オレゴン州中央部に広がる大規模な砂丘の生態系が、フランク・ハーバートが1965年に発表した小説『デューン』のテーマにインスピレーションを与えた。(PHOTOGRAPH BY CHRISTIAN HEEB, LAIF/REDUX) ヨルダンのワディ・ラム砂漠やアフリカ南部のナミブ砂漠の象徴的な風景は、フランク・ハーバートが1965年に発表したSF大作『デューン 砂の惑星』に登場する架空の惑星アラキスにインスピレーションを与えたものとして長い間称えられてきた。しかし、ハーバートの想像力の本当の源は、より身近な米オレゴン・コーストの霧深い海岸沿いにあった。 オレゴン州の大部分は、岩だらけの岬や霧に覆われた森、そして降り続ける雨に象徴されるように、アラキスの荒涼とした砂漠風景よりも、むしろアトレイデス家が先祖代々統治している惑星カラダンの緑豊かな海の世界に似ている。しかし、海岸沿いの中央部には別世