医学部医学科がある全国81大学の調査で、文部科学省は14日、女子や浪人回数の多い受験生を不利に扱ったり、卒業生の子らを優遇したりしていた9大学を「不適切入試」と認定し、1大学を「その可能性が高い」とする最終報告を出した。調査が長引いた背景には、大学の入試の裁量にどこまで踏み込むのかを巡り、大学側と文科省とのせめぎ合いがあった。 文科省の調査は、女子や浪人回数の多い受験生の得点抑制などが発覚した東京医科大の不正入試をきっかけに始まり、約4カ月にわたった。報告書は不適切な入試を①合理的な理由なく、成績の順番を飛ばすなどして特定の受験生の合否判定をする②性別や年齢、出身地域など属性を理由として一律的な扱いの差をつける、と定義した。 その上で、東京医科大、昭和大、神戸大、岩手医科大、金沢医科大、福岡大、北里大、順天堂大、日本大の入試方法は「不適切」と認定。聖マリアンナ医科大にも「不適切」と指摘した