大阪府の戦略本部会議に臨む吉村洋文知事(中央奥)。高校授業料の無償化制度案を決定した=25日午前、大阪市中央区(甘利慈撮影) 大阪府が私立高校授業料の完全無償化の導入を決めた。「学校側の負担が増す」と反発を強めていた私学団体との間で、一時はつばぜり合いが繰り広げられたが、ようやく決着がついた。この問題を取材してきた記者として、公立・私立双方の完全無償化は生徒にとって学ぶ環境を整備する大切な施策だと感じる一方で、少しひっかかっていることがある。 新たな制度は保護者の所得制限を撤廃し、すべての生徒の授業料が無償になるという仕組みである。多くの保護者が賛同しているが、居住地や通学先によって新制度の適用を受けられない生徒もいるのだ。 大阪府の制度なので、適用されるのは府民だけ。他府県民が大阪府内の私立高校に通う場合は授業料を支払わなければならない。また、現状では大阪府民が府外の私立学校に通う場合も