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  • 映画『オッペンハイマー』に対する渡辺謙、落合陽一、元広島市長ら22名のコメント公開 | NiEW(ニュー)

    3月29日(金)より全国公開される映画『オッペンハイマー』(原題:Oppenheimer)を一足先に鑑賞した各界の著名人ら22名によるコメントが公開された。 同作は、第二次世界大戦下、原子爆弾を開発したアメリカの物理学者ロバート・オッペンハイマーの栄光と没落の生涯を実話にもとづき描いた物語。クリストファー・ノーランが監督、キリアン・マーフィーが主演を務め、日本時間3月11日(月)に発表された『第96回アカデミー賞』では最多となる7部門を受賞した。 コメントは日本版予告のナレーションを担当した俳優・渡辺謙のほか、白石和彌、樋口真嗣、原田眞人、森達也といった多くの映画監督が寄稿。『ゴジラ-1.0』で監督を務めた山崎貴はコメントに加え、クリストファー・ノーランとのアカデミー賞受賞監督同士による対談映像も公開されている。 このほかにも計算機科学者の落合陽一、物理学者の橋本幸士、『この世界の片隅に』

      映画『オッペンハイマー』に対する渡辺謙、落合陽一、元広島市長ら22名のコメント公開 | NiEW(ニュー)
    • 鴻巣友季子の文学潮流(第5回) 映画「バービー」は日本でうけてる? 「死」と「不安」のダブルミーニングを読み解く|好書好日

      自分ツッコミにあふれた世界 グレタ・ガーウィグ監督、マーゴット・ロビー主演の映画「バービー」(マテル・フィルムズ制作)が日本でも公開された。玩具メーカー・マテル社が1959年から販売してきたドールを実写化した映画で、バービーたちが暮らすバービーランドには明るいピンクの街並みが広がり、おしゃれな装いの有能な女性たちが闊歩する。しかしその表層的意匠とは裏腹に、生きること死ぬことの意味をめぐり実存主義的な問いかけをも擁した作品だ。 「世界的大ヒット」と銘打たれているが、日本の興行成績はそこまでではなさそうだ。まず、原爆の父を描いた映画「オッペンハイマー」と「バービー」をかけ合わせた、きのこ雲を使ったコラージュ画像に米国公式アカウントが好意的なリプライを付けたことがイメージダウンにいくらか荷担した感は否めないのだが、コメディ映画なのにゲラゲラ笑って観ている人が少ないのではないか? 私は東京近県のシ

        鴻巣友季子の文学潮流(第5回) 映画「バービー」は日本でうけてる? 「死」と「不安」のダブルミーニングを読み解く|好書好日
      • 2023年に見ていたアニメ - Close To The Wall

        毎年のやつだけど、2022年の記事の文字数が9万5000字を超えてしまい、書く方も大変だけど読む方も厳しいだろうしさすがに反省したので今年は各項目をできるだけ短くするよう心掛けた。去年は一作5000字とか4000字とかあったけど今年は一作1000字台で収めております。そうして減らしたのに今年は異様にアニメ本数が多く、取り上げる作品数も増えたため結局分量を減らせなかったどころか1万字増えてしまった。週に何本見ているかを毎クール数えているけれど、冬で週に50本を超えたのは初めてだし秋にも50を超え、週ごとアニメ視聴本数の4クール総計は187で、去年の154の二割増しでかなり増えている。去年はとりあえず項目を立てたのが計93作で今年は概ね毎期30近くで計111。減ったけど減ってない。なんたる。 2023年アニメ10選 冬クール(1-3月) 人間不信の冒険者たちが世界を救うようです もういっぽん!

          2023年に見ていたアニメ - Close To The Wall
        • 問題作『オッペンハイマー』はなぜ"傑作"なのか…「直視できないほどの悲惨さ」伝えるワンシーンの凄み | PRESIDENT WOMAN Online(プレジデント ウーマン オンライン)

          映画『オッペンハイマー』がついに日本公開された。原爆を開発した物理学者の半生を描いた作品だ。本作での原爆投下の描き方に賛否が集まるなか、映画監督の森達也さんは「オッペンハイマーは原爆投下後の広島と長崎の映像を直視できない、そんな弱い人間として描かれる。だからこそ僕たちは、それがどれほどの惨状であるかを間接的に想起できる」という――。 対立しているようで、微妙に違う 今年3月12日、広島在住の高校生や大学生ら約110人を招待して、日本では初めての『オッペンハイマー』一般向け試写会が、被爆地である広島市の映画館で開催された。 上映後には平岡敬たかし元広島市長と詩人のアーサー・ビナード、そして僕がステージに上がり、映画の感想を述べてから、観客からの質問にも答えた。 これを伝える多くのメディアでは、平岡元市長の「核兵器の恐ろしさが十分に描かれていないと思った」をまずとりあげ、これに対して僕が言った

            問題作『オッペンハイマー』はなぜ"傑作"なのか…「直視できないほどの悲惨さ」伝えるワンシーンの凄み | PRESIDENT WOMAN Online(プレジデント ウーマン オンライン)
          • ♯3:ピッチフォーク買収騒ぎについて | ele-king

            音楽メディアにおける批評の時代は終わり、いまは「ファンダム」(ファン文化)の時代だそうだ。言葉の使い道は賞賛のためか、さもなければ人気者にぶらさがって、売れているものがどうして売れている(=どうして成功している)のかを分析し解説すること──ではないようだ。要するに、ファンダムこそが音楽の販売促進の有力な機動力で、アーティストにとってもレーベルにとっても必要なのはファンダムであると、そういう話だと。この解釈で合っていたら、なるほどそりゃそうだと思う。が、しかし音楽文化はそれだけでは語れない、より複雑なものなのだ。およそ1世紀前にアイシュタインが解読した宇宙空間のように。 去る1月、コンデナストによる『ピッチフォーク』の『GQ』への吸収が欧米で話題になった。『ニューヨーク・タイムス』から『ガーディアン』といった大手メディアが大きく記事にしているくらいだからこれはひとつの事件といっていいだろうし

