政府は、インフルエンザの治療薬が効きにくい耐性ウイルスが各国で相次いで確認されていることを受けて、耐性ウイルスに効果がある新薬「T―705」を備蓄する方針を固めた。 複数の政府関係者が明らかにした。T―705は今春にも製造販売が承認される見通しで、新型インフルエンザのパンデミック(世界的大流行)に備えて危機管理体制を強化するのが狙いだ。 すでにインフルエンザの治療薬として使われている「タミフル」や「リレンザ」は、体内で増殖したウイルスの細胞から細胞への拡散を妨害し増殖を防ぐ仕組み。これに対し、T―705は、細胞内でウイルスが遺伝子を複製、増殖すること自体を防ぐ作用がある。細胞に侵入した後の早い段階でウイルスが増えるのを抑えるため、タミフルなどが効かない耐性ウイルスにも効果があるとされる。