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内田樹の検索結果1 - 40 件 / 94件

  • 2023年にブックマークしたページでよかったもの集めた - Really Saying Something

    2013年から「その年ごとにブックマークしたページでよかったもの集めた」と題して、1年分の「自分がブックマークしたページ」を振り返り、まとめています。正確には毎年ではなくて、2022年だけ抜けています。いろいろなことがあり抜けました。そしてあきらめて、2023年版を作りました。 完全に「私得」なまとめなのでカテゴライズなどは一切しておらず、主に自分のブックマークした順番となっています。基本的には、以下の基準で選出しています。 当年に作られたエントリーであること Wikipediaや当年に作られたことが明確でない役所のページなどは除外 ブックマークが多く集まっていてもリンク切れであるものは除外 Yahoo!ニュース(掲載終了)、サイトクローズなど 内容が「閲覧する際に1記事単位になっている(ページャーはOK)」になっていること 有料記事、課金しないと全部読めない記事などは除外 今年は入院した

      2023年にブックマークしたページでよかったもの集めた - Really Saying Something
    • 文字の書けない子どもたち - 内田樹の研究室

      高校の国語の先生から衝撃的な話を聴いた。生徒たちが文字を書けなくなっているというのである。教科書をただノートに筆写するだけの宿題を毎回課すが、やってくるのは半数以下。授業中に書いた板書をノートに写すようにという指示にも生徒たちは従わない。初めはただ「怠けているのか」と思っていたが、ある時期からどうもそうではないらしいことに気がついた。 『鼻』の作者名を問うテストに「ニコライ・ゴーゴリ」と答えを書いた生徒がいた。ゴーゴリもその名の短編を書いているが、教科書で読んだのは芥川龍之介である。どうしてわざわざゴーゴリと書いたのか生徒に訊ねたら「漢字を書くのが面倒だったから」と答えたそうである。 生徒たちの提出物の文字が判読不能のものが増えて来たという話は大学の教員たちからも聴く。学籍番号までは読めるが、名前が読むのが困難で、コメントの文字に至ってはまったく解読不能のものが少なくないという。何を書いた

      • 【どうして日本共産党の支持率は上がらないのか?】政策は適切だし、議員たちの知性も倫理性も他党に比べると卓越しているのに、どうして人々は感情的な「反共」に容易に流れるのか?

        内田樹 @levinassien 神戸市で武道と哲学研究のための学塾・凱風館を主宰している物書き兼業武道家です。2023年4月に右膝の人工関節手術をしたおかげでようやく稽古できるようになりました。今年は正座できるようになるとうれしいです。でも、老骨はそろそろ後事を若い人たちに託して、竹林に端座して琴棋詩酒の余生を楽しみたいです。 blog.tatsuru.com 内田樹 @levinassien 今日の平川君とのおしゃべりの最後の話題は「どうして日本共産党の支持率は上がらないのか?」でした。政策は適切だし、議員たちの知性も倫理性も他党に比べると卓越しているのに、どうして人々は感情的な「反共」に容易に流れるのか? 2023-08-10 20:12:08 内田樹 @levinassien 僕の仮説は、ご存じのとおり、日本では中間的な権力機構(君側の奸、有司専制)を廃して、天皇と人民が一体化する

          【どうして日本共産党の支持率は上がらないのか?】政策は適切だし、議員たちの知性も倫理性も他党に比べると卓越しているのに、どうして人々は感情的な「反共」に容易に流れるのか?
        • 日本の左翼とQアノンの急速な融合|✨わん🐶にゃん😺癒し動画✨

          しばらく前から、立憲民主党の原口一博議員の陰謀論的発言が問題になっている。彼は頻繁に「DS」の入ったツイートをしているが、この「DS」はトランプ系陰謀論者「Qアノン」が「闇の支配者」というような意味合いで使う言葉だからである。 これが原口氏一人の暴走であればある程度看過できるのだが、問題は野党は末端の支持層から国会議員に至るまでQアノンに侵食される傾向が見える、ということである。以下少し確認していこう。 親ロシア・プーチン朝日新聞が報じている通り、親ロシア・プーチン支持は現在のQアノンを特徴づける一つの要素と言ってよい。原口氏も「ロシアへの制裁はディープステートの陰謀」という、Qアノン系陰謀論者どまんなかの発言をしているが、Qアノンの親ロシア言説にはロシアの工作が関与していると現民主党政権に指摘されている。 日本では、左派が伝統的に反米主義を取り、反米シンパシーから親ロシア・プーチン支持を

            日本の左翼とQアノンの急速な融合|✨わん🐶にゃん😺癒し動画✨
          • 宮﨑駿『君たちはどう生きるか』を観て - 内田樹の研究室

            私は宮崎駿の映画のかなり熱烈なファンである。これまでいくつかの宮崎駿作品について映画評を書いてきた。宮崎作品を観た後は、いつでも語りたいことが湧き上がってきて、語らずにはいられないのである。 今回の『君たちはどう生きるか』についても、何かを語らずにはいられないことに変わりはないのだが、それはこれまでのように自分が観た映画について語ることを通じて「さらなる愉悦」を引き出すためではない。「これは一体どういう作品なのか」を何とか言葉にしてみないと、自分が何を観たのかがよくわからないからである。 これまでの宮崎作品なら、物語は完結し、ラストで伏線は回収され、映画の「メッセージ」も別に解釈の手間をかけずにもすんなりと伝わってきた。映画を楽しむためには、それで十分だった。そして、映画をたっぷり楽しんだ上で、「果たして物語はあれで完結しているのか?」「伏線はほんとうに回収されているのか?」「あんな『わか

            • 追記)ユロックの母さんの記事が面白かったので続きを書いた。 https://anond.ha..