              ♯3:ピッチフォーク買収騒ぎについて | ele-king
            • ChatGPTのミスを見つけるためのGPT-4ベースのモデル「CriticGPT」が開発される

              OpenAIが、ChatGPTの誤りを検出するAIモデル「CriticGPT」を開発したことを発表しました。CriticGPTはChatGPTと同じくGPT-4をベースに開発されているそうです。 Finding GPT-4’s mistakes with GPT-4 | OpenAI https://openai.com/index/finding-gpt4s-mistakes-with-gpt-4/ ChatGPTなどのチャットAIを使うと、少ない操作でコードを生成したり長文を作成したりできます。しかし、チャットAIが生成するコードや文章には誤りが含まれることも多く、「ChatGPTで生成したコードをそのまま使った結果、バグが存在しており実害を被った」という報告も存在しています。 ChatGPTが生成したコードのバグを見落としたせいで150万円以上の損失を被った失敗談 - GIGAZIN

                ChatGPTのミスを見つけるためのGPT-4ベースのモデル「CriticGPT」が開発される
              • ホックニーとポピュリズム。東京都現代美術館「デイヴィッド・ホックニー展」レビュー(評:梅津庸一)

                2023年でもっとも注目を集める展覧会のひとつ、「デイヴィッド・ホックニー展」が東京都現代美術館で11月5日まで開催されている。60年以上にわたり、絵画、ドローイング、版画、写真、舞台芸術といった分野で多彩な作品を発表してきたホックニー。誰もが認める巨匠の作品を目の前に、美術家の梅津庸一は何を考えたか。画家としてのホックニーの手法、そして「美術の魔法」が解けた現代の美術を取り囲む諸種の事情を交 錯的に読み解く。【Tokyo Art Beat】 ※画像の無断複製・転載・流用禁止 *展覧会レポートはこちら 前置きとして、「展覧会レビュー」を取り巻く状況を考えるTokyo Art Beatからデイヴィッド・ホックニー展の展覧会レビュー依頼があり一瞬戸惑った。というのも僕は久しく「展覧会レビュー」を書いていなかったからだ。ちなみに僕がホックニー展の内覧会を見に行った7月14日は宮﨑駿監督の映画『君

                  ホックニーとポピュリズム。東京都現代美術館「デイヴィッド・ホックニー展」レビュー(評:梅津庸一)
                • 表現をする上での『覚悟』という言葉の意味について - orangestarの雑記

                  amamako.hateblo.jp 昨日の記事(新海誠男同人誌についてと女子界隈についてと文春と犬笛と正義の味方について - orangestarの雑記)について、(id:amamako)さんから返信を頂きました。 おっしゃる通りです。言葉もない。 自分のその記事のはてブにも書いてますが、あの記事も、『お気持ち表明』に他ならないわけです。 しかし実際は、まさしく小島氏こそが、自分が傷つけられないことが多い特権性を利用して、「配慮したら負け」というねじれたマッチョイズムを内包し、それによって「強者が弱者を傷つける社会」を擁護し、嫌な社会が再生産している存在なのです。 「本当に嫌だ」と嘆くなら。まずはその自分自身のなかにこそある嫌な部分を、改善しようともがくべきだと、思います。 頑張ります。精いっぱいもがいてみようと思います。 ただ、ひとつだけ、表現をする上での『覚悟』の意味について。 自分

                    表現をする上での『覚悟』という言葉の意味について - orangestarの雑記
                  • 【ネタバレ】超個人的シャニアニお気持ち感想文|瑞龍

                    記事の中で映画、ゲーム、漫画などのネタバレが含まれているかもしれません。気になるかたは注意してお読みください。 注意・ド派手にネタバレです。 ・ネガ寄りのネガなお気持ちが多分にひしめいています。 ・筆者はシャニマス有識者ではないしアニメ評論家でもありません。 ・独断と偏見に塗れています。 ・罵詈雑言が飛び出します。 はじめにシャニマス5thライブDay2、現地にいた。 公演が終了し、照明が落ちた後にデュワーンと音が鳴りProject im@sのロゴが映され、アニメPVが流れる。 まさに夢想していた完璧なアニメ化発表だった。 けれど、二点だけ物凄く気になることがあった。 「ん? 3DCG??」 「ん?? ポリゴン・ピクチュアズ???」 杞憂になれば、よかったんだけどなぁ。 と、いうわけで。 アニメ「アイドルマスター シャイニーカラーズ」先行上映全3章を無事に見終えたので満を持してお気持ちを表

                      【ネタバレ】超個人的シャニアニお気持ち感想文|瑞龍
                    • キングオブコント2023 |岩崎う大(かもめんたる)

                      今年のキングオブコントも、無事に終わりました。サルゴリラ本当におめでとう!今年僕は、U-NEXTさんのキングオブコメント2023で何組かに対してインタビューをさせていただきました。サルゴリラにもインタビューしてるんでぜひ観てみてください。いやあ、またまた今年もレベルの高い大会でしたね。 いきなり例えますが、コントを戦士として見た場合、武器と筋力のバランスが大事だなと思いました。武器は設定・テーマ、筋力は表現力・演技力といった感じです。カゲヤマなんかは、変わった武器に変わった筋力の彼らにしかできないネタでそれが素晴らしかったです。武器の素晴らしさが突出してしまうと逆に筋力の貧弱さが目立ってしまったり、弱そうな武器だからこそその筋力のたくましさが目立ったり、さらに逆にそんな筋力で振り回したら、せっかくの武器が壊れちゃうよっていう場面もあったり、バランスが大事だと思ったりしました。 ということで

                        キングオブコント2023 |岩崎う大(かもめんたる)
                      • 『なぜ美』と『近代美学入門』への補足 - logical cypher scape2

