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  • 朝井リョウが語る、小説家としての心境の変化 「不確定な状態が自然なんだと受け入れられた」

    朝井リョウの新作小説『正欲』(新潮社)が、各所で話題だ。作家生活10周年を記念する作品となった『正欲』は、朝井にとって「小説家としても一人の人間としても、明らかに大きなターニングポイントとなる作品」であり、実際に書きながら様々な発見があったという。作品の特性からあらすじの詳述は控えるが、人間の欲望や社会の眼差しといったものについて考えさせられる作品であり、特設サイト(https://www.shinchosha.co.jp/seiyoku/)では刺激的な感想が並んでいる。本書はどのように執筆されたのか、ライターの速水健朗が迫った。(編集部) 自分の意思というものは、本当はないんじゃないか 朝井リョウ『正欲』(新潮社) ーー小説で「社会の見方が変わる」ことってありますよね。『正欲』は世の中の規範が変わりつつある時代の中で、「ダイバーシティ」とか「新しい生活様式」といった言葉とともに書かれてい

      朝井リョウが語る、小説家としての心境の変化 「不確定な状態が自然なんだと受け入れられた」
    • ナボコフとの出会い|ProPara

      人が読者として、ある作品と出会い、ある作家とめぐり会う。そのかたちは人さまざまだ。ここでは、わたしがどのようにナボコフと出会ったかを綴ってみる。それは結局、本を読むという行為はどういうことなのか、という問題を自問自答することになるだろう。 わたしがナボコフと出会ったのは、今から三十年ほど前の話である。だんだん記憶が薄れていくので不確かだが、大学院生のときだったのは間違いない。最初に読んだのは『セバスチャン・ナイトの真実の生涯』である。そしてそれから一年くらいの期間に、ナボコフのほぼすべての小説を読み尽くした。それでも飽きたらずに、折にふれて再読を繰り返しているうちに、いつのまにかナボコフが自分にとっていちばん大切な作家になってしまった。 どうしてそんなにナボコフに入れ込むようになってしまったのか。その理由を語り出すと長くなるが、こうである。 わたしは文学部の学生になる以前、高校の数学教師を

        ナボコフとの出会い|ProPara
      • 「こんなところにいる女性は一生独りだ」「全員処女らしい」… 女性専用アパートのカフェに“資金だけ出す”男性に、柚木麻子が感じた“いい加減”さ | 文春オンライン

          「こんなところにいる女性は一生独りだ」「全員処女らしい」… 女性専用アパートのカフェに“資金だけ出す”男性に、柚木麻子が感じた“いい加減”さ | 文春オンライン
        • 呉座勇一 『武士とは何か』 | 新潮社

          平安後期から戦国時代にかけて、政治・社会の中心にいた中世武士。日常的に戦闘や殺生を繰り返していた彼らのメンタリティーは、『葉隠』『武士道』で描かれた江戸時代のサラリーマン的な武士のものとはまったく異なっていた。史料に残された名言、暴言、失言を手がかりに、知られざる中世武士の本質を読みとく画期的論考。

            呉座勇一 『武士とは何か』 | 新潮社
          • ノーベル文学賞秘話|NHK

            スウェーデン・ストックホルムの旧市街は、中世からの建物に石畳の細い坂道が入り組み、歩いているだけでなんとも歴史を感じさせる場所だ。 その中心地に位置する広場に、ノーベル文学賞の選考を行う「スウェーデン・アカデミー」がある。 先月、私は、アカデミーの閲覧室に入っては、連日、膨大な量の文書と格闘していた。 読み込んでいたのは、アカデミーに保管されるノーベル賞の選考過程を記した資料だ。これらの資料は50年にわたる秘匿期間を経て、見ることができるようになる。 来年1月には川端康成が受賞した1968年の資料が公開されるため、それ以前の資料を改めて徹底的に調べ直そうと考えたのだ。 情報公開請求を行った資料は、谷崎潤一郎と詩人の西脇順三郎が初めて候補となった1958年から67年までの10年分。 リサーチャーの助けを借りながら250ページにのぼる資料を読み進めていくと、これまで目にしたことのないある資料に

              ノーベル文学賞秘話|NHK
            • イヴァン・ニトロエフボンバノスキーの労働(未完) - 関内関外日記

              イヴァン・ニトロエフボンバノスキーは軽ワゴンをとめると、「信頼する水を工事」と書かれたキャップを被った。工具箱を持って、その屋敷……今どきめずらしい大きな一軒家のインターホンを押した。 「ご連絡いただきました水道の工事にまいりました」 イヴァンの日本語は日本生まれの日本語話者と区別がつかないほど流暢だ。しかし、イヴァンの生まれはサハ共和国のスレドネコムリスクだ。新生神聖親政大ロシア協力協和帝国連邦の「大破局」の影響で、5年前に日本の北海特別領域に逃れてきた。それ以来、いくつかの職で食いつなぎながら、首都大都市東京にたどりついた。今の仕事は水道工事の出張サービスだ。 「お待ちしていました。どうぞ」 と、インターホンから若い女の子の声がすると、門がオートマチックに開いた。誘導ホログラムが勝手口ドアへのルートを示した。 勝手口から現れたのは、平成後期型のメイド服を来た女だった。青白い顔色、目の下

