三菱重工業は29日、ドイツのクルーズ会社に引き渡した大型客船「アイーダ・プリマ」を現地で披露した。建造中に3度火災が起きるなどして納入が1年遅れたが、30日から初のクルーズに出る。 ハンブルク港内に停泊した客船で開かれた式典には、三菱重工の取引先ら約300人が参加した。宮永俊一社長は「長崎でつくられたアイーダ・プリマの出発を祝えることを光栄に思う」とあいさつした。発注元企業の親会社であるクルーズ客船会社カーニバル社のアーノルド・ドナルド最高経営責任者(CEO)は「すばらしい船を三菱重工と一緒につくれたことを誇りに思う」と述べた。 客船は全長約300メートル、客室は1643室あり、約3200人の乗客が乗ることができる。船内にはウォータースライダー付きのプールやアイススケートリンクなどもある。船底から噴き出す泡の力で船体と水の抵抗を減らす、三菱重工の独自技術を導入し、燃費性能を向上させたという