                        井奥陽子『近代美学入門』 - logical cypher scape2のブクマが急速に伸びている。本ブログのTOP3に入ってきた。 https://hatenablog.com/ に載ったので多分そのせいだと思う。普段、見かけないidからのブクマが多いし。 (なお、ブクマが増えるとブログを書いている身としては単純に嬉しいが、伸びるかどうかはわりと偶然の産物でしかないことも分かっている) それはそれでいいとして、同日にデビット・ライスさんがやはり同書を取り上げた記事を書いているのに気付いた。 ここから直接アクセス流入しているわけではないが、はてなブックマークのホットエントリに並んだので相乗効果はあったのかもしれない。 タイトルにあるとおり、『近代美学入門』だけでなく『なぜ美を気にかけるのか』も一緒に扱われている。 『なぜ美』の方は、当ブログでは以下で取り上げた。 さて、ライスさんの記事は、

                          『なぜ美』と『近代美学入門』への補足 - logical cypher scape2
                        • 『天国 ゴトウユキコ短編集』双葉社 2023年 ジャンルについて(1)【夏目房之介のマンガ与太話 その22】 | マンバ通信

                          今回は『天国 ゴトウユキコ短編集』【図1】を取り上げてみたい。すでに活躍している作家で、ちょっと怖い作品や人の闇を扱うような作品も描いているようだ。が、申し訳ないが、私はこの本で初めて読ませていただく。版元から送ってもらったのだ。 『天国 ゴトウユキコ短編集』 表紙を飾る少女の絵が、この作家の資質を示している。ピュアな少女の表情をサラッと描いているように見える。しかし、どこを見ているのかわからない二つの瞳の微妙な位置関係、小さな鼻に慎重に描かれた鼻の穴、唇の位置や繊細に引かれた線、淡い彩色の気遣いなど、とても注意深く表情を描き込んでいる。この本を手に取る人は、そんなことまで考えないだろうが、無意識にそうした繊細さを受け取っているはずだ。漫画読者であれば、初見でもそうした無意識の印象で、ある種の「期待」をもって手にとるかもしれない。 『天国までひとっとび』『2月14日の思い出』『家庭教師』

                            『天国 ゴトウユキコ短編集』双葉社 2023年 ジャンルについて(1)【夏目房之介のマンガ与太話 その22】 | マンバ通信
                          • 【翻訳が出ました】ロペス、ナナイ、リグル『なぜ美を気にかけるのか:感性的生活からの哲学入門』 - 昆虫亀

                            翻訳が出ました。 ドミニク・マカイヴァー・ロペス、ベンス・ナナイ、ニック・リグル著 『なぜ美を気にかけるのか:感性的生活からの哲学入門』 森功次訳、勁草書房、2023年 なぜ美を気にかけるのか: 感性的生活からの哲学入門 作者:ドミニク・マカイヴァー・ロペス,ベンス・ナナイ,ニック・リグル 勁草書房 Amazon 原著はDominic McIver Lopes, Bence Nanay, Nick Riggle. Aesthetic Life and Why It Matters, Oxford University Press, 2022 (原著刊行の翌年に翻訳刊行です。早い!) ステッカー『分析美学入門』、キャロル『批評について』に続く、3冊目の翻訳です。よろしくお願いします。 ジュンク堂池袋本店では「1階話題書アカデミック塔」のところにも並べれられているそうです。ありがたい。 以下、

                              【翻訳が出ました】ロペス、ナナイ、リグル『なぜ美を気にかけるのか:感性的生活からの哲学入門』 - 昆虫亀
                            • 学生のあいだで「批評」が人気な理由を聞いてみた(ペシミ×キュアロ対談)|インターネット退屈日記

                              ※本記事は、マガジン「変なサークル学会 調査報」の四本目として寄稿した記事である。 若者の「批評」離れが叫ばれて久しい。ライター稲田豊史は「若者たちが評論をあまり読まない」(注1)と指摘し、批評家・東浩紀は「言論人や批評家にかつての存在感はない」(注2)とまで言い切っている。 しかし、そのような時代にあっても、批評をする大学生たちがいる。いや、むしろ盛り上がっているようにさえみえるのだ。というのも、ここ数年で驚くほど多くの評論系の雑誌制作サークルが爆誕しているからだ。どのくらい多いかというと、とにかくこれを見てほしい。 2021年以降に設立された23団体の主催者アンケートから作成。詳しい制作過程は後日公開予定の「取材後記」で。つ、つ、つかれた.。この図を作るためにどれだけ頑張ったか...。い、いや、そんなことはどうでも良いのだ。とにかくここで知っていただきたいのは、2021年以降、すなわち

                                学生のあいだで「批評」が人気な理由を聞いてみた(ペシミ×キュアロ対談)|インターネット退屈日記
                              • 「競争中毒」をやめる方法 - 集英社新書プラス

                                発売以来各書店やSNS大きな反響を呼び、15万部の大ベストセラーとなった『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』。著者の三宅香帆氏が同書で提起したのは、日本社会における「全身全霊」信仰だった。 本記事では全身全霊でビジネス書を作ってきたが現在は「燃え尽きている」編集者の箕輪厚介氏と三宅氏が対談。2人の対話を通して、仕事や競争以外のモチベーションの見つけ方を考える。 『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』(集英社新書) 「表現」は救いにならない? 三宅 『かすり傷も痛かった』で印象的だったのが、「人は競争から本当に逃れられるんだろうか?」という問いでした。 箕輪     本気で相談していいですか。 三宅     はい。 箕輪     僕にとってみれば、競争のために頑張ることより、むしろ脱競争の方が、辛い道なんですよ。 三宅 うわあ、その感じ、わかるかも。 箕輪 『かすり傷も痛かった』を書い

                                  「競争中毒」をやめる方法 - 集英社新書プラス
                                • 暇だったからアクナイの孤星を動画消費したけど全然刺さらんかった