                イヴァン・ニトロエフボンバノスキーの労働(未完) - 関内関外日記
              • 「天国で会おうよ」と「もっと人と接しなさい!」…アニメ『君の膵臓をたべたい』“僕”と桜良はなぜ電柱の左側にいたのか | 文春オンライン

                住野よるの『君の膵臓をたべたい』は、もともとは小説投稿サイト「小説家になろう」に発表された作品だ。これが2015年に商業出版され、本屋大賞第2位に選ばれるなど大きな話題を呼んだ。原作小説は「僕」の一人称で進行するところに小説としての仕掛けがある。しかしこれは小説ならではの仕掛けなので、登場人物が基本的に客観的視点で描かれる映像化の場合は、大きな武器にはならない。 主人公の「僕」は高校生。「僕」は病院で偶然「共病文庫」というタイトルの文庫本を拾う。それは「僕」のクラスメイトである山内桜良(やまうち・さくら)の闘病記だった。彼女はそこに、自分が膵臓の病気でもう長くはないということを綴っていた。偶然、桜良の秘密を知ってしまった「僕」は、彼女のさまざまな「死ぬ前にやりたいこと」に付き合わされることになる。そして思わぬ形で2人の別れはやってくる。 興行収入34億を超えた実写映画『君の膵臓をたべたい』

                  「天国で会おうよ」と「もっと人と接しなさい!」…アニメ『君の膵臓をたべたい』“僕”と桜良はなぜ電柱の左側にいたのか | 文春オンライン
                • ゆく年くる年、何を読む?早川書房2019海外文芸総ざらい|Hayakawa Books & Magazines(β)

                  年の瀬が迫ってまいりました。みなさん、年末年始の読書の予定はお決まりですか? 「読みたい本がほかにもたくさんあるから長すぎず、でも読み応えのあるものを読みたい」「海外文学を読みはじめたいけど長すぎると心が折れる」「時間があるから長篇の世界にじっくり浸りたい」などなどあらゆる要望に応えるべく、2019年に早川書房が刊行した海外文芸を、ページ数と独断と偏見でライト級、ミドル級、ヘヴィー級の3階級に分類しました。各作品、担当編集の激推しおすすめコメントつきです! ライト級 『ビール・ストリートの恋人たち』 ジェイムズ・ボールドウィン/川副智子訳 四六判上製 本体価格2,200円+税 288ページ 恋人が冤罪で収監されてしまったら。そんなむごい状況を描いた小説ですが、詩的な文章にとにかくうっとり。60~70年代の音楽を聴きながら読むのもいいですね。すばらしい映画版もぜひチェックしてみてください。(

                    ゆく年くる年、何を読む?早川書房2019海外文芸総ざらい|Hayakawa Books & Magazines(β)
                  • 研究の話 | ちくさ病院(名古屋市千種区今池駅)

                    はじめに 私はもともと腎臓内科医でしたが名古屋大学大学院に入学したころ、 大学院生の規則で最低1年は基礎の研究室で研究しなければならないという規則ができました。 適当に籍だけおいてお茶を濁す医局もあったとは思うのですが、 私は実際に基礎の医局(微生物学教室)に派遣され研究に専念することになりました。 1年が経ちましたが天邪鬼な性格のせいでそのまま放置され、大学院修了後に至っては帰局しろとも言われなかったので、 そのまま基礎の教室の助手として居座ってしまいました。 就職して2年たったころ、教授から呼ばれ「米国の研究室に留学するように」命令を受けました。 「どこに留学するのですか?」と聞いたのですが、「どこでもよい」とのことで、とりあえず気候のよいカリフォルニアで研究室を探していただく ことにしました。もちろん私のような実績もない研究者に給料をだして雇ってくれる研究室などあるわけもなく、サンデ

                      研究の話 | ちくさ病院(名古屋市千種区今池駅)
                    • 土蜘蛛 - 関内関外日記

                      夜、ぼくは近くの公園の外周をウォーキングしていた。歩くのは健康にいい。医者もそう言っている。この季節は少し寒いけれど、歩く人も走る人も少なくていい。 モヒニ・デイのベース・プレイを聴きながら、適度なスピードで歩く。向こうから女性が一人歩いてくる。ウォーキングだろうか。まわりが暗くて、長い髪と白い服がぼんやり見えるだけだ。ぼくは、ぶつからないように少し進路をかえた。 その瞬間だった。女性の顔がものすごい光を放った。ぼくはなにが起こったかわからず、目をふさぎ、腕で顔を覆った。何秒か経って、目を開いた。女性はそこにいた。顔は蛍光灯ていどの光を放っている。 すると、女性は植え込みの方に走り込んでいった。ぼくは思わずそちらに向かった。恐怖心もあったが、なにか知りたい気持ちが大きかった。 植え込みの向こうの空間、そこに土蜘蛛がいた。とびきり大きな土蜘蛛と、少し大きな土蜘蛛、中ぐらいの土蜘蛛、小さな土蜘