              追記)ユロックの母さんの記事が面白かったので続きを書いた。 https://anond.hatelabo.jp/20240619014605 本文) キャンセルカルチャーの問題点は、「悪い・正しくない」と思う倫理が内発的なものではないことなんだろう。 どこかで知った聞きかじりの「教養」に発するものだから、キャンセルすることでなんとなく自分が「正しい側」にいることに内心満足してしまう。「正しい側」にいるというのは安全地帯なので、いくらでも無知な人を罵倒し、笑い飛ばせる。その教養は実際のところ、★のたくさんついたブコメかもしれない、その程度に知った教養でも安全地帯に入った感覚を得られる。 つまり、「いーけないんだいけないんだー、センセにいってやろ」のアレと大差ない。 その程度の教養と正義感で、MVを取り下げ、ミュージシャンを謝罪に追い込む社会なわけだね。 かつて、なだいなだが、ケシカラニズムと

                追記)ユロックの母さんの記事が面白かったので続きを書いた。 https://anond.ha..
              • 日本人が知るべき「大人が消えている」危機の実態

                「今の日本社会を見て、いちばん足りないと思うのが“成熟”」と語るのが、思想家の内田樹氏だ。「未成熟であることは誤りでも罪でもないが、まっとうな大人の比率が高まれば、たいへんに住みやすい世の中になる。ところが、今の日本社会には大人がいなくなった」と内田氏は指摘する。大人の頭数を増やすためにはどうすればいいのか。新著『街場の成熟論』を上梓した内田氏に聞く(全2回の1回目)。 子どもの知性的・感情的成熟を支援した人が「大人」 ――日本社会から「大人」が消えつつあるとはどういうことでしょうか。 「大人」をどう定義するかは難しい問題です。僕の個人的な定義を申し上げれば、大人というのは「周りの子どもたちの知性的・感情的な成熟を支援できる人」のことです。つまり、結果的に「大人」を創り出してくれるのが「大人」だということです。なんだか、同語反復みたいですけれど。 「大人」というのは、個人単体についての属性

                  日本人が知るべき「大人が消えている」危機の実態
                • 高校生に言いたかったこと - 内田樹の研究室

                  修学旅行で関西に来ている高校二年生200人のための講演を頼まれた。日本の未来を担う若者たちである。長く生きてきた人間としてはどうしても言っておきたいことがある。喜んで引き受けた。 でも、高校生はせっかくの楽しい修学旅行の最中に(それも晩ご飯の前に)知らない男の説教なんか聞きたくもないだろう。先方は「聴く気がない」、こちらは「袖にすがっても言いたいことがある」。合意形成は難しい。とはいえこちらも教壇に立つこと半世紀という老狐である。絶対に寝かさないで最後まで話を聴かせる術は心得ている。 それほどたいしたことではない。準備したことではなく、その場で思いついたことを話すのである。その場で思いついたことだから、うまい言葉がみつからない。時々絶句する。でも、絶句というのは聴衆を引き付ける上ではまことに有効なのである。 結婚式のスピーチで、用意してきた台詞を忘れて、頭が真っ白になって立ち尽くしている来

                  • メンターはどうやって見つけたらいいのでしょう? - 内田樹の研究室

                    韓国のある出版社から「韓国オリジナルの本」を出すことになった。先方から質問を送ってもらって、それに僕が答えて、それで一冊にするという趣向である。 その中に面白い質問があった。「メンターはどうやって見つけたらいいのでしょう?」というものである。 「最近はオンラインでのコミュニケーションが活発になったおかげで物理的に遠く離れている人をメンターとする人もいたりします。 韓国では「オンライン先輩」「オンラインメンター」というような言葉もあります。良いメンターとメンティ、あるいは望ましい師匠と弟子の関係とはどのような形なのでしょうか?」 以下が私からの回答。 メンターにはいろいろな種類があります。生涯師として仰ぎ見て、ずっとその後についてゆく人もいるし、一時的にA地点からB地点まで移動するときの道案内をしれくれただけの人もいます。例えば、広い川の前に来た時に、渡し船が来て船頭さんに「乗るかい?」と誘

                    • フリーライダーの効用 - 内田樹の研究室

                      高齢者の集団自決が高齢化対策の秘策であると公言した若い経済学者の発言が話題を呼んでいる。 彼の言う「人間は引き際が重要だと思う」ということにも「過去の功績を使って居座り続ける人がいろいろなレイヤーで多すぎる」という事実の摘示にも私は同意する。でも、使えないやつは有害無益だから、集団から追い出すべきだという論には同意しない。人道的な立場からというよりは組織人としての経験に基づいてそう思うのである。 組織に寄生して、何も価値を生み出さず、むしろ新しい活動の妨害をする「フリーライダー」はどのような集団にも一定数含まれる。この「無駄飯食い」の比率を下げることはたしかに集団のパフォーマンスを向上させることにある程度までは役立つだろう。ただし、「ある程度」までである。というのは「無駄飯食いの排除」作業に割く手間暇がある限度を超えると、その作業自体が集団のパフォーマンスを著しく低下させるからである。 組

                      • まず読みたい100冊

                        I. <まず読みたい図書> 1)全学生向きの図書 著作名 著者・編者名 *シリーズ名な ど 出版社 西暦発行年 現在書店で 入手が可能 か(○または ×) 筑波大学図書館 での所蔵の有無、 ある場合は配架番 号 *その他の情報 紹介コメント(80字以内) 三四郎 夏目漱石 岩波文庫 岩波書店 ◯ 081-I95-G10-6 漱石が明治時代の大学生を描いた名作です。自分と比べて見るのも一 興。 地獄変・偸盗 芥川龍之介 新潮文庫 新潮社 ◯ 無 各作品は図書館所蔵 の他の版で読むこと ができる。 何百もの小説を残した芥川。「羅生門」だけじゃ物足りない。 万葉集と日本人:読み継がれる 千二百年の歴史 小川靖彦 角川選書 KADOKAWA 2014 〇 911.12-O24 古典と呼ばれる作品が現代までどのように読み継がれてきたのか、そして それは書物(モノ)としてどのように伝えられてきたのか。