                                  やっぱね「俺のやってるスマホゲームが今凄いことになってるからお前らもやろうぜ!」は信じちゃ駄目なんだな。 正直俺も薦めてきた奴に「漫画だけは先に読んでおけよ」って言われたからかろうじてついていけたが、これマジで新規がアニメの知識だけでこのイベクリアしても全然面白くなかったと思う。 ぶっちゃけこれは「三体」では全くない。 宇宙の謎や生命の本質にも迫ってない。 ライン生命に集った超インテリ達のしんみりしたサブストーリーのクライマックス以上でも以下でもなかった。 一見すると物語の核心に迫っているように見える要素は実際には壮大な思わせぶりだ(俺もアクナイ最初の3ヶ月ぐらいやってたのこれがいつもの「ケルシーポエム」の一種なのが理解るんだが、それすら知らんド新規がいきなり見たらなんか凄いことやってるようで結局謎が解けずに終わるのはノイズでしかないだろ) ぶっちゃけアクナイずっとやってた人にとって孤星は

                                    暇だったからアクナイの孤星を動画消費したけど全然刺さらんかった
                                  • 「おもしろい」ってなんなんだろう?

                                    おれはあるテレビ番組を見て、「おもしろいってなんなんだろう?」と深く思った。なにを見たのか? 漫才師の日本一を決めるM-1グランプリか。いや、違う。日本で一番すべっている芸人を決めるS-1グランプリだ。 S-1グランプリは、テレビ番組「水曜日のダウンタウン」の企画だ。 地下芸人に詳しい売れっ子が、それぞれに「一番おもしろくない」と考える芸人を推薦し、戦わせる。 架空の「S(シングル)-1」というピン芸人の大会だと思わせ、その実は「S(スベリ)-1」というわけだ。 トーナメント式で戦い、より「ウケなかった」方が勝ち上がる。参加芸人はもちろん、お客さんもそのことは知らない。勝ち抜いた人間が一番つまらないということになる。 あまりにも残酷な企画であるとは言えるが「芸人は名前が知られてなんぼ」という視点からすれば、ほとんど日の当たっていない、無名の芸人が、人気テレビ番組に出られる。 「逆に」おもし

                                      「おもしろい」ってなんなんだろう?
                                    • 『24/4/20 ダンジョン飯の感想 なぜファリンを蘇生したのは黒魔術なのか? - LWのサイゼリヤ』へのコメント

                                      ブックマークしました ここにツイート内容が記載されます https://b.hatena.ne.jp/URLはspanで囲んでください Twitterで共有

                                        『24/4/20 ダンジョン飯の感想 なぜファリンを蘇生したのは黒魔術なのか? - LWのサイゼリヤ』へのコメント
                                      • 彼女は何を見ているのかーひとつの濱口竜介論|佐々木敦

                                        『この映画を視ているのは誰か?』(作品社、2019年)収録。初稿なので単行本とは若干異同があるかもしれません。 まぶただけ開いてまだ眠ったままの目が、一瞬、見えた。それからすぐに、目は暗闇を見て、わたしを見た。良介は筋肉の反射反応のように素早く強く目をぎゅっと閉じて、それからまた開けて、わたしの両手に包まれたその顔からわたしを見た。 柴崎友香「寝ても覚めても」 したがって、見つめ合う二つの瞳に対して、映画はいつも敗北しつづけるほかはない。 蓮實重彦『監督 小津安二郎』 I 濱口竜介監督の映画『寝ても覚めても』には原作がある。そんなことはもちろん知っている、とあなたは言うだろう。ならばすぐさまこう続けよう。この映画の原作は、実は二つあるのだ。より精確に言えば、ひとつはごく真っ当な意味でのいわゆる「原作」だが(しかしその原作と映画との関係は通常のそれとはかなり異なっている)、もうひとつの方は、

                                          彼女は何を見ているのかーひとつの濱口竜介論|佐々木敦
                                        • 新入社員を迎えるにあたって「ソフト老害」にならないために “人間関係作りが下手な人”の特徴と、部下育成の心得

                                          4月の新入社員受け入れを控える人事担当者などに向け、一般社団法人日本アンガーマネジメント協会の代表理事・安藤俊介氏が「企業で生きるために必要なアンガーマネジメントスキル」について解説します。本記事では、人間関係作りが上手な人・下手な人の違いを元に、これから新入社員を迎えるにあたって大切なマインドについて語りました。 昨今、話題になっている「ソフト老害」「マイルド老害」 安藤俊介氏:みなさま、こんにちは。今日は当会のセミナーにご参加いただき誠にありがとうございます。これから新人の方が入って来られて、新人研修が始まります。「今年はどんな新人が入ってくるかな?」と期待したり、逆に不安があったり、どちらもお持ちだと思うんですね。 ここ1~2年、ハラスメントという言葉が非常に聞かれるようになりました。それはすごくいいことではある一方で、「ハラスメントを気にするばかりに、部下に対する指導が難しくなって

                                            新入社員を迎えるにあたって「ソフト老害」にならないために “人間関係作りが下手な人”の特徴と、部下育成の心得
                                          • 瀧波ユカリ『わたしたちは無痛恋愛がしたい』4 - 紙屋研究所

                                            瀧波ユカリ『わたしたちは無痛恋愛がしたい』はサブタイトルが「鍵垢女子と星屑男子とフェミおじさん」であるように、鍵垢で自分のホンネをつぶやく女性の主人公(鍵垢女子)、その主人公を都合のいいときにヤレる相手としてのみ見て、見栄えや体裁だけを気にするキラキラしたクズ(星屑男子)、女性を決して雑に扱わない態度が徹底している中高年男性(フェミおじさん)などが織りなす物語である。 わたしたちは無痛恋愛がしたい ~鍵垢女子と星屑男子とフェミおじさん~(1) (&Sofaコミックス) 作者:瀧波ユカリ 講談社 Amazon 4巻は、主人公みなみの友人である女性・うずらに焦点をあてている。 わたしたちは無痛恋愛がしたい ~鍵垢女子と星屑男子とフェミおじさん~(4) (&Sofaコミックス) 作者:瀧波ユカリ 講談社 Amazon うずらは、スタートアップ企業の社長をしている夫(清隆)からの「モラハラ」に悩ま

