1995年3月20日 その日は大学の入学手続きに行く日で、受験したキャンパスと手続きをするキャンパスが異なることに大変戸惑っており、見知らぬ場所へ行くために交通案内にしっかり目を通していた。 今でこそスマートフォンで地図を見れば、どこに行くにも迷うことはないが、当時はそうはいかなかった。駅の案内板と紙の案内を見比べて、JRの複数の路線を乗り継いで向かう。降りたことのない駅へ向かうのは、それだけで緊張感があった。 さすがに30年前のことなので、ディテールは忘れてしまったが、おっかなびっくり手続きを進め、キャンパスを後にするタイミングで石造りの入り口に目を留めたことだけ覚えている。乗ってきた路線をそのままなぞって自宅に戻る。 私は大学に入るのに浪人していたから、「喜びもひとしお」という心境のはずだったけど、人より1年長い大学受験が終わったことに関する感想は残念ながら記憶にない。自宅に戻ってすぐ