                        • いまの日本は若者に「チャンス」より「屈辱感」を与えている…内田樹が「昭和より令和のほうが意地悪」とする理由 問題は「力のある人たち」のマナーである

                          日本に「勢い」があった時代 1970~90年代の日本の組織はどこも「勢い」がありました。「勢い」というのはただ金が儲かるということではないんです。とにかく仕事がどんどん増えてくる。それもやったことのない仕事が。 僕は’75年に大学を卒業してから2年近く定職に就かずふらふらしていました。一応「大学院浪人」を自称していたので、フランス語とフランス文学史の勉強だけは一日3、4時間くらいしていたのですが、あとは自由時間です。でも、家賃も払わないといけないし、ご飯も食べないといけないし、お酒を飲んだり、麻雀したり、スキーに行ったりもしなくちゃいけないので(いけないということはないんですけど)、生活費を稼がねばならない。 その頃の生業なりわいはほとんど友だちから回ってきたものでした。「内田、暇なんだろ?」という前口上付きで仕事が降ってくる。頼まれた仕事は家庭教師でもなんでもやりました。主な収入源は英語

                            いまの日本は若者に「チャンス」より「屈辱感」を与えている…内田樹が「昭和より令和のほうが意地悪」とする理由 問題は「力のある人たち」のマナーである
                          • 『東京ミドル期シングルの衝撃』(宮本みち子、大江守之編著、東洋経済新報社) - 内田樹の研究室

                            東洋経済新報社の渡辺さんから新刊の書評を頼まれたので少し長い紹介を書いた。タイトルはやや挑発的だけれど、人口動態と地域コミュニティ形成についての手堅い研究である。でも、ほんとうに衝撃的なのは、こういう研究にごく最近まで誰も見向きもしかなったという事実の方なのである。 人口減問題について語る人たちの多くはマンパワーの不足やマーケットのシュリンクや年金や医療制度の持続可能性について話すけれど、ほんとうにシリアスなのは「高齢期に入って社会的に孤立化したシングルのアンダークラス化」にある。本書はそのタブーを正面から取り上げた例外的な仕事である。 「アンダークラス」というのは「ワーキングクラス」のさらに下に位置する、生活保護なしでは暮らしていけない最貧困層のことである。差別と排除の対象となり、社会の底辺に吹き溜まる閉鎖集団である。 日本でもこれから「高齢者アンダークラス」が大量出現する可能性がある。

                            • 『福田村事件』 - 内田樹の研究室

                              ある媒体から『福田村事件』についてのコメントを求められたので、こんなことを話した。 関東大震災時に起きた虐殺事件を描いた映画『福田村事件』が公開中である。私は、この映画のクラウドファンディングに参加しており、本作を応援する者として、この映画を1人でも多くの人に観てもらいたいという思う。 本作はオウム真理教を描いた『A』『A2』、『FAKE』など良質なドキュメンタリー作品を数多く手掛けてきた森達也監督の初の商業劇映画である。私がクラウドファンディングに出資しようと思ったのは、扱いの難しい題材をエンターテイメント作品として撮ろうという森監督の野心を多としたからである。 福田村事件とは、1923年9月1日に発生した関東大地震の5日後、千葉県東葛飾郡福田村に住む自警団を含む100人以上の村人たちにより、利根川沿いで香川から訪れた被差別部落出身の行商団のうち、幼児や妊婦を含む9人が殺された事件のこと

                              • 「将来、何になりたい?」聞く親が子を不幸にする訳

                                国の豊かさ=公共財の豊かさ ――いまや国民の税負担は、江戸時代の「五公五民」並みと言われるほど増しています。なぜ私たちの国力は落ちつづけ、国民の生活はいっこうに豊かにならないのでしょうか。祝賀的なイベントには多額の公金が注ぎ込まれているのに……。 五輪や万博のような祝賀資本主義が「原因」で日本の劣化を招いているのではありません。そういうものにすがるほかに経済的浮力を得ることができなくなった日本資本主義の衰退がこういうむなしいイベントのかたちに結果しているのです。 国の豊かさというのは、公共財の豊かさのことです。私有財産の総和がどれほどでも、その富が一部の人間に排他的に蓄積されていれば、国は貧しい。問題は公共財なんです。たとえ私財は乏しくても、高等教育まで無償で受けられ、医療も無償で受けられ、住宅も公営のものが無償で提供されるなら、その人はかなり豊かな生活が保障されていることになります。

                                  「将来、何になりたい?」聞く親が子を不幸にする訳
                                • 内田樹さん「志賀原発で放射能漏れ?」という陰謀論に「同じ意見、ドーロン規制や自衛隊投入の躊躇はそのせい」とデマを重ねる。

                                  な @wideangle 許可車両以外通行止め(渋滞回避)とか民間ドローン禁止(救助用途優先)とかを「何かを隠しているぞ!」と騒ぎ立てたりしてる人々、主にSNSで流れる災害映像とかに浮き足立って陰謀論に絡め取られる一歩手前だからな。穴に滑り落ちてから底までは早いですよ。 2024-01-08 06:04:37 内田樹 @levinassien これは僕も同じ意見です。初動があれほど遅かったのも、議員の被災地入り自粛を申し合わせたり、ドローンを禁止したりしたのも「志賀原発の被害状況がわからなかったから」ということならすべて腑に落ちます。総理大臣が「私は被災地には行かない」と言明するなんて、おかしいでしょう? twitter.com/keyaki1117/sta… 2024-01-13 17:32:45 笹山登生 @keyaki1117 能登半島、非常に不謹慎な話になるけど、「放射能が漏れてい

