環境省は7日、東京電力福島第一原発周辺の、住民の立ち入りが制限されている旧警戒区域内で、イノシシやイノブタ204頭を駆除した、と発表した。 住民が避難し、人の気配が消えたあと、田畑や住宅を荒らしているため、浪江、双葉、大熊、富岡の4町で、昨年11月~今年2月末に実施。はこわな24基を設置した結果、オスとメス102頭ずつを捕獲した。そのうち、富岡町ではイノシシと家畜のブタが交配したイノブタが72頭に上った。 捕獲したイノシシに全地球測位システム(GPS)をつけ移動範囲を調べたところ、成獣のメスで約2平方キロ、オスで約15平方キロ程度と狭かった。同省は「ほかの場所に大きく移動しないが、広い範囲に生息している。引き続き市街地を中心に、わなの数を増やしたり、範囲を広げたりして続けていきたい」としている。(香取啓介)