Cが2次元の圏であって、対象、射、2-射(2-セル)を持っているとします。このとき、2-射を忘れて対象と射だけを考えることに何の問題もありません。Cを通常の(1次元の)圏とみなせます。 では、対象を忘れて射と2-射だけを考えたいときはどうでしょう。射の集合と2-射の集合を単純に取り出しただけでは圏にはなりません。次元が低い構成素を削り落とすには何らかの工夫が必要です。 そんな工夫のひとつとして、高次圏の台となる構造(下部構造)を、高次の箙〈えびら〉を使って表現してみます。高次の箙は、高次圏(higher category, n-category)を記述する便利な言葉を提供します。 内容: 反射的箙 反射的箙の別な定式化 半反射的箙と概反射的箙 高次圏と高次箙 共端対とホム箙 実例:小さい圏の圏 まとめと展望 反射的箙 箙(quiver)とは、「多重辺と自己ループ辺を許す有向グラフ」という長