                                    内田樹さん「志賀原発で放射能漏れ?」という陰謀論に「同じ意見、ドーロン規制や自衛隊投入の躊躇はそのせい」とデマを重ねる。
                                  • 「他人に屈辱感を与える」ハラスメントが蔓延する社会 暴力性を抑制する“たった一つの方法”とは? | 文春オンライン

                                    「ハラスメント」を理由とした離職は年間約87万人(2021年、パーソル総合研究所調査)とも言われるなか、会社組織から政界まで、日本社会にはびこる「他者に屈辱感を与える」病理の本質とは何か? 『街場の成熟論』が話題の思想家・内田樹が斬る。 写真:©AFLO ◆◆◆ 「屈辱感を与える」暴力性に対する警戒心が足りない社会 ――最近でも、自見英子・万博担当相のパワハラや三宅伸吾・防衛政務官のセクハラ報道など、政治家の不祥事が相次いでいます。某パワハラ大臣の“対策マニュアル”の流出も近年話題になっていましたが、なぜこうした人権侵害が権力者のあいだでたびたび起こっているのでしょうか。 内田 「人に屈辱感を与えることをおのれの『得点』にカウントする習慣が日本社会に瀰漫した」ということだと思います。 キーワードは「屈辱感」です。ご質問は「人権侵害」についてですけれども、実際に例示として挙げられていたのは、

                                      「他人に屈辱感を与える」ハラスメントが蔓延する社会 暴力性を抑制する“たった一つの方法”とは? | 文春オンライン
                                    • 暴力について - 内田樹の研究室

                                      文春オンラインに「暴力」についての質問に答えた。いま、ネットで公開されているけれど、そのうち新しい記事に埋もれてしまうだろうから、ここに残しておく。 -ウクライナ戦争、イスラエル・ハマス戦争‥...日々メディアやSNSから凄惨な光景が流れてくる時代を私達は生きています。圧倒的な暴力をまえに、倫理や道徳というものは無力なのでしょうか。 内田「圧倒的な暴力」を前にしたときに私たちがまずなすべきことは「圧倒的な暴力」を「制御可能な暴力」に縮減することです。それは質の転換のことではなく、量の規制のことです。 国際関係論では「危機」を二種類に分別します。danger とriskです。danger は「人知を以ては制御不能の危機」、「黙示録的危機」のことです。それに対してrisk は「コントロール」したり、「マネージ」したり、「ヘッジ」したりすることができる危機のことです。政治外交の要諦は「デインジャ

                                      • 大半の人が嫌がる「PTAの悪習」はなぜ改革できない?日本の議論が「無意味な罵り合い」に終わるワケ 倉本圭造×岡田憲治対談|FINDERS

                                        CULTURE | 2023/06/21 大半の人が嫌がる「PTAの悪習」はなぜ改革できない?日本の議論が「無意味な罵り合い」に終わるワケ 倉本圭造×岡田憲治対談 連載「あたらしい意識高い系をはじめよう」特別編 文・構成・写真:神保勇揮(FINDERS編集部) 岡田憲治氏(写真左)、倉本圭造氏(写真右) FINDERSで連載「あたらしい意識高い系をはじめよう」を執筆する経営コンサルタントの倉本圭造氏と、異色のPTA体験記『政治学者、PTA会長になる』が大きな話題を呼んだ政治学者の岡田憲治氏の対談をお届けする。 両者の共通点は、2012年に第二次安倍政権が誕生してから10年以上、社会のさまざまな場所で続くバトルに関して、特に左派サイドに「理念に共感するところはあっても、その方法論を続けて勝てるのか」と警鐘を鳴らしていることだ。 だが今回の対談では、自民がどうだ立憲がどうだといった「政治の話」

                                          大半の人が嫌がる「PTAの悪習」はなぜ改革できない?日本の議論が「無意味な罵り合い」に終わるワケ 倉本圭造×岡田憲治対談|FINDERS
                                        • NAIリークの歴史|NAILEAKPROBLEM

                                          はじめに 近年のAI画像生成は盗品の歴史である。danbooruという無断転載サイトから学習したNovelai。Novelaiのリークモデル。リークモデルを追加学習し、それを無断で転載したAnything。Anythingと、肖像権を無視して何万枚もの写真を無断で学習したinstagramモデルとのマージモデル(Orangemixシリーズ)。Orangemixを改造したabyss。どのモデルをとっても、それは盗品という負の要素が存在する。だから、近年のAI画像生成は盗品の歴史である。 AI絵師は、この事実を無視しつづけた。その理由はわからない。ただ、ある一つの推測を述べることはできる。「いいイラストが作れるから」という理由だ。NovelAIよりも、自分のパソコンで使えるリークモデルの方がアレンジが効いた。リークモデルよりも、anythingの方がいい絵が出た。anythingよりも、ora

                                            NAIリークの歴史|NAILEAKPROBLEM
                                          • 学校図書館は何のためにあるのか? - 内田樹の研究室

