「そんなこと言うな。失礼な質問だ」――。31日未明、東京都千代田区の砂防会館。国民新党の綿貫民輔・前代表(82)は、「富山3区で出ていたら勝てたのではないか」と記者団に問われると、声を荒げた。 「これで選挙には出ない。仕事のけりをつけた」「古里を大事にすることが原点だった」。綿貫氏は40年の国会議員生活を振り返り、淡々と引退を表明したが、唯一感情をむき出しにした瞬間だった。東海北陸道も開通させたし、地元には恩返しをした。今回は、国民新党と運命を共にする――。綿貫氏は何度も説明してきたが、ある支持者は「なんで比例なのかという疑問を最後まで払拭(ふっしょく)できなかった」(郵政関係者)と語る。 ■敗因 綿貫氏の敗因は、「小選挙区に候補者がおらず、比例選と連動できなかった。郵政民営化の見直しばかりを主張しすぎた」との見方で一致している。郵政関係者さえも「政策に広がりがなく、一般有権者へのアピー