                        土蜘蛛 - 関内関外日記
                      • 緊急対談! AIは電子図書館の夢を見るか?~ChatGPTに聞く、これからの図書館とAIの関係(LRG連載早期公開企画第1弾) - かたつむりは電子図書館の夢をみるか(はてなブログ版)

                        引っ越し報告を書いてから4年間、完全にブログを放置してしまっていました……(汗) と言ってもTwitterは(私事は稀にしか書かないけど)やっていますし、はてなブックマークとか、いろいろなところで連載を持ったり発表したり論文を投稿したりはしていたので、消息ご存知の方も多いかとは思いますが。 ちなみに佐藤のプライベートを含む近況がもっとも書かれているのは『ライブラリー・リソース・ガイド(LRG)』連載のプロフィール欄末尾だったりします。 arg-corp.jp 今回はそのLRG連載との連動企画。 最近話題のChatGPTと、インタビュー形式でこれからの「図書館とAIの関係」について討論してみたよ……というネタをやったのですが。 openai.com ChatGPTとの対談の様子 いつもの連載の倍くらいの分量になったので分割される可能性があるうえ、掲載号が刊行される頃にはとっくにブームが去って

                          緊急対談! AIは電子図書館の夢を見るか?~ChatGPTに聞く、これからの図書館とAIの関係(LRG連載早期公開企画第1弾) - かたつむりは電子図書館の夢をみるか(はてなブログ版)
                        • https://twitter.com/MANOHIKO/status/1590998492679655424

                            https://twitter.com/MANOHIKO/status/1590998492679655424
                          • 親を「しょうがない」と割り切ることで親子関係が変わる/村井理子×こだま対談<前編> | 女子SPA!

                            どんなに時代が変わっても、家族関係の悩みは尽きることがありません。実体験をもとにした小説『夫のちんぽが入らない』でデビューし、家族や日常について、赤裸々かつユーモラスに書き続けているこだまさん。 翻訳家として多数の著作を手がけながら、崩壊した自身の家族についてのエッセイ『家族』や、認知症の義母の日常を書いた『全員悪人』など、多くの家族エッセイを書いている村井理子さん。 こだまさんと村井さんは、その圧倒的な筆力で、自身の家族をときにユーモラスに、ときにままならない他者として描き、家族に悩む多く人々の共感を得てきました。今回、初対面となったふたり。家族エッセイの是非や、親との確執を克服したきっかけ、父親たちのおかしな終活について語りました。 村井:こだまさんはエッセイを書いていることを誰にも知られてないんですか。 こだま:そうですね。家族にすら話してないです。 村井:これだけ短期間で何冊も出さ

                              親を「しょうがない」と割り切ることで親子関係が変わる/村井理子×こだま対談<前編> | 女子SPA!
                            • OHTABOOKSTAND

                              映画を見た後に「なんかよかった」「つまらなかった」という感想しか思い浮かばない人のために、フェミニスト批評家・北村紗衣さんが、初めて見る映画の感想を話しながら注目してほしいポイ...

                                OHTABOOKSTAND
                              • 秋の野原を行く - 関内関外日記

                                おれはジャージを着て秋の野原をずったらずったら歩いていた。この世界はどうかしちまって、ジャージで心地よくすごせる季節が減ってるみたいなんだ。季節までおれに嫌がらせをするのか。おれは腹が立ってしまって、そこらへんの草をむしり取って、投げ捨てた。 「おい、きみ、草がかわいそうじゃないか」 いきなり話しかけられた。声の主をみてみると、一匹のタヌキがいた。戯画化されたタヌキなんかじゃない。『ダーウィンが来た!』の定点カメラに映ってるようなリアルなやつだった。 「リアルなタヌキが話すなよ」とおれ。 「それは問題じゃないんだ、命は大切にしなきゃいけない」とタヌキ。 煮て食ってやろうかと思ったが、あいにくおれのポケットにはiPhone 14 Proしか入っていなくて、タヌキを殺すのは無理だった。きみたちは素手でタヌキを殺せるか? 「もう、そういうのは聞き飽きたんだ。世界は絶望しているってなんでわからない

                                  秋の野原を行く - 関内関外日記
                                • 「小説トリッパー」編集長・池谷真吾が語る、文芸誌の領域 「境界線はなくなり〈すべて〉が小説になった」