                                              瀧波ユカリ『わたしたちは無痛恋愛がしたい』4 - 紙屋研究所
                                            • 早わかり加速主義: ポスト・インターネット状況下の小説(春海水亭、佐織えり、quiet)|Bandit Magazine

                                              Chat GPTが話題になった2023年、私たちはどんなに難しい論文もその要約によってファストに理解することが可能になっている。長文や難文が要約によって「早わかり」されることが当たり前になった現在、剥き出しの結末によって物語を「早わかり」させることに特化したポスト・インターネット状況下のウェブ小説は私たちにどんな認知をもたらすのか。江永泉は、加速主義を鍵概念としてポスト・インターネット下に流通する情動を剔出する。 (執筆・江永泉) 1. 加速主義とは何か。様々な説明ができるが、ここでは次のような一節の参照から始めたい。ある座談の中での、仲山ひふみの発言である。 当初はイギリスのクラブミュージックとも密接なつながりを持ったインターネット上のサブカルチャーとして、まさに加速した状態から始まった 千葉雅也ほか「加速主義の政治的可能性と哲学的射程」 『現代思想 特集=加速主義』2019年6月号、p

                                                早わかり加速主義: ポスト・インターネット状況下の小説(春海水亭、佐織えり、quiet)|Bandit Magazine
                                              • 山口晃が説く、「サンサシオン」の重要性。「いつも照り輝くのはサンサシオン」

                                                山口晃が説く、「サンサシオン」の重要性。「いつも照り輝くのはサンサシオン」東京・銀座のアーティゾン美術館で開催中の「ジャム・セッション 石橋財団コレクション×山口晃 ここへきて やむに止まれぬ サンサシオン」。山口晃がセザンヌや雪舟などの作品、そして完全新作のインスタレーションを通して「サンサシオン」(感覚)の重要性を問いかけるこの展覧会について、キュレーターで東北芸術工科大学教員の小金沢智が迫る。 聞き手=小金沢智 構成=橋爪勇介(ウェブ版「美術手帖」編集長) 山口晃 撮影=稲葉真 サンサシオンから敷衍(ふえん)すること ──本展では山口さんの作品とともに、セザンヌや雪舟、黒田清輝、浅井忠らの作品が展示されています。なかでもセザンヌは重要な存在だと思いますが、展覧会タイトルにある「サンサシオン」はセザンヌも使っていた言葉であり、フランス語です。日本語では「感覚」ですが、本展では、展覧会名

                                                  山口晃が説く、「サンサシオン」の重要性。「いつも照り輝くのはサンサシオン」
                                                • 『ジャニーズ叩き』への批判に映画評論家が私見「ほとぼりが過ぎれば権力や影響力を強めていくことは必至」:中日スポーツ・東京中日スポーツ

                                                  小野寺さんはXで「弱ってる事務所をここぞとばかりに叩いてると指摘する人もいるけど、現実には、いまやっとみんなが問題に言及できるチャンスがまわってきたというのが正しいと思う」と指摘。「それ以前に事務所の犯罪を指摘すれば必ず圧力や忖度、裁判を起こされるなど、業界で仕事ができない状況に追い込まれていたわけだから」と続けた。 2日にジャニーズ事務所が開いた会見では「指名NG記者」のリストが作られていたことが判明している。この件に小野寺さんは「いまこの状況ですら、裏工作や隠蔽、記者やメディアのコントロールをおこなっていることからも分かる通り、ほとぼりが過ぎればまた元の状態に戻り権力や影響力を強めていくことは必至」と言及。「だからこそ、いま改善や権力の解体をしないとならないわけで。『弱ってる』だなんて意見はあまりに呑気過ぎる」と断じた。

                                                    『ジャニーズ叩き』への批判に映画評論家が私見「ほとぼりが過ぎれば権力や影響力を強めていくことは必至」:中日スポーツ・東京中日スポーツ
                                                  • 過去と未来を作り変えられる魔女になってどうする? 占い、時間、クィア、責任『The Cosmic Wheel Sisterhood』 - wezzy|ウェジー

                                                    2023.09.15 18:00 過去と未来を作り変えられる魔女になってどうする? 占い、時間、クィア、責任『The Cosmic Wheel Sisterhood』 クィアな過去を考えることは、時に困難を伴う。そこには歴史の断絶があるからだ。 クィアな自分に連なるクィアな誰かを歴史の中に探そうとする時には、文献を見つけることが難しく、またそもそも記録が残されていないことも多い。 大きな歴史だけではない。個人史の中でも、本人にとって過去は存在しない空白であったり、あるいは複数のバリエーションを持っているかもしれない。私にとっても、個人的な過去が空白と空想の合間にあるものに感じられることがある。 しかし、だからといって過去が瑣末なものなのではない。むしろ、過去へのつながりを考えたいからこそ、過去の断絶が際立って現れてくるのだ。クィアな過去を知ろうとするほど、クィアな存在の記録を抹消していく、

                                                      過去と未来を作り変えられる魔女になってどうする? 占い、時間、クィア、責任『The Cosmic Wheel Sisterhood』 - wezzy|ウェジー
                                                    • 在日朝鮮人作家の徐京植さん死去…「ディアスポラ」の多難な生涯を終えた

