ナイキの株価が冴えない。 米ニューヨーク証券取引所に上場するナイキの株価は年初来でマイナス24.2%を記録している。同期間にS&P500指数が21.26%も上昇したことを踏まえると、ナイキは米国経済の堅実な成長に取り残されているようにみえる。 この不調には複数の要因が絡んでいるようだ。ナイキが10月1日に発表した2025年度第1四半期決算によると、競争の激化や世界的な経済環境の変化に苦しんでいる様子がうかがえる。同社の売上高は116億ドル(約1.73兆円)にとどまり、前年同期比で約10%減少した。 “お手本”のD2Cが不調 事業部門別でみると、特にD2C事業である「NIKE Direct」部門の減収が目立つ。同部門の売上高は47億ドルで前年同期比で13%のマイナスとなった。 ナイキのD2C事業は、コロナ禍中は巣ごもり需要の中で躍進し、全体の売り上げを牽引(けんいん)していたため、他のメーカ