                                  小説雑誌は一般的に純文学系とエンタテインメント系に大別できるが、季刊「小説トリッパー」は、両方を扱っている点に独自色がある。また、朝日新聞出版という大手新聞社系の版元からの発行なのも特徴だ。昨年は今村夏子『むらさきのスカートの女』が同誌掲載作で初の芥川賞を受賞し、2020年夏季号で創刊25周年を迎えた。 池谷真吾編集長に「小説トリッパー」の歩みとともに、前歴である角川書店(現KADOKAWAグループ)での経験、吉田修一『悪人』、角田光代『坂の途中の家』など担当した書籍についても語ってもらい、1990年代からの文芸の流れをふり返った。(10月21日取材/円堂都司昭) 「野性時代」のアルバイトからキャリアがスタート ――この世界にどういう風に足を踏み入れたんですか。 池谷:就職活動に失敗しまして、どこからも採用されませんでした。1992年のことです。年が明けて、もう大学も卒業という時に、友人が

                                    「小説トリッパー」編集長・池谷真吾が語る、文芸誌の領域 「境界線はなくなり〈すべて〉が小説になった」
                                  • 「多様性について考えてくれただけでありがたい」とは思わない。『ジャクソンひとり』の“復讐”が意味するもの【芥川賞候補作】

                                    「多様性について考えてくれただけでありがたい」とは思わない。『ジャクソンひとり』の“復讐”が意味するもの【芥川賞候補作】 アフリカのどこかと日本のハーフで、昔モデルやってて、ゲイらしい――。職場でそう噂される「ジャクソン」が主人公。「この軋轢や諦念、あるいは幸福を、日々“当然のこと”として生きている誰かへ」【安堂ホセさんインタビュー】

                                      「多様性について考えてくれただけでありがたい」とは思わない。『ジャクソンひとり』の“復讐”が意味するもの【芥川賞候補作】
                                    • Salman Rushdie: Author in surgery after being stabbed on stage

                                      Author Salman Rushdie, who suffered years of Islamist death threats after writing The Satanic Verses, has been stabbed on stage in New York state.

                                        Salman Rushdie: Author in surgery after being stabbed on stage
                                      • いとうせいこう著『親愛なる』文庫版 - BCCKS

                                        ある日、いとうせいこうの元に届いた謎の長文メール。 そのメールに返信したことから、小説家としての意地をかけた勝負が始まる。 メール内でもうひとつ始まる小説は、韓国を舞台にしたサイバーパンク小説! いとうせいこうによる小説『親愛なる』の文庫化ッ! 2014年。つまり10年前。パーソナライズド小説という当時は聞き慣れなかったし、いまも聞き慣れない小説として『親愛なる』は生まれました。 注文した人ひとりひとりに合わせて内容が「少し」変わる小説なんです。それをパーソナライズ小説と呼んでみました。 当サービスBCCKSから期間限定で発売された『親愛なる』は、噂が噂を呼んで噂はすぐにひろがりだした、日本はじめてかどうかわからないけどオンデマンド印刷によって可能になった物理的に手に取れる自分だけの小説、というものが産み落とされ、たいそう評判になり、そして伝説になりました。なぜならその時にしか手にすること

                                          いとうせいこう著『親愛なる』文庫版 - BCCKS
                                        • 『夫のちんぽが入らない』のエッセイスト・こだまの「特殊能力」とは?

                                          「向いているかは、まだわからない。でも意外とやれている」 喫茶店でホール担当のバイトを始めて二ヶ月経った頃、エッセイの締めに書いた文章である。 初夏から晩秋までの契約だった。覚えることがたくさんある。同じ失敗を繰り返して叱られている。だけど、最終日にはこの店の一員として認められるような動きを身に付けていたい。この調子で覚えていけば、きっとできる。そんな夢を見ていたのである。 目を覚ませ。店の裏山の清流で顔を洗え。何が「意外とやれている」のか。信じられないことに、私は二ヶ月目の情けない働きぶりをキープしたまま最終日まで走り続けたのであります。伸びしろがありませんでした。 叱られても一向に変わらないほうがむしろ難しいだろ。 まあ、まだ教えたばかりだしな。これから慣れていくよな。皿を割るのも今だけだろう。店主もはじめは内心そう思っていたはずだ。しかし、私はいつまで経っても皿を割り、注文を聞き間違

                                            『夫のちんぽが入らない』のエッセイスト・こだまの「特殊能力」とは?
                                          • 「“何者にもならない”人を書きたい」新直木賞作家・澤田瞳子が〈時給940円のアルバイト〉を15年続ける理由 | 文春オンライン

