同地検の大島忠郁次席検事は8日の定例記者会見で、「主要な供述調書の証拠請求が却下されたものの、有罪を導くだけの証拠も採用されている」と語っていた。しかし、この日の判決はその望みを完全に打ち砕いた。 判決後、同地検では小林敬検事正ら幹部が内容を精査。検事正室の明かりは、退庁時間を過ぎてもともり続けた。途中で一度退室した小林検事正は報道陣に対し、「何もコメントできない。控訴については判決文を読んで検討したい」と硬い表情で話した。 捜査に携わった検事は「階段を上るような捜査の過程で村木被告が浮かんだ。取り調べが不当とは思わないが、裁判所に否定された以上、捜査に甘い点があったのか……」と唇をかんだ。ある検察幹部は「無罪は予想されたが、主張が全面的に否定されたことは残念」と顔をしかめた。