                                            こんにちは、今ご紹介いただきました内田でございます。こうやって見回すと、みなさんまだ顔真っ白なのに、講師一人が顔真っ黒に日焼けしておりまして(笑)、誠に申し訳ない。みなさんはまだおそらくギリギリまで学校あって、遊びに行っている暇なんかないと思うんですけど、僕は海水浴に行ってまいりまして、3日間、京丹後。海がきれいなんです。 僕は凱風館という道場をやっているんですけども、毎年凱風館海の家というのをやっておりまして、旅館一棟貸し切りにするんです。10人以上滞在したら一棟貸し切れにしてくれる。そこでみんなで泳いだりご飯食べたりお酒飲んだりおしゃべりしたりということをやってるんです。 武道の道場なんですけれども、作った時のコンセプトは「昭和の会社みたいなもの」です。僕の子どものころ、昭和20年代30年代ぐらいの日本の会社って終身雇用で年功序列だったんで、疑似家族的で穏やかな雰囲気だったんです。いろ

                                            • 書評『新しい封建制がやってくる グローバル中流階級への警告』ジョエル・コトキン著、寺下滝郎訳、東洋経済新報社、 - 内田樹の研究室

                                              標記の書物の書評を東洋経済オンラインから依頼されたので、こんなことを書いた。 タイトルから二つのことがわかる。「新しい封建制」が切迫していること。それによってもっとも大きな負の影響を受けるのがミドルクラスだということである。少し前にこのコラムで紹介した『意識高い資本主義が民主主義を滅ぼす』と問題意識の多くは共通している。超富裕層への富の集中、テックジャイアントの国家化、左右のポピュリズムの興隆、ミドルクラスの没落と民主主義の機能不全・・・どれも最近のアメリカの書物や論文に頻出する文字列である。でも、さすがに「封建制」まで踏み込んだ用例を私は知らない。さて、「新しい封建制」とは何か。 「今日、アメリカその他の国で出現しつつあるのは、新しいかたちの貴族制である。というのも、脱工業経済のもとで、富が少数者の手に集中する傾向がますます強まっているからだ。社会の階層化が進み、多くの人びとにとって社会

                                              • 月刊日本インタビュー「ウクライナとパレスチナ」 - 内田樹の研究室

                                                ― ウクライナ戦争に続いてイスラエル・ハマス戦争が起こりました。この事態をどう受け止めていますか。 内田 強い衝撃を受けました。これまでもイスラエルとパレスチナは衝突を繰り返してきましたが、今回は暴力性の次元が違うと感じます。イスラム組織ハマスがパレスチナ自治区ガザから攻撃を仕掛け、イスラエルは「戦争状態」を宣言して以来、徹底的な報復攻撃を行っています。欧米はイスラエルの自衛権を支持していますが、「これは自衛の範囲を超えている」と批判している国も多くあります。 でも、今回の事態を何と表現すればいいのか、私にも実はよく分からないのです。これは近代的な国民国家間の戦争ではありません。かといって、ポストモダン的な非国家アクターによるテロではないし、単なる民族抗争、宗教戦争とも言い切れない。そのどれでもなく、そのどれでもあるような、複合的な戦いが起きている。このような事態を適切に表現する言葉を私た

                                                • 【そういうとこやぞ】内田樹氏「誤解しないでくださいね。「共産党はなぜ嫌われるのか」というのは「日本国民はどうして『政治的に正しい政党』より『政治的に正しくない政党』を好むのか?」という不可解さをめぐってのお話です」←ツッコミ多数

                                                  内田樹 @levinassien 神戸市で武道と哲学研究のための学塾・凱風館を主宰している物書き兼業武道家です。2023年4月に右膝の人工関節手術をしたおかげでようやく稽古できるようになりました。今年は正座できるようになるとうれしいです。でも、老骨はそろそろ後事を若い人たちに託して、竹林に端座して琴棋詩酒の余生を楽しみたいです。 blog.tatsuru.com 内田樹 @levinassien 今日の平川君とのおしゃべりの最後の話題は「どうして日本共産党の支持率は上がらないのか?」でした。政策は適切だし、議員たちの知性も倫理性も他党に比べると卓越しているのに、どうして人々は感情的な「反共」に容易に流れるのか? 2023-08-10 20:12:08

                                                    【そういうとこやぞ】内田樹氏「誤解しないでくださいね。「共産党はなぜ嫌われるのか」というのは「日本国民はどうして『政治的に正しい政党』より『政治的に正しくない政党』を好むのか?」という不可解さをめぐってのお話です」←ツッコミ多数
                                                  • ガザを想う 帝国の智慧と欧米のダブルスタンダード - 集英社新書プラス

                                                    内田樹先生、山本直輝先生との共著『一神教と帝国』を上梓した中田考先生。イスラエル・ハマス紛争をめぐる問題の淵源について、イスラームの観点から深くとらえる論考を寄稿いただきました。 奥行きのあるトルコのイスラエル批判 ガザは旧約聖書にも名前が登場する旧(ふる)い町です。「ヨシュア記」によると預言者ヨシュアがガザの地を奪っていますし、「列王記上」にはソロモン王がガザの地を治めたと記されています。 7世紀にはアラビア半島にイスラーム勢力が勃興すると第二代正統カリフ・ウマルの時代にシリアはイスラーム帝国に組み込まれ、それ以来、ガザのアラブ化、イスラーム化が進みます。そして16世紀にオスマン帝国がマムルーク朝を滅ぼし、シリア、エジプトを支配下に置きスンナ派イスラーム世界の盟主となるとガザも他のパレスチナの地と同じくオスマン帝国の支配下となりました(1516―1917年)。 オスマン帝国の崩壊後、パレ

                                                      ガザを想う 帝国の智慧と欧米のダブルスタンダード - 集英社新書プラス
                                                    • - 内田樹の研究室