                                                      2019年8月、「ハンギョレ21」で開かれた対談に参加した徐京植さん=キム・ジンス記者//ハンギョレ新聞社 在日朝鮮人2世として故国の民主化運動にかかわっただけでなく、辺境人または離散者(ディアスポラ)として韓日両国に国家主義と植民主義を乗り越えることを求めてきた徐京植(ソ・ギョンシク)東京経済大学名誉教授が死去した。享年72。 19日午後、徐京植さんの家族は、徐教授が前日夕方、日本のある温泉で突然亡くなったと伝えた。徐京植さんの祖父は1928年に朝鮮から日本に渡り、本人は1951年に5人兄弟のうち4番目として生まれた。「在日朝鮮人としては比較的恵まれた」家庭で育ち、十分に教育を受けた徐京植さんは早稲田大学に進学してフランス文学を学んだ。 しかし、大学在学中の1971年、韓国に渡ってソウル大学に留学していた2人の兄、徐勝(ソ・スン)さんと徐俊植(ソ・ジュンシク)さんが、軍事政権がでっち上げ

                                                        在日朝鮮人作家の徐京植さん死去…「ディアスポラ」の多難な生涯を終えた
                                                      • 超映画批評『オッペンハイマー』80点(100点満点中)

                                                        『オッペンハイマー』80点(100点満点中) OPPENHEIMER 23年アメリカ 180分 2024/03/29公開 配給:ビターズ・エンド ユニバーサル映画 R15+ 監督:クリストファー・ノーラン 出演:キリアン・マーフィ エミリー・ブラント マット・デイモン ≪映画史に残る重要作≫ 2023年の北米市場で『バービー』と並んで興行収入を押し上げる要因となった大ヒット作『オッペンハイマー』は、日本人にとってデリケートな問題である原爆をSNSの気軽なネタにした映画会社およびそれへの対処ミスにより、日本市場では公開前から「要注意案件」として扱われてきた。 配給会社はどこも手を挙げず、結局興収1400億円を超える大ヒット作なのに23年中の公開はかなわず。それどころか日本公開未定が長く続く異常事態となった。 やがて炎上を恐れぬ会社ビターズ・エンドが引き受けたものの、さすがに原爆投下の8月(本

                                                        • ザ・ビートルズ「最後の新曲」は4人の友情の証 関係者が明かす「Now and Then」制作秘話 | Rolling Stone Japan(ローリングストーン ジャパン)

                                                          ザ・ビートルズ(The Beatles)「最後の新曲」こと「Now and Then」が本日11月2日23時(日本時間)に配信開始。11月10日には曲数を追加したベスト・アルバム『赤盤』『青盤』が2023エディションとして世界同時発売。ファブ・フォーからの永遠に色褪せることのないプレゼント、その制作背景を関係者の証言とともに掘り下げる。 デビューシングルの「Love Me Do」のリリースから60年、文字通り満を持して発表されるザ・ビートルズ最後の曲は、世界で最も愛されるバンドの物語の最終章を新たに書き換えるだろう。11月2日、ビートルズは最後の曲「Now and Then」を公開する。ジョン・レノンが作曲し、ピアノとボーカルを担当した同曲は、1977年に彼の自宅でレコーディングされた。ジョン以外の3人で臨んだ『Anthology』(1995年)のセッションで、ジョージ・ハリスンはギターパ

                                                            ザ・ビートルズ「最後の新曲」は4人の友情の証 関係者が明かす「Now and Then」制作秘話 | Rolling Stone Japan(ローリングストーン ジャパン)
                                                          • ある種のハグスプロイテーション映画~『ボーはおそれている』(試写) - Commentarius Saevus

                                                            アリ・アスター監督の新作『ボーはおそれている』を試写で見た。 www.youtube.com ボー(ホアキン・フェニックス)は母モナ(パティ・ルポーン)のところに帰省するつもりだったが、寝坊した上に自宅の鍵を盗まれて飛行機に乗れなくなる。その後受け取った母が異常死したという知らせに動転したボーは、いろいろあって事故にあってしまう。大けがをしたボーは医者一家の家で目覚めるが… 全体的にこれまでのアリ・アスター映画とは大きく異なり、ジャンル映画ではない…というか、精神分析みたいないかにもアートハウスっぽい映画である。何に似ているかというと、どっちかというとホラー映画よりはフェリーニの『8 1/2』みたいな、個人的体験をシュールに再構成して換骨奪胎した作品に似ている。笑えるところはけっこうあるし、ホアキン・フェニックスの演技は良いのだが、とにかく長いし、要らないところがけっこうある映画だと思った

                                                              ある種のハグスプロイテーション映画~『ボーはおそれている』(試写) - Commentarius Saevus
                                                            • 「都合のいい偶然だけ持って来い」 - シロクマの屑籠

                                                              偶然は、きらいですか。 - 犬だって言いたいことがあるのだ。 偶然はきらいですか、というブログタイトルを読んだ時、私は脊髄神経の早さでこう思った──「都合のいい偶然だけ持って来い」 あらゆるものを見通す弥勒菩薩の視点でみれば、この世には偶然はなく必然しかない。そういえば『HoLic』の侑子さんもそんなようなことを言っていた気がする。 しかし私たち人間は偶然に対して身構えることも、偶然をリスク回避の精神でマネジメントすることもできる。リンク先のいぬじんさんも、そうした偶然の管理に必ずしも否定的ではない。 簡単じゃないものを、できるだけ細かく分解して、なんとか制御してみようとする試みを否定する気はまったくない。 それが人類を発展させてきた。 一方で、よくわからないものを、よくわからないものとして扱って、その不確実性や偶然性を受け入れながら生きていくということも、同じくらい役に立つような気がする

                                                                「都合のいい偶然だけ持って来い」 - シロクマの屑籠
                                                              • 初の有料開催となった『文学フリマ東京38』会場レポ。第一回から今回までの歴史を振り返る | CINRA

