現在(2022年7月)進行中のロシアによるウクライナ侵攻を伝えるニュースでも、たびたび祖国を守る女性兵士の姿が取り上げられています。また、21世紀に入り、世界中の軍隊で女性兵士は増加していますが、この現象を単純に男女平等の進展と理解して良いのでしょうか? 弊社7月刊『女性兵士という難問――ジェンダーから問う戦争・軍隊の社会学』は、極端にジェンダー化された軍隊という組織において、この20余年のあいだに起こったさまざまな変化をふまえながら、女性兵士が果たすことを求められてきた役割とその効果に着目し、検証を進めます。また、女性兵士の経験から現象を見つめることで、その男性中心性を明らかにしていきます。 今回は、著者が、戦争・軍隊を「ジェンダーから問う」意義やその難しさをストレートに綴った「はじめに」部分を公開いたします。ぜひご覧いただければ幸いです。 *** はじめにわたしが知っていることの95%