうから、簡単に触れるだけにしたい。 報道バージョンはいろいろあるが、ロザンゼルス・タイムスに掲載された”Study Shows How the Brain Recalls What Turns It On”(参照)が読みやすいように思う。リードに”Small groups of cells are found to use abstract memories to recognize specific objects.”とあるが、拙い訳だが、「特定対象を識別する抽象的な記憶のために利用される少数の細胞が存在することがわかった」ということ。簡単に言うと、人間の記憶のメカニズムにはいろいろな仮説があったが、今回の研究では、特定記憶に特

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    monolith 2005/06/24
  • オゾン層の変化で台風(ハリケーン)経路が観測できる: 極東ブログ

    小ネタの類なのでさらっと。話は二週間前、米国時間で八日付のNASA (National Aeronautics and Space Administration)のニュースに、”Ozone Levels Drop When Hurricanes Are Strengthening(ハリケーンが強化されるときオゾン・レベルが落ちる)”(参照)という話があった。標題は正確なのだがあまり一般に関心をひくものではない。同じネタでもサイエンス・ライターが書いた”Surprise New Technique Improves Hurricane Tracking”(参照)のほうが注目しやすいだろうし、話も読みやすい。こちらの標題を意訳すると、「意外な最新技術がハリケーン進路計測の精度を高める」になる。日の状況で言うなら、ハリケーンは台風と言い換えてもいいだろう。発生する場所の違いだけの熱帯低気圧なの