                                                                文学フリマのことを“文芸フリマ”と言い間違えがちな知人がいる。文“学”というやや硬めの表現ではなく、やや柔らかめで、もっと広い領域を指していそうな“文芸”と呼びたくなる感覚は、わかる気がする。運営する側の一般社団法人文学フリマ事務局が「文学作品展示即売会」と表現するこのイベントは、年々規模を拡大し、日本各地で開催されるようになった過程で、意外に幅広い分野をあつかうようになったからだ。 5月19日に東京で38回目、全国通算で91回目となる『文学フリマ東京38』が開かれ、私も行ってきた。東京流通センターの会場には開場30分前に着いたが、すでに数百メートルの待機列ができている。定刻の正午より列が動き、間もなく入場してみると、12時台のうちは近年の開催ほどには混んでいないと感じた。 私は2002年にスタートした文学フリマに初期からしばしば訪れてきたが、コロナ禍での中止を経た直後の『第三十一回文学フ

                                                                  初の有料開催となった『文学フリマ東京38』会場レポ。第一回から今回までの歴史を振り返る | CINRA
                                                                • 「個性も華もないパッとしない子」だった朝ドラヒロインが…『あまちゃん』を“奇跡の一作”にした「のん」の神業とは《放送から10年》 | 文春オンライン

                                                                  NHKBSプレミアムで再放送されている、“朝ドラ”こと連続テレビ小説『あまちゃん』(脚本:宮藤官九郎)は、2013年の本放送から10年経ってもまったく色褪せていない。それどころか、10年後の現在を照射している気さえする。 例えば、主人公・アキ(のん 当時は能年玲奈)がアイドルになり、有名女優・鈴鹿ひろ美(薬師丸ひろ子)とダブル主演に抜擢された映画『潮騒のメモリー〜母娘の島』では、鈴鹿演じる母親役が疫病に倒れる。10年前は、東日本大震災で被害にあった東北を舞台にした応援ドラマの色が濃かったので、そこはスルーだった視聴者も多かったと思う。それが2023年の今、「疫病」と聞くと、ピクリと反応してしまう。自然災害や疫病や戦争は人類の歴史の中で繰り返し繰り返し起こっているのだと実感するなんて、まさに劇中歌である『潮騒のメモリー』の歌詞「寄せては返す波のように」である(ただし『あまちゃん』には戦争はな

                                                                    「個性も華もないパッとしない子」だった朝ドラヒロインが…『あまちゃん』を“奇跡の一作”にした「のん」の神業とは《放送から10年》 | 文春オンライン
                                                                  • 「エドワード・サイード ある批評家の残響」中井亜佐子さんインタビュー 研究・批評通じパレスチナを発信した生涯|好書好日

                                                                    中井亜佐子さん=家老芳美撮影 中井亜佐子(なかい・あさこ) 1966年生まれ。一橋大学大学院言語社会研究科教授。専門は英文学。オクスフォード大学博士課程修了(D.Phil.)。著書に、『日常の読書学――ジョゼフ・コンラッド『闇の奥』を読む』(小鳥遊書房、2023年)、『〈わたしたち〉の到来――英語圏モダニズムにおける歴史叙述とマニフェスト』(月曜社、2020年)、『他者の自伝――ポストコロニアル文学を読む』(研究社、2007年)など。翻訳に、ウェンディ・ブラウン『いかにして民主主義は失われていくのか――新自由主義の見えざる攻撃』(みすず書房、2017年)など。 アカデミズムと言論を行き来 ――中井さんがエドワード・サイードに関心を持った経緯を教えてください。 私は1990年代前半に大学院でジョゼフ・コンラッドという作家を研究していました。そこでサイードのコンラッド論を読んだのが最初でした。

                                                                      「エドワード・サイード ある批評家の残響」中井亜佐子さんインタビュー 研究・批評通じパレスチナを発信した生涯|好書好日
                                                                    • 多次元性新生児──古谷利裕の作品がゴミまたは糞であることの可能性|永瀬恭一 | 週末批評

                                                                      文:永瀬恭一 ゴミの居場所 わけのわからないものがある。少し見て、とりあえず異質であることは感じるのだが、それは、異質ではあるけれども美しい、のではない。とにかく異質なのであってその異質さはどこにも結びついていない。 素材はうすっぺらい紙で、切り口はまったく不器用に見え、技術的にとくに洗練されているとも思えない。しかしやけに入り組んでいて、一目では骨格をつかめない。折り紙のように、現実にある鶴や兜を模していたりもしない。言ってみれば抽象なのだけれども、では純粋に形式的な論理の展開だけでできているとも思えない。ここにはなにか、生理的で、感覚をざわつかせる、滑らかでないものがある。 わからない。なんどか見直してみて、繰り返し言うしかない。だけれども、僕はこの「わからなさ」に、たぶん、取り憑かれてしまっている。 わけのわからないもの、異質なものは、どこでどのように居場所を見つけられるのだろうか。

                                                                        多次元性新生児──古谷利裕の作品がゴミまたは糞であることの可能性|永瀬恭一 | 週末批評
                                                                      • アーカイヴブームで高値取引 「ガラパゴス的進化」したマルイ系ブランド

                                                                        「マルイ系」はどこからやってきたのか 「マルイ系」人気の源流は、2010年代に巻き起こったデザイナーズアーカイヴブームである。カニエ・ウェスト改めYeら人気ヒップホップミュージシャンが着用したことをきっかけに、デザイナーズブランドのアーカイヴアイテムが注目を集め、価格が高騰した。それまではデザイナーズブランドのアイテムは年を経る事に価格が落ちることがほとんどだったが、リーバイス501XXに代表されるヴィンテージ古着のように、年を経ても価格が落ちない、それどころかさらに価値を増すこともある、という価値観がデザイナーズブランドのアイテムにも生まれたのである。 デザイナーズアーカイヴブーム発生当初は、ラフ・シモンズやヘルムート・ラング、マルタン・マルジェラなどの、カリスマ的な人気を誇る欧米のデザイナーによる1990年代から2000年代のアイテムが人気を集めていた。また、「コム デ ギャルソン(C

