【ソウル=桜井紀雄】2018年にローマで失踪した北朝鮮のチョ・ソンギル駐イタリア代理大使(当時)が昨年7月に韓国に亡命していたと、複数の韓国メディアが7日、韓国与党関係者らの話として一斉に報じた。 北朝鮮の政府高官の韓国亡命が判明するのは16年7月の太永浩(テ・ヨンホ)元駐英公使以来。 チョ氏は帰任直前の18年11月、妻とともに行方をくらませた。西側当局の保護を受けつつ、第三国への亡命を模索し、最終的に妻との韓国行きを決心したという。韓国で当局の保護下で暮らしているとされる。 チョ夫妻の失踪直後、娘はイタリアから北朝鮮に送還されたと伝えられ、チョ氏は韓国側に韓国亡命の秘匿を強く求めたという。 3等書記官として赴任したチョ氏は、イタリア政府が17年に北朝鮮の6回目の核実験を受け、当時の大使を追放したため、1等書記官に昇進し、大使の代理職をこなしてきた。金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員