                                            ――このたびは『星落ちて、なお』の直木賞受賞、おめでとうございます。昨日は発表までどのように過ごされたのですか。 澤田 担当の方たちと数名でご連絡を待っていたのですが、久留米で東山彰良さんが葉室麟さんのお友達の方たちと一緒に待ち会をしてくださっていて、そちらとビデオ通話をしたりしていました。 そんな最中に高校時代の後輩から、「直木賞にノミネートされているなんて知らなかった!」ってメッセージがきたりして。スマホが光るたびに担当編集者さんがちらっちらっと気にしてらっしゃる状態が長く続き、その挙句の果ての受賞の連絡でした(笑)。 ――楽しそう(笑)。受賞作『星落ちて、なお』は明治期の話で、主人公は日本画家、浮世絵師の河鍋暁斎の娘、とよ(河鍋暁翠)ですね。 澤田 天才の子どもに興味があったのです。その一方で、河鍋暁斎にもずっと関心はあったんですが、ああいう非凡な絵師を主人公にすると以前書いた『若冲

                                              「“何者にもならない”人を書きたい」新直木賞作家・澤田瞳子が〈時給940円のアルバイト〉を15年続ける理由 | 文春オンライン
                                            • 書き出し小説大賞第184回秀作発表

                                              雑誌、ネットを中心にいろいろやってます。 著書に「バカドリル」「ブッチュくんオール百科」(タナカカツキ氏と共著)「味写入門」「こどもの発想」など。最近は演劇関係のお仕事もやってます。 前の記事:書き出し小説大賞183回秀作発表 > 個人サイト バカドリルHP 天久聖一ツイッター 月に一、二度行く近所の家系ラーメン屋はごはんが無料で、巨大な炊飯ジャーの隣には、キン肉マンのイラストが貼られており、その吹きだしには「ジャーのフタは静かに閉めてくれよな!」と書かれている。 それでは今週も、めくるめく書き出しの世界へご案内しよう! 書き出し自由部門

                                                書き出し小説大賞第184回秀作発表
                                              • https://twitter.com/kota_draw/status/1634141226088771584

                                                  https://twitter.com/kota_draw/status/1634141226088771584
                                                • 「自分が自分じゃなくなるってそんなに悪いこと?」鬱で確変して分かったこと【こだま】|ウートピ

                                                  『いまだ、おしまいの地』インタビュー・前編 「自分が自分じゃなくなるってそんなに悪いこと?」鬱で確変して分かったこと【こだま】 『夫のちんぽが入らない』で鮮烈なデビューを飾った作家のこだまさんによる2冊目のエッセイ『いまだ、おしまいの地』(太田出版)が9月に発売されました。 第34回「講談社エッセイ賞」を受賞した前作『ここは、おしまいの地』の続編。北の荒野「おしまいの地」で、詐欺師にお金を振り込んでしまったり、晴れ舞台に立つ直前に自然災害に巻き込まれたりと、相変わらず“ちょっとした事件”に巻き込まれるこだまさんや周りの人々の日常がつづられています。 前作との違いや心境の変化についてこだまさんに話を聞きました。前後編。 嫌だったことは無理に自虐に落とさない ——『いまだ、おしまいの地』を執筆されるにあたり意識したことはどんなことですか? こだま:前作の『ここは、おしまいの地』は過去の話がメイ

                                                    「自分が自分じゃなくなるってそんなに悪いこと?」鬱で確変して分かったこと【こだま】|ウートピ
                                                  • ホストたちの「万葉集」 歌舞伎町の虚実、短歌に込める:朝日新聞デジタル

                                                    ","naka5":"<!-- BFF501 PC記事下(中⑤企画)パーツ=1541 -->","naka6":"<!-- BFF486 PC記事下(中⑥デジ編)パーツ=8826 --><!-- /news/esi/ichikiji/c6/default.htm -->","naka6Sp":"<!-- BFF3053 SP記事下(中⑥デジ編)パーツ=8826 -->","adcreative72":"<!-- BFF920 広告枠)ADCREATIVE-72 こんな特集も -->\n<!-- Ad BGN -->\n<!-- dfptag PC誘導枠5行 ★ここから -->\n<div class=\"p_infeed_list_wrapper\" id=\"p_infeed_list1\">\n <div class=\"p_infeed_list\">\n <div class=\"

                                                      ホストたちの「万葉集」 歌舞伎町の虚実、短歌に込める:朝日新聞デジタル
                                                    • 平野啓一郎氏、五輪選手村からの外国人選手向けバスツアー計画に怒り「舐めてんのか」 - スポーツ報知

                                                      芥川賞作家の平野啓一郎氏が12日、自身のツイッターを更新。新型コロナウイルスの感染再拡大の中での開催が危惧される東京五輪の選手村から外国選手らを乗せて都内の観光名所を巡るバスツアーが計画されていることに怒りをあらわにした。 この日、選手村の宿泊者は新型コロナウイルス感染防止策で外部との接触が遮断され、観光地などに足を向けられないが、バスの中から景色を眺める分には問題ないと判断。大会組織委員会の橋本聖子会長も13日の開村に向け、選手らを迎える検討に入っているという記事を貼り付けた平野氏。 「納税者は緊急事態宣言でステイホーム。舐めてんのか、と」と厳しい筆致でつづると、「国民の精神的な健康のためのプログラム、なんかやったか?」と疑問を呈していた。