                                                      Q:以前ご返信をいただいた「きげんをよくすること」の中で、「救難信号を聴き取ってくれそうな甘さ」というお話がありました。わたしも、そういう方々に幾度となく甘えさせてもらったかわからないな...と内田先生やたくさんのお世話になった方々のお顔を思い浮かべながら、ふと感じたことがありました。 救難信号を受け取れてしまう方々は、「聴こえちゃう」から、その人たちにばかり救難信号が届いて、てんてこまいになってしまうのでは...と。 ちょっと話が違うかもしれないのですが、きげんよくしている人や元気な人に、「あいつ元気そうやし、こんくらい(あるいはこういう類の)仕事させても、いけるやろ」的な発想で、仕事がガサガサと振られるようなケースです。 そうして仕事がバンバン飛んできても、サクサク捌ける人だと問題ないと思うのですが、仕事が増えすぎると、そういうふうにできない状態になってしまうこともあると思うんです。

                                                      • 「それは個人の感想でしょ?」相手を黙らせても問題解決には1ミリも役に立たない…内田樹が反対する“知のアナーキー” | 文春オンライン

                                                        非常識で、冷笑的な人々が増えたこの国で、〈大人の頭数を増やす〉ために何ができるのか? そんな大テーマに挑んだ新著『街場の成熟論』が話題の内田樹氏が語る、「人を見る目のやしない方」。(全2回の1回目/続きを読む) 内田 いま日本社会では、物事をAll or Nothing、白か黒かの二項対立で雑にカテゴライズして、「だからこれはダメなんだ、間違っている」と切り捨てる単純思考が蔓延しています。そういう議論の立て方で、自説は100%正しくて、相手の議論は100%間違っているというタイプの言葉づかいをする人が非常に多くなっていますが、実際には、そんなことはないんです。「盗人にも三分の理」で、どんな偏頗な主張でも、そこには一抹の理がある。正しさにもグラデーションがあり、間違いにもグラデーションがある。 だいたいは正しいこと言ってるけれど、若干の事実誤認があるということもあるし、ある状況にはよくあては

                                                          「それは個人の感想でしょ?」相手を黙らせても問題解決には1ミリも役に立たない…内田樹が反対する“知のアナーキー” | 文春オンライン
                                                        • コミュニズムのすすめ - 内田樹の研究室

                                                          『だからあれほど言ったのに』所収の一文であるが、これをブログに上げたのは、ある学習塾の小学校六年生対象の模試に以下の文章が使用されたからである。これを小学校六年生に読ませたのか・・・と思うと驚く。世の中は変わりつつあるのかも知れない。 現代日本の際立った特徴は富裕層に属する人たちほど「貧乏くさい」ということである。富裕層に属し、権力の近くにいる人たちは、それをもっぱら「公共財を切り取って私有財産に付け替える」権利、「公権力を私用に流用する権利」を付与されたことだと解釈している。公的な事業に投じるべき税金を「中抜き」して、公金を私物化することに官民あげてこれほど熱心になったことは私の知る限り過去にない。 税金を集め、その使い道を決める人たちが、公金を私財に付け替えることを「本務」としているさまを形容するのに「貧乏くさい」という言葉以上に適切なものはあるまい。今の日本では「社会的上昇を遂げる」

                                                          • 「関東大震災で朝鮮人虐殺はなかった」とみなす人々の“奇っ怪なロジック”を内田樹が暴く | 文春オンライン

                                                            「オルタナティブ・ファクト」(代替的事実)、「ポスト真実の政治」という言葉が世界を席巻する時代、私たちは自国の歴史とどう向き合うべきなのか? 新著『街場の成熟論』が話題の内田樹氏が語る、今こそ司馬遼太郎から得るべき学びとは。 朝鮮人虐殺は公文書で確定されている歴史的事実 ――関東大震災から100年をむかえた本年、朝鮮人虐殺について松野官房長官が「政府内で事実関係を把握できる記録が見当たらない」と発表したことに衝撃を受けました。 内田 官房長官の発言は、小池都知事の追悼文送付拒否と並んで、「オルタナティブ・ファクトの時代」を典型的に象徴するものだと思います。 小池都知事は虐殺犠牲者を悼む式典への追悼文を2017年以降送っていませんが、その理由を問われて、「何が明白な事実かについては、歴史家がひもとくものだ」「様々な見方がある」という言い方をして、歴史に向き合うことの政治責任を放棄していますが

                                                              「関東大震災で朝鮮人虐殺はなかった」とみなす人々の“奇っ怪なロジック”を内田樹が暴く | 文春オンライン
                                                            • ひと目でわかる!イラストブックレビュー『下流志向 学ばない子どもたち 働かない若者たち』内田 樹 (著) |

                                                              内田 樹 (著) 講談社文庫 概要日本の子どもたちの勉強時間の減少、学力の低下が問題となって久しい。 こうした問題を招いた原因は何なのか。 「自己決定論」における解釈の誤り、「格差」の正体、そして「学ぶ」ことの意味とは。 子どもたちの教育から現代につながっていく問題を解き明かす驚愕の教育論。 学力の低下を招いた原因とはかつて日本の子どもたちは世界のどの国よりも勉強に意欲的でしたが、現代の日本の子どもたちは世界のどの国よりも勉強を嫌悪しています。 学級崩壊、学力の低下、高等教育の空洞化といったことが問題となっているのです。 学習習慣が身につかなくても子どもたちの五十パーセントは大学に行く。 分数の割り算ができない学生が大学の理科系に入ってきたと話題になりましたが、漢字が読めない、四則演算ができない、アルファベットが読めない学生が登場しつつあります。 子どもたちは疑問点があっても「気にしない」

