12月2日、霞が関の働き方改革を目指す民間有志が、「22時完全閉庁」を求める提言を約2万7000人分の署名とともに、河野太郎国家公務員制度担当相に提出したという。発起人には「ワーク・ライフ・バランス」の小室淑恵代表やIT大手「ドワンゴ」の夏野剛社長が名を連ねる。 【画像】先輩が詰問される姿は若手官僚にどう映るか この提言は、霞が関の長時間労働を是正して、残業代という「税金の無駄遣い」を減らすとともに、官僚の人材流出やそれに伴う質の低下を防ぐことを目的にすると報じられる。「広く議論を喚起する」というその趣旨に敬意を表しつつ、でも私は、若手官僚の退職を防ぐという観点からは、まず「22時閉庁」というのはちょっと違うんじゃないかなと思っている。 1.師走の六本木の夜風に背を丸めたあの日 それは、私が財務省で2年目の官僚として働いていた2007年12月のことだった。コロナ禍の今とは違って、街はクリス