                                                        平野啓一郎氏、五輪選手村からの外国人選手向けバスツアー計画に怒り「舐めてんのか」 - スポーツ報知
                                                      • 坂東夫人(磯崎愛) - カクヨム

                                                        あれほど祝福されて結婚したのに、子どもを育てるにはいい場所だと説得されて引っ越したのに、何もかも違ってしまった――と嘆く主婦・平野陽子の物語。 かつて美大生だった陽子はあるきっかけで絵画教室に通いだす。そこで講師の山本から絵画の公募展の新人賞に応募しないかともちかけられる。ひさしぶりに絵を描くことができて喜ぶ陽子に山本は急接近してきて―― 不倫相手、夫、義母、義理の姉、両親、旧友、それぞれの関係を見つめなおし、最後に陽子が選んだのは? 該当する〇 やや当て嵌まる△ なし× 1. LINE・マッチングアプリ等がからんだ浮気やサレ妻 〇 2. 全般的なサレ妻 〇 3. セックスレス × 4. 夫・彼氏がいても好きな人ができた 〇 これで登録 5. ママ友 × 6. モラハラ・DV △…続きを読む

                                                          坂東夫人(磯崎愛) - カクヨム
                                                        • 【お恵み】ロシアから届いたウオッカ【ロシア】 - 関内関外日記

                                                          ロシアからウオッカが届いた。お恵みものだ。ロシアからというのは嘘だ。そもそもアブソルート・ウオッカはスウェーデン製だ。だからといって嘘だといっていいのか。ロシア人は言う。「ロシアにウオッカがあるのではない。ウオッカがある場所がロシアである」と。となるとスウェーデンもロシアである。無論、ウオッカが届けられたここ神奈川県横浜市中区もロシアに違いない。おれはロシアでウオッカを飲む。まだ暑いとき、おれはウオッカを一本冷凍庫に仕込んである。キンキンに冷えて、なおかつとろみのあるウオッカを飲む。あれだけキンキンに冷えて、とろみのある飲み物がほかにあるか? とろみのある飲食物というのは、だいたい熱すぎて舌を火傷する系統のものばかりだ。ロシアではそんなことはない。シベリアの極寒で、おまえはとろみのあるウオッカを飲む。舌ではなく喉を焼く。そこがロシアだ。ウオッカを薄めてはいけない。ただ、ホワイト・ロシアンを

                                                            【お恵み】ロシアから届いたウオッカ【ロシア】 - 関内関外日記
                                                          • 佐藤二朗が未発表シナリオを初公開!「このまま闇に葬るのも悔しい」 | AERA dot. (アエラドット)

                                                            この記事の写真をすべて見る 個性派俳優・佐藤二朗さんが日々の生活や仕事で感じているジローイズムをお届けします。今回は、自身が執筆した映画シナリオの一部をご紹介するスペシャル回です。 【画像】佐藤二朗、仏のような笑顔 *  *  * 執筆はしたものの、金銭面などの理由で撮影に至らずにいる映画シナリオが僕には数本ある。このまま闇に葬るのも悔しいので、今日は特別に、その中から、ある映画シナリオの一部抜粋をお届けする。 以下、映画「ヤマナミ(仮題)」(2011年1月5日脱稿)の一部抜粋(冒頭部分)。※ちなみに「一通(いっつう)」の役を僕がやるつもりでした。※12年前に書いた脚本で、古さを感じる箇所もありますが、あえてそのまま掲載します。 ○どこかの一室 白いガウンを着て、ソファに座っている男、一通。 ベッドに浅く腰掛けている若い男、河崎。 二人は小声でボソボソと何やら言い合っている。 一通 「なん

                                                              佐藤二朗が未発表シナリオを初公開!「このまま闇に葬るのも悔しい」 | AERA dot. (アエラドット)
                                                            • 【寄稿】現在のアメリカ社会を考える:池田年穂氏|慶應義塾大学出版会 Keio University Press

                                                              黒人男性のジョージ・フロイド氏が警察官に首を押さえつけられて亡くなった後、人種差別に抗議するデモが、Black Lives Matter 運動(BLM 運動)としてアメリカ全土で拡大を見せており、終息が見えない事態となっている。 そのような状況のもと、アメリカであらためて注目を集めている書籍がある。アフリカ系アメリカ人作家、タナハシ・コーツ著の『世界と僕のあいだに』(原題:Between the World and Me)だ。この作品は2015年発売以来アメリカ国内で大きな話題を呼び、これをきっかけにコーツはアフリカ系を代表する作家の一人となった。 ここでは、『世界と僕のあいだに』の日本語版訳者である 池田年穂氏に、タナハシ・コーツの作品を通じて見えてくる現代のアメリカ社会について、ご寄稿いただいた。 タナハシ・コーツ Ta-Nehisi Coates (13 July 2015) by