                                                              • 朴先生からのご質問「内田の政治的立場は何か?」 - 内田樹の研究室

                                                                韓国では、内田先生は「リベラル知識人」として広く知られています。実際に多くのマスコミでは、内田先生のことを「リベラル知識人」として紹介されています。 しかし、およそ十年以上先生のほとんどのご著作を読みふけるだけでなく、新聞・雑誌・Webメディアなどの媒体に寄稿された文章を読んだり、先生が出演されているラジオ番組などを聴いている者としては、内田先生のことを「リベラル知識人」として簡単に決めつけてしまうのはちょっと違うのではないかと思われます。 たとえば、先生の「教育論」などを読んでいると、 「学校教育は惰性の強い制度であり、社会の変化に即応すべきではない。変化しないことこそが教育の社会的機能なのである」というフレーズをよく目にいたします。こういう先生の「教育」についての知見は明らかに「保守的な」考え方ですよね。 そうしているうちに先日、 中島岳志さんが書いた『「リベラル保守」宣言』という本を

                                                                • 有事のシグナルは“米軍基地撤収” アメリカが描く日本切り捨ての代理戦争シナリオ | AERA dot. (アエラドット)

                                                                  日米合同軍事演習(写真:UPI/アフロ) 2023年、台湾有事の声が高まりアメリカと中国の覇権闘争が激化。「2022年12月に岸田政権が閣議決定した新しい安保関連3文書はアメリカとの綿密な擦り合わせのもとに出てきたことは確実」と政治学者の白井聡氏は言う。核攻撃のリスクも浮上し、日本では限りなく戦時中に近い緊張感が漂っている。同氏と哲学者・内田樹氏の新著『新しい戦前 この国の“いま”を読み解く』(朝日新書)では、台湾有事における今後のアメリカの対応が議論されている。同著から一部を抜粋、再編集し、紹介する。 【写真】台湾有事に備える台湾軍の様子はこちら *  *  * 敵基地攻撃能力の実像 白井聡(以下、白井):まず、アメリカは台湾有事でどうするのかという議論を深めましょう。アメリカはいろいろな可能性を検討し、必要な時に必要なシナリオを選べるように事前に仕込んでおくということをする国だと思うの

                                                                    有事のシグナルは“米軍基地撤収” アメリカが描く日本切り捨ての代理戦争シナリオ | AERA dot. (アエラドット)
                                                                  • 改憲はできないと思う理由 - 内田樹の研究室

                                                                    政治学者の白井聡さんと対談した時に改憲の話になった。自民党は「やるやる」と言い続けるだけで、本気でやる気はないという結論に落ち着いた。 国会での発議は可能だが、国民投票で過半数をとれるかどうか確信が持てないからである。 国民投票で否決されたら、自民党はほとんど党の存在理由を否定されたことになる。それではリスクが高すぎる。 それより「やるやる」と言うだけ言って、改憲派の支持層を固めておいて、それを選挙で利用するだけにしていた方が政権維持には有利である。 事実そうやって自民党は国政選挙で勝ち続けている。 だが、それは所詮は小選挙区制のマジックのおかげである。有権者の50%が棄権し、野党が候補者の一本化ができない現状が続く限り、20%ほどのコアな支持層を確保しているだけで自民党は永遠に政権の座にあることができる。 だが、国民投票ではそうはゆかない。選択肢が「賛成か反対か」の二者択一だからだ。「野

                                                                    • 「夜もすがら 物思ふ頃は 明けやらで」 俊恵法師 鴨長明の師でもあった - 安心感の研究 by 暖淡堂

                                                                      百人一首第85番目の歌の作者は俊恵法師しゅんえほうしです。 東大寺の僧にして、歌人でもありました。 今回は俊恵法師について紹介します。 俊恵法師とは 生年は1113年、没年は1191年。 父は源俊頼(百人一首74番の歌人)です。 dantandho.hatenadiary.com 出家後、白河にあった自房を歌林苑と名付け、そこで盛んに歌会や歌合を行いました。 また俊恵法師は鴨長明の師としても知られています。 sirdaizine.com 俊恵法師が自らの歌林苑で歌合を行っていた頃は、次第に平家の権勢が頂点を極めていった時期。 時代の大きな変わり目を生きながら、歌道を極めていったということでしょう。 百人一首に選ばれている歌は、女性の視点で書かれたものですね。 歌道に打ち込んだ達人による一首。 時代背景 鴨長明の名前が出てきました。 「方丈記」の作者ですね。 この「方丈記」で書かれている時代

                                                                        「夜もすがら 物思ふ頃は 明けやらで」 俊恵法師 鴨長明の師でもあった - 安心感の研究 by 暖淡堂
                                                                      • 反ユダヤ主義を克服できなかったユダヤ人国家イスラエル(パレスチナとイスラエルの戦争に関する時事解説) - 夢現抄

                                                                        はじめに 2023年10月7日、パレスチナ武装勢力の攻撃により、イスラエルとパレスチナの武力衝突が始まりました。真に残念ながら双方に多数の死傷者が出ており、これ以上の犠牲者が出る前に、双方が早期に戦闘を終えることを強く望みます。 本稿は、なぜ西アジアにユダヤ人の国民国家イスラエルが建国されたのか、そしてイスラエルが建国されたことが、ユダヤ人にとってどのような歪みをもたらしているのかについて論じるものです。その意味で、本稿は「パレスチナ抜きのパレスチナ問題」の解説となります。不十分であることを恥じつつ、このような方向からの時事解説は余りないと思うため、空隙を埋めることに寄与すれば望外の幸いです。 はじめに 本稿の概要 1.ユダヤ人差別に反対する思想としてのシオニズム 2.欧州における反ユダヤ主義の歴史 なぜ右翼のシオニズムが勝利したか 2-1.キリスト教における反ユダヤ主義 2-2.右翼陰謀

                                                                          反ユダヤ主義を克服できなかったユダヤ人国家イスラエル(パレスチナとイスラエルの戦争に関する時事解説) - 夢現抄
                                                                        • 大阪万博は中止すべきだ - 内田樹の研究室

