●企業システムへのLinux採用は様々な業種で進んでおり、メールサーバーやWebサーバーなど「エッジサーバー」と呼ばれる分野だけでなく、よりビジネスの根幹を担うシステムにまでその範囲が広がっていることはご存じのことだろう。Linuxは誕生してまだ日が浅いため、基幹システムに採用することについてリスクを感じている人も少なくない。しかし今日のように、情報システムの選択肢として大きなウエートを占める以前からLinuxに注目していたのが製造業だ。工場の生産ラインなどを制御する「プロセスコンピュータ」と呼ばれるシステムを、Linuxサーバーで構築しようという試みである。 ●今回紹介する新日本製鐵は2001年5月に、君津製鉄所第3高炉を制御するシステムにLinuxを採用した。一度火を入れたら20年間無停止で稼働し続けるという、まさに製鉄所の心臓部とも言える高炉の制御にLinuxを導入した理由の一つ