                                                                【寄稿】現在のアメリカ社会を考える:池田年穂氏|慶應義塾大学出版会 Keio University Press
                                                              • 誕生 - 肉芽観察記

                                                                それは 小さな瞬きでした ろうそくよりも淡く 夢のようにおぼろげな 小さな瞬きでした はるか遠くのどこか 時のむこうのいつか 誰も知ることもなく そっと生まれた 瞬きでした

                                                                  誕生 - 肉芽観察記
                                                                • べつにこのままSF小説が中高生に読まれず滅び去ったとしても良いんじゃないか論。 - Something Orange

                                                                  【若者とSFと】 【面白いSFはたくさんあるのだけれど】 【さいごに】 この記事はこちら()からはてなブックマークに登録できます。もし面白いと思われましたら何かしら言及していただけるととても嬉しいです。よろしくお願いします。それでは、記事へどうぞ。 【若者とSFと】 「これ一休よ、若者にSFを流行らせてくれ」 「では殿様、まずはSFを定義してください」 — 柞刈湯葉(いすかり・ゆば) (@yubais) 2024年5月7日 飯田一史さんの「中高生にSFを読んでもらうには」と題した講演録が話題だ。 「狭義のSF小説」が読まれなくなっていることと、どうすれば読まれるようになるかが切々と語られていて、なかなか説得力に富んでいる。 飯田さんはかつての『ベストセラー・ライトノベルのしくみ』以来、若年層の読書週間についての定量的な調査をもとに「いまじっさいに何が読まれているのか」を語ってきた数少ない論

                                                                    べつにこのままSF小説が中高生に読まれず滅び去ったとしても良いんじゃないか論。 - Something Orange
                                                                  • 中国か日本か…山崎豊子が「大地の子」主人公のセリフに込めた思い | 毎日新聞

                                                                    山崎豊子(1924~2013年)は76~78年の『不毛地帯』を皮切りに、『二つの祖国』『大地の子』と約15年にわたって戦争を主題にした3部作に取り組んだ。『大地の子』で編集担当デスクを務めた平尾隆弘・元文芸春秋社長(77)は、過酷な運命を引き受けひたむきに生きる登場人物たちの魅力は、戦争という「絶対悪」との対立でひときわ輝くと読み解く。 「情熱の筆・山崎豊子生誕100年」でも過去の記事が読めます。 「山崎先生にとって戦争は絶対悪。戦争が生む悲劇を『大地の子』でも明確に打ち出した」。同作を連載中、山崎と毎日のように電話でやりとりをした平尾さんはこう語る。 「ダーティーヒーロー」から戦争へ 生前、山崎は「善と悪の振幅(ふりはば)が大きければ大きいほど、ドラマとしての面白さが生(うま)れる」(『「大地の子」と私』)と語っていた。社会派小説の担い手として地位を確立した『白い巨塔』(65~69年)で

                                                                      中国か日本か…山崎豊子が「大地の子」主人公のセリフに込めた思い | 毎日新聞
                                                                    • 寓意 - 肉芽観察記

                                                                      寓話をグツグツ煮て出てきたものがアフォリズムだとしたらそんなものは捨ててしまおう。隠喩と換喩にしか言葉は還元できないのだとしたら、それは圧縮と置換の言い換えなのでそれは夢の作業と同じなのだ。あなたがもし詩を書こうと思うのならば、お願いだからその枷を破ってほしい。ただの精神作用に過ぎないものはアルゴリズムとランダム性だからだ。私の書くものがそこに落ち込まないように広場を用意してほしい。あなた達と手を取り合うこともなしに、私一人で泣き叫ぶ場が必要になるだろう。あなた方は空に開いた穴に吠えることになる。私は正気を失っていなければ、それは正気ではないのだ。だからアフォリズムは誰のことも指し示さないまま虚無に帰る。 つまらない手癖のような哀歌を綴ることの痛みを忘れ去るために、正確なリズムで言葉は並べ替えさなければいけない。最良の言葉の最良の配置は最悪の言葉の最悪の配置に勝てるのか。偉大な詩人たちはお

                                                                        寓意 - 肉芽観察記
                                                                      • 京都在住の元病院副院長、小説で描いた近代の名庭師・小川治兵衛の姿とは|文化・ライフ|地域のニュース|京都新聞

                                                                        近代の偉人や現代医療をテーマに数々の小説を出版してきた、元近江温泉病院副院長の医師中尾實信さん(83)=京都府京田辺市=が、執筆活動の集大成となる作品を完成させた。物語の主人公は、明治~昭和初期に多数の名庭を手がけた7代目小川治兵衛(1860~1933年、屋号・植治(うえじ))。京都を舞台に一人の庭師が、多くの政財界人らと交わりながら新たな空間美を追求し、激動の時代を