                                                                          大阪・関西万博のための政府支出の「全体像」を政府が示した。インフラ整備費に8390億円、会場建設費などの直接経費に1647億円(会場建設費783億円、日本館関連360億円、途上国支援240億円、警備費199億円、万博の機運醸成38億円、誘致費用27億円など)。この他、間接的インフラ整備費約9兆円、各府省の事業費3.4兆円が示された。正気の沙汰とは思われない。 半年だけ開催される「お祭り」に10兆を超える公金が投じられる。万博の経済波及効果は当初は6兆円超と言われていたが、だんだん縮んで2兆円になり、それも言われなくなった。その一方で、桁外れの税金がこの「高い可能性で失敗が予測されているイベント」に注ぎ込まれている。繰り返し言うが、正気の沙汰とは思われない。 だいたい「機運醸成38億円」とは何か。その費目の存在そのものが開催まで500日を切ったがまったく機運が盛り上がらない現実をはしなくも露

                                                                          • 早わかり加速主義: ポスト・インターネット状況下の小説(春海水亭、佐織えり、quiet)|Bandit Magazine

                                                                            Chat GPTが話題になった2023年、私たちはどんなに難しい論文もその要約によってファストに理解することが可能になっている。長文や難文が要約によって「早わかり」されることが当たり前になった現在、剥き出しの結末によって物語を「早わかり」させることに特化したポスト・インターネット状況下のウェブ小説は私たちにどんな認知をもたらすのか。江永泉は、加速主義を鍵概念としてポスト・インターネット下に流通する情動を剔出する。 (執筆・江永泉) 1. 加速主義とは何か。様々な説明ができるが、ここでは次のような一節の参照から始めたい。ある座談の中での、仲山ひふみの発言である。 当初はイギリスのクラブミュージックとも密接なつながりを持ったインターネット上のサブカルチャーとして、まさに加速した状態から始まった 千葉雅也ほか「加速主義の政治的可能性と哲学的射程」 『現代思想 特集=加速主義』2019年6月号、p

                                                                              早わかり加速主義: ポスト・インターネット状況下の小説(春海水亭、佐織えり、quiet)|Bandit Magazine
                                                                            • 文化資本議論の推移

                                                                              文化資本。 この言葉はフランスのピエールという社会学者が提唱した概念らしいが、 最近のネットinJAPAN feat.はてなでは 「東京は文化資本が豊富だと自慢する東京人の傲慢さ」 「地方にも素晴らしい文化資本があり、東京と差がないどころか優位性がある」 みたいな話がよく上がってくるのを見かける。 けど、この話ってちょっと前までは「地方民が東京との文化資本格差を嘆く」って構図だったはずでは…? そう思って試しにはてブでざっと検索してみた。 日本で文化資本の研究が盛んになったのは90年代頃からのようだが、 2010年代以前には内田樹がブログで使ってるのがよくヒットするものの、まだ一般に広まってるワードとは言えなかったようだ。 また、この頃はあくまで単語として出てくるだけでそれ自体をテーマとしているわけではなく、都市部と地方の地域間格差などについても特に触れられてはいない。 そこから2010年

                                                                                文化資本議論の推移
                                                                              • マイケル・サンデル 著『実力も運のうち』より。能力主義は正義ではない。 - 田舎教師ときどき都会教師

                                                                                GDPの規模と配分のみを関心事とする政治経済理論は、労働の尊厳をむしばみ、市民生活を貧しくする。ロバート・F・ケネディはそれを理解していた。「仲間意識、コミュニティ、愛国心の共有 ―― われわれの文明のこうした本質的価値は、ただ一緒に財を買い、消費することから生まれるのではありません」。その価値観を生むのはむしろ「十分な給料が支払われる尊厳ある職です。働く人が『自分はこの国をつくるのに手を貸した。この国の公共の冒険的大事業に参加した』と、コミュニティや、家族や、国や、それに何よりも自分自身に向かって言えるような職なのです。 そのように語る政治家は、いまではほとんどいない。ロバート・F・ケネディ以降何十年も、進歩派の大半はコミュニティや愛国心や労働の尊厳をうたう政治を放棄し、代わりに出世のレトリックを駆使してきた。 (マイケル・サンデル『実力も運のうち』ハヤカワ文庫、2023) おはようござ

                                                                                  マイケル・サンデル 著『実力も運のうち』より。能力主義は正義ではない。 - 田舎教師ときどき都会教師
                                                                                • 「教授とは社会を見るまなざし、文化を見るまなざしでつながることができた」後藤正文が語る、社会に生きる人間としての自分と坂本龍一 | TURN

                                                                                  「教授とは社会を見るまなざし、文化を見るまなざしでつながることができた」 後藤正文が語る、社会に生きる人間としての自分と坂本龍一 後藤正文が初めて本名名義でのアルバム『Recent Report I』を発表した。ASIAN KUNG-FU GENERATIONでもGotchでもなく、ただ、後藤正文として。だが、その作品を耳にすれば、これを何も纏わない自身の名前で制作する必要があったことに気づくだろう。そのくらいプライヴェートなアルバムであり、現代に生きる個人の想いがそのまま音に反映された作品だ。 ここには歌もなければメロディもない。リズムやビートもない。一般的な概念としてのポップス、ロック的な形式やスタイルもない。自らフィールド・レコーディングを重ねて収集した音のカケラを取り込みながらスタジオに籠ってたった一人で制作したという今作は、強いて言えば、いわゆるドローン作品、あるいはアンビエント

                                                                                    「教授とは社会を見るまなざし、文化を見るまなざしでつながることができた」後藤正文が語る、社会に生きる人間としての自分と坂本龍一 | TURN