◇質問の辻元氏「うろたえる大臣……国益を損ねている」 8月に入閣した稲田朋美防衛相を巡り、開会中の国会で、過去の発言と防衛省トップとしての言動の食い違いがクローズアップされている。発言の矛盾を問われ、答弁で涙ぐむ場面もあった。安全保障法制のもと、自衛隊は駆け付け警護など新たな活動領域に踏み込む。それを指揮するトップに不安の声が上がっている。【遠藤拓、三股智子】 野党は稲田氏に対し、9月30日の衆院予算委員会での辻元清美氏(民進党)による質問を皮切りに、日米安保や日本の核武装、尖閣諸島問題などを巡る過去の言葉を引用し、防衛相としての見解を繰り返しただしてきた。そのたびに稲田氏は政府の公式見解を述べ、過去の発言の修正に追われる印象を与えてきた。 「こうした人物に我が子を預ける親は、私に限らず不安だろう」。陸上自衛官の次男を持つ北海道千歳市の50代の女性は懸念を口にした。「自衛隊などについ