                                                                          京都在住の元病院副院長、小説で描いた近代の名庭師・小川治兵衛の姿とは|文化・ライフ|地域のニュース|京都新聞
                                                                        • 小島秀夫が選ぶ、2023年のミステリー小説13選 全国書店でフェア開催

                                                                          フェア「ヒデミス!2023 小島秀夫が選んだミステリー・ゴールデン・ダズン」が、全国の主要書店で12月上旬より開催される。 「メタルギア」シリーズで知られるゲームクリエイター・小島秀夫さんが、2023年に一番面白かったミステリー作品を選出。 開催店舗でフェア対象商品を購入すると、アートディレクター・新川洋司さん描き下ろしフェアオリジナル栞のプレゼントキャンペーンも開催される。 目次 1. ゲームクリエイター・小島秀夫とは2. 『頬に哀しみを刻め』S・A・コスビー/加賀山卓朗=訳3. 『踏切の幽霊』高野和明4. 『ミン・スーが犯した幾千もの罪』トム・リン/鈴木美朋=訳5. 『卒業生には向かない真実』ホリー・ジャクソン/服部京子=訳6. 『この密やかな森の奥で』キミ・カニンガム・グラント/山﨑美紀=訳7. 『トゥルー・クライム・ストーリー』ジョセフ・ノックス/池田真紀子=訳8. 『ナイフをひね

                                                                            小島秀夫が選ぶ、2023年のミステリー小説13選 全国書店でフェア開催
                                                                          • 村上春樹の書斎も訪問 『SWITCH』の「いい音」特集にtofubeats、鈴木慶一 | CINRA

                                                                            特集記事「いい音とともに暮らす QUALITY of SOUND LIFE」が、11月20日発売の雑誌『SWITCH Vol.37 No.12』に掲載される。 3年連続のサウンド、オーディオ特集となる今回は、「いい音」にまつわる様々なコンテンツを約60ページにわたって展開。村上春樹の書斎兼オーディオルームを訪ねる巻頭には、ビンテージスピーカーの音やオーディオ歴、村上にとっての「いい音」の定義など、「音」と「オーディオ」についてのインタビューや、同インタビューの聞き手を務めたオーディオ専門誌『ステレオサウンド』の元編集長・小野寺弘滋によるコラム「村上春樹さんのオーディオ」、村上の書斎を木村和平がアナログフィルムで捉えた写真を掲載する。 また田中知之、チダコウイチ、蓮井幹生、北島明のオーディオシステムや、東京・秋葉原のハイエンドオーディオショップ「ダイナミックオーディオ」を紹介。さらに鈴木慶一

                                                                              村上春樹の書斎も訪問 『SWITCH』の「いい音」特集にtofubeats、鈴木慶一 | CINRA
                                                                            • 寄り添わず - 肉芽観察記

                                                                              寄り添わず きみはきみの足で 僕は僕の足で 歩いて行こう 疲れたときは 少しゆっくり 元気なときは 膝を上げて 立ち上がれないほど 苦しいときは 声をかけてください 寄り添わず きちんと手を握るから

                                                                                寄り添わず - 肉芽観察記
                                                                              • 東大医卒・森鴎外の「舞姫」背景知ると衝撃的な中身

                                                                                コンテンツブロックが有効であることを検知しました。 このサイトを利用するには、コンテンツブロック機能(広告ブロック機能を持つ拡張機能等)を無効にしてページを再読み込みしてください。 ✕

                                                                                  東大医卒・森鴎外の「舞姫」背景知ると衝撃的な中身
                                                                                • すべての六月のはじまりに - 関内関外日記

                                                                                  この地方も半月つづけて雨になった。湿気がまとわりつくようになった。露で濡れた芝生には寝っ転がることもできない。おれは一人、静かな部屋で椅子に座っていた。ただ、椅子に座っていた。人の気配もなかった。塩のスープと黒パンをとると、おれはまたベッドに戻った。ただ倦怠感だけがそこにはあった。寝るでもなく寝ないでもなく、おれはベッドに横たわって虚空のなかにあった。 コトン。 郵便受けになにか入る音がした。ドアに穴が開いているものが郵便受けというのならば。おれは冗談みたいにゆっくりとした動きで、ベッドから立ち上がり、ゆっくりとドアの方に向かった。そこには、梱包された二枚のマスクが落ちていた。こんな文明がない場所に、文明の切れ端が届いた。おれはおかしくなって、包みからマスクを取り出し、耳にひもをひっかけた。たしかにこれはマスクだ。マスクのにおいがする。これで外に出られるのだろうか。日光を浴びながら自転車を

                                                                                    すべての六月のはじまりに - 関内関外日記