                                                                          アーカイヴブームで高値取引 「ガラパゴス的進化」したマルイ系ブランド
                                                                        • わたしたちは「知外法権」にいる|文豪未満|岩井圭也

                                                                          岩井圭也『プリズン・ドクター』 幻冬舎plusで立ち読み・購入 Amazon 楽天ブックス 紀伊國屋書店 セブンネット 奨学金免除の為しぶしぶ刑務所の医者になった是永史郎。患者にナメられ助手に怒られ、憂鬱な日々を送る。そんなある日の夜、自殺を予告した受刑者が変死した。胸をかきむしった痕、覚せい剤の使用歴。これは自殺か、病死か?「朝までに死因を特定せよ!」所長命令を受け、史郎は美人研究員・有島に検査を依頼するが――手に汗握る医療ミステリ。 幻冬舎plusで立ち読み・購入 Amazon 楽天ブックス 紀伊國屋書店 セブンネット

                                                                            わたしたちは「知外法権」にいる|文豪未満|岩井圭也
                                                                          • 文学は永遠だと思っていた新人批評家時代:私の謎 柄谷行人回想録⑨|じんぶん堂

                                                                            記事:じんぶん堂企画室 批評家として活動を始めた頃の柄谷さん=本人提供 書籍情報はこちら ――1969年6月号の「群像」(講談社)に「〈意識〉と〈自然〉――漱石試論」が群像新人賞受賞作として掲載され、本格的に文芸批評家としての活動に入りますよね。ここからの数年間はいわゆる文芸批評をたくさん書かれています。1972年の第1評論集『畏怖する人間』には、「漱石試論」をはじめ1969年から1972年に発表された評論が収録されていますが、年譜によると受賞後最初に発表したのは、「群像」69年11月号の「江藤淳論」でした。江藤さんはどんな存在でしたか? 柄谷 やはり、批評家としていい仕事をしている先行者、という感じですね。僕はそれ以前に五月祭賞に応募した「思想はいかに可能か」で、吉本隆明、三島由紀夫、江藤淳の3人を、思想の基本的なあり方として示したんだけど、それくらい大きな存在として捉えていたのは確かで

                                                                              文学は永遠だと思っていた新人批評家時代:私の謎 柄谷行人回想録⑨|じんぶん堂
                                                                            • 奇病!精子爆発!?バーンブラッドザーメン - 玖足手帖-アニメブログ-

                                                                              この記事は京都市長選挙の告知記事です。 だが、僕は異常者なので異常選挙活動をするぞ。自分の話を一方的にするぞ!生理的に無理なブレイバーンのように! 前回までのあらすじ nuryouguda.hatenablog.com どうせ無職でヒマがあるし、ダイエットを兼ねて散歩をしたいけど、冬に登山すると下山中に日没を迎えてピンチだったりする(11月にやってしまった)。 というわけで、市街地を散歩するついでに選挙の応援活動をしている。ビラを配っていい時は配ったり、演説会で看板とかを持つ手伝いをしたり。(政治運動をしている人は割とご老体ばかりなので、普通に周囲に目を配らないと転倒とか交通事故とか) で、今回の京都市長選挙は自民党とか京都党とか維新が架空政治資金パーティーとか裏金つくりとかで荒れていて、福山和人候補の勝ち目がありそうという報道があったけど、前回は「政策なんかどうでもいい!共産党だからとに

                                                                                奇病!精子爆発!?バーンブラッドザーメン - 玖足手帖-アニメブログ-
                                                                              • 「批評」を定義するという課題|obakeweb

                                                                                批評の定義について。「定義」というのは、やや問題含みなところがあるので、私は「特徴づけ」という表現の方をより好んでいるが、まぁやること同じだ。すなわち、批評という活動(ないしその産物)に特徴的で、その他の活動(ないしアイテム)から批評を区別する要素とはなんなのか、に答えるのだ。芸術に関連した言説はいろいろある(広告、美術史、芸術哲学、キャプションなど)が、そのうちどれがなぜ批評に該当するのか。単純化のために、これらの課題については以下ではとにかく「批評の定義」と言うことにしよう。(また、「批評」はすべて芸術批評を指す。) 本エントリーは、前半と後半で異なる目的を担っている。第1節、第2節までは短いが教育的意図において書かれたものであり、第3節、第4節は、より特定的な話題に対する私のステートメントである。勉強したい人は1〜2節を読めばよいし、そうでない人は3〜4節だけ読んでもよい。 1 分析

                                                                                  「批評」を定義するという課題|obakeweb
                                                                                • 洋画興行の危機、ファンダムビジネスの最大化…日本の映画興行の”健全さ”はどこに向かう?【宇野維正「映画興行分析」刊行記念対談】|最新の映画ニュースならMOVIE WALKER PRESS

                                                                                  映画TOP 映画ニュース・読みもの 洋画興行の危機、ファンダムビジネスの最大化…日本の映画興行の”健全さ”はどこに向かう?【宇野維正「映画興行分析」刊行記念対談】 インタビュー 2024/7/3 18:30 洋画興行の危機、ファンダムビジネスの最大化…日本の映画興行の”健全さ”はどこに向かう?【宇野維正「映画興行分析」刊行記念対談】 映画ジャーナリストの宇野維正氏による著書「映画興行分析」が、7月3日に発売された。2015年から毎週連載してきた「映画興行分析」の約400本におよぶ記事を再編集し、まとめた大著だ。帯には『君の名は。』から『オッペンハイマー』まで、とある。だが、宇野が「一世代も経たない間にここまではっきりと洋高邦低から邦高洋低へとひっくり返ったジャンルは他にないだろう」と触れているとおり、ハリウッド映画から日本の、しかもアニメ―ション映画が実質的に国内の映画産業を支えるようにな

                                                                                    洋画興行の危機、ファンダムビジネスの最大化…日本の映画興行の”健全さ”はどこに向かう?【宇野維正「映画興行分析」刊行記念対談】|最新の映画ニュースならMOVIE WALKER PRESS